MSX3メモ ~マラソン・トレラン・登山のあれこれ~

アルコールを中和するために走るおっさんが登山やマラソンのことをメモするブログ。マンガゲームウイスキーについても語る!

2022年6月27日・28日 中央アルプス縦走 空木岳から宝剣岳・木曽駒ケ岳へ檜尾避難小屋利用の1泊2日登山 カモシカと雷鳥に出会った

中央アルプス空木岳から木曽駒ケ岳まで、1泊2日で縦走してきました。

中央アルプスの百名山「木曽駒ケ岳」と「空木岳」をつなぐ縦走路は、いつか歩いてみたいと思っていた憧れのルート。今回は檜尾避難小屋を利用したんですが、避難小屋に泊まるのも人生で初めてでした。

まさかの梅雨明けとなり、この2日間も下界は灼熱の日々でしたが、山の上は強風と雷雨で荒れた天候の中でしたが、何とか無事に帰還できました。

計画・避難小屋が有料になる前に

6月の山行を計画するにあたり、どこに登ろうかあれこれ考えましたが、今年クリアしておきたいルートの一つがこの中央アルプス縦走でした。というのも、途中にある檜尾避難小屋が改修され今年の7月から有料小屋としてリニューアルオープンすることが決まっておりまして、そんなニュースを見ているうちに歩いてみたくなりました。あと単純に今なら無料で泊まれるというのもデカい。テント場ですら2000円ですからね。

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中央アルプス檜尾小屋 | 檜尾小屋 | 檜尾避難小屋 | 檜尾岳 | 中央アルプス | 駒ヶ根市

木曽駒は初めての登山で登った山で、ロープウエイ利用すれば2時間かからず登頂できるんですが、反対側の空木岳はふもとからの標高差2000mでコースタイム7時間以上のハードな山。そしてその二つの百名山をつなぐ縦走路は、アップダウンの大きな厳しい登山道として有名です。

普通に考えればロープウエイ利用して標高を稼ぐ方が楽なので、「木曽駒⇒空木」というルートが一般的だと思いますが、二日目の行程が長くまた標高差2000mの下山が最後に残るのがちょっと面倒で、疲労骨折の膝に優しくなさそうです。

  1. 空木岳は初めて登るので麓から登りたい
  2. 1日目大変でも2日目に楽して早く下山したい
  3. 避難小屋では次の日の心配をすることなくリラックスして過ごしたい
  4. 長い下山は勘弁して

というような理由から、ハードですが「空木岳⇒木曽駒」で歩くことに決定!

右膝の疲労骨折の回復が遅々として進まない中、ロングコースを歩き続けられるか不安は大きかったんですが、本格的な夏山シーズン開幕に向けて出発です。(最悪無理そうなら空木岳だけ登って帰ってこよう)

ルート・コースタイム

空木岳の登山口である駒ケ根高原スキー場の駐車場から入って、千畳敷に下山後ロープウエイとバスで戻ってくるという計画。ヤマレコでは「とても速い」となっていますが、やっぱり予想通り1日目がむちゃくちゃキツくて「とても遅い」感覚でした。「標高差2000m以上で10時間行動」はおっさんにはハード過ぎました。

2日目はコースタイムよりかなり早く歩けましたね。

ということで、写真キャプション形式で登山の様子を振り返ります。

登山口~空木岳まで

4時起床して駒ケ根高原スキー場の駐車場に6時頃着。途中高速と菅ノ台バスセンターのトイレで2回ウンチしてきたので今日は具合がいいです。スキー場の駐車場は4段くらいになっていましたが、止まっている車は5台ほどでした。素早く準備して6時15分に出発しました。

ちなみに空木岳ピストンならもっと上にも林道が伸びているらしいんですが、現在通行止めとなっております。標高800mくらいからスタートして、2860mの空木を目指します。

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駐車場のすぐ前に登山道入口です。標高差2000mの登り開始

序盤は遊歩道にもなっているのでいい道です。所々林道を横切って登っていきます。いきなり急登で心拍数が一気に上がります。

7時頃に林道終点の駐車場に到着。今は通行止めなので車はいませんが、トイレがあります。このトイレの裏手に、本来の登山道をショートカットする直登ルートがあります。かなり急です。

しかし、誰も歩いていません。登るにつれて雲の中に入ったようでガスっぽくなってきました。遠くは青空なんですが。道はよく整備されていて歩きやすいですが、尾根筋に取り付くまでの急斜面はかなり大変でした。

1時間半ほどで池山小屋付近の水場に到着。今回のルートはここが(確定)最終水場になるので、ここでたくさん背負って行かなければいけません。家から持ってきたハイドレーションの中身500mlはほぼ飲み切ったので、3リットル満タンにしていきます。ついでに汗かきまくった顔と頭も洗ってクールダウンしました。ザックを背負うと水が増えた分ズシリと重くなりました。

ちなみに今回持って行った水はこの3リットル+BCAA1リットル、ペットボトルのお茶600ml、ビール850mlで約5.5キロでした。重い!※最終的にこの後補充無しで持ちました。

カモシカに遭遇

水場から少し登った登山道わきで、カモシカに出会いました。登山道脇にのんびりとした感じで横になって休んでいました。

カモシカは見てくるんだよな~。角が1本の多分お年寄り。

慌ててα7Ⅱで撮影しようとするも、なぜかブレブレでまともに写せません。慌ててその時は気付きませんでしたが、ISOが100固定になっていました・・・。ので、まともに撮れたのはAUTOモードにした後の数枚だけ。ちょっと離れてしまった・・・。

それでも、28-200mmレンズ付けて行ったのはこの時のため!何とかアップで撮影することができました。こっち見ながらのんびりと木の葉食べてました。カモシカは滅多に遭遇しない分興奮しますね。非現実感あります。

マセナギという地点がほぼ標高2000m。やっと1200m上がってきました。まだまだ先は長いので休憩もそこそこに先を急ぎます。

この辺りからやっと尾根筋の登山道になり、傾斜はこれまでよりかなり緩く感じるようになります。息が楽になります。序盤はやっぱりきつかったですね。

と思ったら、中盤の難所「小地獄・大地獄」エリアの通過です。両側切れ落ちた痩せ尾根を鎖と梯子を頼りに通過します。

距離は短いし、「絶対に遭難させないぜ!」という気概を感じる過剰なほどの鎖梯子をしっかり使えば、それほど難しくはないでしょう。

標高2500mの空木平分岐まで来ました。もう4時間半も歩いています。ここまで誰にも会わず孤独感マックスでしたが、ここで上から降りてくる登山者1名と初めてスライド。嬉しくて思わず話しかけてしまった。この後も3名ほど下山者とすれ違いましたが、登りは誰にも会わず。

分岐からは駒石方面へ。空木平方面に行けば避難小屋と水場があるようですが、残雪で歩きにくいという事前情報があったのでこちらへ。この辺りから森林限界ですが、天気が悪いですね。晴れ予報のはずですが・・・。

駒石。比較対象が無いとわかりにくいですがとても大きな石です。登ることもできるようですが、今回は時間節約のためパス。

頂上直下の駒峰ヒュッテ。ここまでくれば頂上はすぐそこです。駒峰ヒュッテは営業していませんでした。トイレも無し。

11時50分頃、標高2860mの空木岳に登頂しました。5時間35分くらいかかりましたが、12時前に到着すればいいと思っていたのでまあ予定通りです。

稜線は風が強く、またガスで周辺の展望はありませんでした。じっとしていると寒いので、写真撮ったら早々に先を目指すことにします。

空木岳~檜尾避難小屋まで(雷雨)

空木岳からは進路を変え、稜線を北上して檜尾避難小屋を目指します。ここからがアップダウンがきついと噂される登山道です。空木岳頂上にあった看板によると、檜尾岳まで距離6キロ・・・嘘だよね?ここまで10キロでここからさらに6キロも山道歩くって事・・・?ちなみにですが、空木岳から檜尾避難小屋までの山と高原地図コースタイムは5時間30分です。

まずは木曽殿山荘がある峠まで標高差300mを大下りします。すぐに下りだと思ったら最初に空木岳の頂上直下の岩場を少しずつ降りていく感じ。この辺大きな岩のある登山道で鎖場もちょっとあったと思います。

遥か下の方に木曽殿山荘が見えているんですが、全然近づいてこなくて萎える。この下りは結構急で、登山道も岩ゴロゴロで歩きにくいので疲れます。一歩の下りが大きくなるので膝と腿に負担がかかり、疲労骨折した右膝が痛い!これまで登りで膝の痛みはほとんど感じなかったんですが、ここに来て痛みが強く出てきました。ので、ゆっくりしか降れず・・・。そして左側木曽側から吹き付ける強風が地味に体力を奪っていきます…。

という訳で、コースタイム通りの1時間かかってやっと木曽殿山荘まで降りてきた。この辺で風に加えてついに雨が降り出しまして、しばらくの間山荘の軒先で雨宿りしてたんですが、止みそうにないのでカッパ装備して先に進むことにします。

雨宿りしてるとき少し目をつむって休んでいたんですが、かなりの疲労感で眠っちゃいそうになりました。標高差2000m超えて脚の疲労もマックスな感じでした。

なお、木曽殿山荘は営業していなくて無人だったのですが、避難小屋らしき建物は開放されていました。ので最悪ここでビバークすることは可能だったと思います。

強風と雨の中、登り返して東川岳には1時40分頃着。20分ほどの登りでしたが、疲労困憊でとても辛い登りでした。そして、この辺りで雷がゴロゴロ鳴り出しました。

まわりには登山者誰もいないし、強風に横殴りの雨ときてついに雷まで・・・。疲労感マックスで心が折れそうになりました。この辺が今回一番辛いところでした。

さて、雷は怖いので進退を考えます。最悪戻って木曽殿山荘の避難小屋に逃げ込むという手もありますが、戻るのはもったいない。雷はまだ遠くで鳴っている感じということもあり、悩んだ末の結論は「先に進む」でした。

雷におびえながら疲れた体に鞭打って無心で歩きます。「アップダウンが厳しい」と噂の登山道は実際歩いてみるとガチのマジで「アップダウンが厳し~!!」って感じでした。何というか山と山の間の谷が深くて、よくある稜線漫歩の平坦な道じゃないんですよ。常に登っているか下っているかで、かつ名もない小ピークも全部越えていく。「おいおい、そんな小ピークは巻いて行けばいいんだぜ?」って思いました。

「あのピークが熊沢岳かな?」⇒違う、っていうのを10回位繰り返したところで、熊沢岳に到着。コースタイム1時間50分の所、1時間程度でした。かなりヘトヘトで時間かかっていたと思いましたが、実際にはまあまあ早く到着しました。

この辺で雨が上がり、多少条件が良くなりました。時々鎖場や梯子も出てきますが、登山道自体はとてもしっかりしています。相変わらず木曽側からの強風がウザいけど、熊沢岳越えたあたりから「残り1セクション」という終わりが見えたこともあり、元気回復してきました。雷もクリアしたっぽいし、安心感ありました。

道中強風で地獄みたいな景色なのに、足元には可憐な高山植物の群生が広がっていました。厳しい環境の中で生きる草花に勇気をもらいました。

雷鳥親子に遭遇

疲れたのにも飽きて無心で歩いていると、雷鳥に遭遇しました。場所は檜尾岳の直下。

何と子連れ。5羽ほどのヒナが親ライチョウの後を付いて歩く姿が超可愛い!そんでこいつらが登山道から全然逃げようとしないもんで・・・

親ライチョウが心配して周囲をウロウロ。グエグエ泣きながら集合かけてるっぽいんだけど、全然集まってこないんですよね。

ヒナを見守る親鳥。美しいですね。200mmレンズ重いの担いできたかいがあった。

注意喚起しているっぽい。いい表情ゲットです。

中央アルプスの雷鳥は絶滅してしまい、今いるのは昨年から今年にかけて北アルプスから移民として連れてこられた雷鳥なんですよね。

目印の足輪っぽいのをいくつも付けていました。

結構強風でガスの中なんですが、親子でたくましく生きてました。

猿に襲われないように元気に育ってほしい。

足毛がもふもふでかわいい。雷鳥親子に夢中になって疲れも忘れるひと時でした。

雷鳥のすぐ後に檜尾岳到着。ここまで来れば、もう終わりが見えます。

稜線から東を見ると、ガスの切れ目に今夜の宿檜尾避難小屋が見えました。

鞍部には今年整備されたばかりのテン場。中央アルプスは木曽駒頂上直下にしかテン場が無かったんですが、待望のテント場です。

檜尾避難小屋で1泊

午後4時過ぎ、檜尾避難小屋に到着しました。足が棒だったし雷強風おっかなかった中歩いてきたので、生きて辿り着けて心からホッとしました。

空木岳からここまで一人の登山者にも会わなかったので、貸切確率90%以上と思っていましたが、先客が4名いて、後から1名来たので結局この日は6名宿泊で満員でした。僕以外の方は皆木曽駒方面からきて明日は空木岳目指すそうです。

今年リフォームされて綺麗になった内装。土間エリア、1階、ロフトと、鍵のかかった管理人室的なスペースに分かれています。奥には新築の営業小屋が建設されていますが、そちらは閉鎖されて中には入れませんが、連結部分のドアがありました。

ちなみに避難小屋の中は窓も照明も無いので基本真っ暗です。

トイレは外に出て個室が2個。いずれも新しくなって綺麗です。紙はありませんでしたが広くて快適でした。

この日は1階に3人、ロフトに3人でした。僕は1階の広いスペースを使わせてもらい、荷物も散らかし放題で快適に過ごせました。

到着後荷物を整理して、腰と膝に湿布を貼りまくって、濡れたカッパやら衣類をハンガーにかけて乾かして、落ち着いて飲んだビールが最高でした。雪で冷やそうと思ったら周りに雪が無くて生ぬるいビールでしたが、「生きている・・・」と実感できて何とも言えない満足感がありましたよね。

外に出てみると天候が回復して、空木岳が綺麗に見えていました。歩いてきた稜線も綺麗に見渡せて、さっきまでの悪天候が嘘のようでした。実は空木岳ちゃんと見るの初めてだったんですが、三角形の綺麗な山ですね。百名山って感じでした。

その後同宿の皆さんと外で山談議など盛り上がって、7時過ぎに暗くなったので就寝。夜は何度も目が覚めましたが、快適に眠れてHP回復できました。

2日目・檜尾避難小屋から宝剣岳

2日目は4時起床。皆さん3時半頃からがさがさと準備をしていました。僕は今日は行程短いので予定では5時半頃出発するつもりでしたが、早いに越したことないので準備します。朝食は昨日残したアルファ米中華丼ご飯のみ。あまり腹は減っていなかった。

富士山が綺麗に見えていました。避難小屋からは南アルプスの主要な山は全部綺麗に見えましたね。とても景色のいい小屋でした。風は強く吹いていましたが、天気は今のところ高曇り。雨は大丈夫そうです。4時半頃出発しました。

檜尾避難小屋を振り返って。絵になるなあ。とても快適な避難小屋ステイでした。

昨日死ぬ思いで歩いてきた空木岳からの稜線。アップダウンがきつかった…。

そしてこれから歩く稜線。こちらもいきなり下って登り返しが目の前です。宝剣岳のトンガリが見えていますね。

檜尾岳から結構降って本日濁沢大峰。登り返しマジキツイ。

木曽方面に御嶽山が綺麗に見えていました。デカい。

濁沢大峰を下って、次のピークは島田娘。山名は雪形に由来するそうです。ここもなかなかなの登り返しでしたが、このきっつい登り返しも残りわずかとなります。

島田娘を越えると、わずかの下りで宝剣岳への登山道が続きます。ここからは、あまり下らず稜線の縦走路っぽくなります。

極楽平まで来ました。すぐ右手の眼下に千畳敷のホテルなどが近い。ここからちょっと下ればもう下界と言えるところまで来ました。

さて、今ルート最難所である宝剣岳に登ります。山と高原地図ではこの極楽平から宝剣岳までは破線ルートとなっており、あの鮎美ちゃんも回避したルートです。

12巻のエピソードですね。これ読んで中央アルプス登りたくなったのも事実。

左右が切れ落ちていてなかなかスリリングです。風がめっちゃ強いので結構怖い。1か所だけ岩を乗り越えて進むところがあって、強風で岩に乗り上がるのがちょっと嫌だった。けど距離はとても短いので穂高連峰の難所岩場のような精神的疲労はそれほど感じませんでした。

無事、宝剣岳登頂を果たしました。15年ぶり2回目。

宝剣岳から木曽駒ケ岳、千畳敷へ下山

続きまして木曾駒ケ岳へ向かいます。木曽駒側への下山はすぐでした。宝剣山荘は営業しています。

振り返って宝剣岳方面。右の顔みたいなやつが天狗岩ですね。

山荘からわずかの登りで中岳。

ちょっと下って木曽駒直下にある頂上山荘前のテン場。誰もいなかった。

10分ほどの登りで、本日最後のピーク木曽駒ケ岳には8時半頃登頂。宝剣岳から1時間かかりませんでした。これまでのアップダウンに比べると驚きの楽さでしたね。

木曽駒ケ岳は20年くらい前に登山始めた際に初めて登ったアルプスなので思い出深いです。確かその当時木曽駒はめっちゃ混んでて、山頂社の陰で天ぷら揚げてる人たちいてびっくりした思い出。木曽側と伊那側両方に立派な社があります。今回の無事を祈願して、下山することにします。

木曽駒から見る中岳。山頂に続く道を通ってきましたが、帰りは巻き道を通りました。道標に「危険」と書いてあったけど、それほど危険な個所は無かったです。

乗越浄土まで下りてきました。この辺でロープウエイ始発組が上がってきていました。

千畳敷へ下ります。登りは急坂で辛そうですが、下りはあっという間。とても整備されていて歩きやすくて楽でした。

降りてきて宝剣岳をズーム。山頂の岩がちゃんと見えるんですね。

9時半頃、無事千畳敷ホテルまで到着しました。

ロングコース踏破・怪我無く生還を祝ってガッツポーズ!感動した!!

10時のロープウエイで下山。あっという間に高度を下げていく。下山が楽って素晴らしいです。ロープウエイ最高!

バスで駐車場まで戻ります。さっきまでいた千畳敷があんなに遠くに・・・。

菅の台バスセンターから10分ほど歩いてスキー場の駐車場で車回収。下界は灼熱地獄でした。

下山後温泉、ソースカツ丼

露天こぶしの湯で汗を流し、ぜいたくにも瓶コーラ150円を飲む。

そして、ずっと楽しみにしていたソースかつ丼。贅沢にもエビ入りソースかつ丼大盛1980円を食べちゃいました。生きて帰れたし、今回宿代かかってないしいいよね。

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まとめ

出発時刻/高度: 06:13 / 921m
 到着時刻/高度: 09:33 / 2645m
 合計時間: 27時間19分
 合計距離: 23.33km
 最高点の標高: 2954m
 最低点の標高: 919m
 累積標高(上り): 3358m
 累積標高(下り): 1634m

ひざに不安を抱えながらのロングルートで心配でしたが、無事生還しました。途中雷雨で本当に心細かったけど、その分避難小屋でのほかの登山者とのふれあいや下山後の温泉・食事で「生」を濃厚に感じました。

本当にアップダウンきつかったですね。特に空木岳から避難小屋までが悪天候もあって辛かった。ここが肝でしたね。過去イチきついと思ったので、多分もう二度と同じルートは歩かないと思います。

最終的にかなり疲れましたが、その分非常に楽しい記憶が残りました。終わり良ければ総て良しですね。

2022年5月24日 八ヶ岳日帰り登山 桜平駐車場から硫黄岳・天狗岳周回プチ縦走

八ヶ岳日帰り登山に行ってきました。疲労骨折した右膝にはまだ痛みが残っていますが、夏山シーズン前のトレーニング兼リハビリ登山です。

昨年この時期は黒戸尾根から甲斐駒へテント泊登山をやっていたので、今年もどこかにテントで登ろうと思っていましたが、膝痛でテンションが上がらず、日帰りで行ける山という事で近場の八ヶ岳をチョイスしました。

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今回登ったのは「硫黄岳」と「天狗岳」です。間にある根石岳も含めてプチ縦走っぽい山行でした。硫黄岳も天狗岳も過去に登ったことのある山ですが、登山口の桜平からのコースは初めて。当日の様子をレポートします。

登山口までのアクセス・駐車場情報

八ヶ岳「桜平登山口駐車場」が新しく、広く、快適にご利用できます! | 八ヶ岳オーレン小屋(硫黄岳 天狗岳 赤岳 登山に最適な山小屋)

【桜平登山口の特徴】

桜平登山口(1,900m)は、八ヶ岳で一番稜線に近く、南八ヶ岳の「横岳(2,829m)」「硫黄岳(2,760m)」「峰の松目(2,567m)」北八ヶ岳の「箕冠山(2,590m)」「根石岳(2,603m)」「天狗岳(2,646m)」の6つの山の最短登山口です。

登山口は「桜平駐車場」になります。夏沢鉱泉、オーレン小屋、硫黄岳への登山口で、八ヶ岳の登山口の中では稜線に一番近いそう。標高は1900mもあるのでその後の登りが楽です。こういう高所まで車で行ける登山口大好きです。

公共交通機関は無いので、車でのアクセスとなります。最寄りインターは「諏訪」で、インター出たら西に向かってほぼ一直線で林道分岐、唐沢鉱泉との分岐を過ぎると後は狭くて曲がりくねった道を詰めていきます。

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道路は舗装してありませんが、この時期は路面状況はそこまで悪くないので四駆ではない車でも問題ありません。ただし狭いのですれ違いは注意。

桜平駐車場は登山口に近い所から上・中・下と3か所ありますが、今回は上エリアに駐車できました。上駐車場は30台ほどで、今回も平日7時過ぎで8割ほどは埋まっていたので、週末はかなり早い時間じゃないと停められないかも。尚中駐車場でもそれほど距離は離れていません。

ルート・コースタイム

登山コースは、

  • 桜平駐車場からオーレン小屋まで登り
  • 硫黄岳⇒根石岳⇒東天狗⇒西天狗と縦走
  • 西天狗まで行ったら来た道を戻り
  • 根石岳からオーレン小屋経由駐車場に下山

というルートです。美濃戸口からの赤岳横岳硫黄岳縦走みたいな完全周回コースではありませんが、未踏エリアをぐるっと回れるコース。

5時間位で行って来れるかな?と思いましたが、結果7時間近くかかりました。膝痛と残雪のせいか、思ったより時間がかかりました。

当日の写真

駐車場は「上」を確保できました。7時半頃出発。天気は非常にいいです。

しばらくは林道を歩きます。ゲートがあって関係車両以外は入れませんが、舗装してあっていい道。詳しくは書けませんが、この辺でトイレトラブルに見舞われ15分ほどロスしました。

すぐに夏沢鉱泉。こういう所に一回のんびり泊まってみたい。

夏沢鉱泉から上は本格的な登山道になりますが、樹林帯のよく整備された道で歩きやすかった。

1時間かからずオーレン小屋着。硫黄岳の稜線が見えていますね。いい天気で暑い。

オーレン小屋は営業中です。メニューはこんな感じ。

オーレン小屋のテン場。結構広かったけど、大き目の石がゴロゴロあった。先着10名ほどはスノコエリアが使えるらしい。スノコ無いとややハードか。1名2000円です。最近はどこのテン場も高いなあ。

オーレン小屋から上は残雪。こんな感じの雪道が稜線に出るまでずっと続きます。滑って危険とかいうことは無いんですが、歩きにくいのと、とにかく踏み抜きがウザ過ぎる。慎重に踏み抜かないように歩きました。

北八っぽい樹林の登山道ですが、雪で滑って歩きにくい・・・。

稜線が見えてきてもずっと雪でした。結局ツボ足で登り切りましたが、12本爪アイゼン履いた方が楽でした。持ってきてないけど。

気付けば森林限界超えていた。遠くに目指す天狗岳の双耳峰、その奥に蓼科山。

遥か遠くの北アルプスも良く見えました。この写真は白馬連峰で、真ん中に代掻き馬も写っています。

やっとこさ稜線にたどり着いたよー。一気に開ける視界の先には、八ヶ岳の盟主赤岳と、南八ヶ岳の荒々しい稜線が大迫力です。

200mmの望遠ズームで赤岳山頂を撮影。頂上小屋と、山頂に立つ人まで見えました。

さて、硫黄岳アタックです。何度も登ったことある硫黄岳ですが、こちらからの登りは初めて。このアングルでの硫黄岳はなんだか別の山みたいですね。

このケルンの点在するだだっ広い景色こそ硫黄岳。

9時半、標高2760mの硫黄岳登頂しました。1900mからのスタートだと2時間かからず登頂できるんですね。楽でいいわー。

硫黄岳は北八ヶ岳と南八ヶ岳の境目と言われています。赤岳方面と天狗岳方面に登山道が分かれています。

やっぱ赤岳よ。写真だとアレですが実際は迫力がありますね。

奥の方に南アルプスも綺麗に見えていました。左端が北岳かな?塩見岳もちょっと見えてるっぽい。

ズームして甲斐駒と仙丈ケ岳。甲斐駒はやっぱり雪が少ないですね。

横岳の大同心。突き出た岩峰がなんともいえない迫力。

硫黄岳と言えば爆裂火口跡。こんなに綺麗に見えたのは久しぶりかも。

10分ほど写真撮るのにウロウロして、おにぎり1個食べて再スタートします。天狗岳目指して北に向かいますよ。ここから先も歩いたことない登山道です。

かなり下って夏沢峠まで来ました。ヒュッテ夏沢と山びこ荘という2軒の山小屋はいずれも休業中で、トイレも使えません。

変った形の白樺がありました。

夏沢峠からしばらく歩いて箕冠山のピークですが、ただの交差点です。帰りはここから降りますが、根石岳・天狗岳方面に進みます。ここら辺も少し残雪ありでした。

根石岳山荘前の広場。夏は高山植物が綺麗らしいです。西から雲が湧いてきました。

少し登って根石岳2603m登頂。

いよいよ目指す天狗岳が近づいてきた。

これは北八ツの方の森だけど、なんだか縞枯れしてますね。

根石岳を下り、東天狗への取りつき。白い砂とハイマツのコントラストが燕っぽい。

ヒイヒイ言って登り、東天狗の山頂直下です。結構痩せていて右側は切れ落ちています。鎖もちょっとだけあった。

11時半東天狗(2640m)登頂。硫黄岳から2時間と思ったより時間がかかりました。

東天狗からは黒百合ヒュッテも見えました。20年前登山始めた頃、あちら側から登りました。

吊尾根を渡り三角点のある西天狗に向かいます。

西天狗頂上直下の残雪。遠くから見ると壁だったけど近づいたらなんてことなかった。

西天狗岳(2646m)無事登頂しました。本日最後のピーク。

硫黄岳方面を見ると、箕冠山の南側にも爆裂火口っぽいのがありますね。どんだけ火山だったんだろうか。

西天狗から見る東天狗。向こうはゴツゴツしてる。同じ天狗岳でも山容がかなり違いますね。

北八ヶ岳の山々。蓼科山以外はよくわからない。

西天狗から桜平駐車場まで降りられれば楽なんですが、そういう登山道はついていないので戻ります。

帰り道、根石岳山荘に近づいてみたけどやっていなかった。

入口付近でビール休憩しました。ここまで登ったり降りたりを繰り返してちょっと疲れたけど、登りっぱなしよりはメリハリがあってよかったかな。

降ります。樹林の中に入るとすぐに残雪。下りはチェーンスパイク付けましたけど、スリップ&踏み抜きで非常に歩きにくかった。踏み抜きはほんとウザいですね。

オーレン小屋まで戻ってきました。

その後、森の中沢沿いを歩いて駐車場まで戻りました。膝痛はあったけど、それほど辛くなく帰って来れました。

まとめ

「迷ったら八ヶ岳」ですね。今回地味ながら未踏の登山道を回れたので結構面白かったです。八ヶ岳は赤岳がどうしても目立つのでそこばっかり登りがちだけど、今回のように地味なルートでも山と山を渡るのはとても楽しかった。

オーレン小屋でのテント泊も考えたけど、1時間ちょっとで下山できちゃうのでなら帰るよな、という。あと2000円はちょっと高いですね。テント料金どんどん高くなっていって嫌ですよね。

膝痛も何とかなりそうだし、来月あたりはテントで1泊しよう。

おまけ:昔のきろく

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2022年5月7日 登山シーズン幕開け 金松寺山・天狗岩日帰り登山

久しぶりに日帰り登山してきました。

今回登ったのは、松本市の西部エリアの里山「金松寺山(きんしょうじやま)」と、その隣のピーク「天狗岩(という名前の山)」です。疲労骨折した右膝の痛みに耐えながら登りました。

実は今回、山岳部の長男が部活で登るというので、その送迎がてら登ることにしました。(同行するのは流石に嫌がられるので、別行動で登りました。)

ルートなど

金松寺山の標高は1625m、天狗岩が1964mです。コースタイムだと登り3時間、下り2時間くらいでしょうか?この時期の「体慣らし」登山としては適当な山です。

当日の写真など

長男を登山口最寄り駅の「波田駅」で降ろし、僕は登山口までマイカーで向かいます。登山口周辺は害獣対策のフェンスがありますが、開けられるフェンスは通行可能。しばらくガタゴト道の林道を走行し、本格的な車止めの手前が最終駐車場。

このゲートは開けられないので、ここからは歩きです。さあ行こう。

しばらくは林道歩き。30分位は歩く。途中開けている所から山頂らしき場所が見えた。

林道終点から本格的な登山道。いきなり急登になります。

所々動物よけのフェンスがあります。鉄塔監視路にもなっているせいか、道はとてもきれいに整備されている。この辺檜の植林らしくて、木もまっすぐ枝打ちされています。

何か所か分岐がありますが、看板に従って登っていく。結構な急登が続き息が切れる。

登山道に入ってから1時間ほどの登りで金松寺山登頂。三角点があるけどあまり山頂っぽい雰囲気ではない。眺望も無し。

天狗山目指して進む。ここから稜線っぽい道になって、歩きやすい。しばらくは平坦だけど、天狗岩ピークが近づくにつれて急になってくる。

山頂手前でガス欠のため補給。去年買ったプロテインバー。マツキヨオリジナルプロテイン15g入り。イチゴ味の方がチョコ味よりうまい。

10時47分天狗岩山頂到着。金松寺山から1時間ほどかかりました。

金松寺山に続き、天狗岩の山頂からも景色はあまり見えませんでした。「なんも見えねえなあ」なんていいながらしばらくウロウロしていましたが、ちょっとだけ戻ってみると・・・

登山道から少し西側に入った所に、素晴らしい展望が待っていました。これはいい景色。松本平がよく見えます。

正面には中央アルプス。

御岳も大きく見えた。

右手奥に乗鞍。

奥には南アルプス。甲斐駒~仙丈ケ岳でしょうか。

その左手には八ヶ岳も良く見えた。間に富士山が見えるはずだけど、この日は雲が出てきて見えずでした。

行程が短いので、珍しく火を持ってきました。お昼はカレーメシです。カレーメシ何度食べても超美味いですよね。

居心地が良くて、ダラダラとのんびりしました。

長男たちが登ってくる気配があったので、下山します。頂上直下で高校生集団とすれ違いましたが、親だとはバレなかったらしい。高校生頑張れ!

まとめ

金松寺山と天狗岩、自宅から至近の山ながら、今回初めて登りました。とにかく地味な山で、この日もゴールデンウイーク中の土曜日なのに一般登山者は2名位しか会いませんでした。往復4~5時間かかるし展望も無い登山道のせいか。同じ時間で燕とか蝶が岳行って来れるから無理もないですけど。まあ雪の心配が無いので、トレーニングで登るのはありだと思いました。

心配した膝ですが、登っている時も右膝が結構痛かったんですが、下山の方が更に痛かったです。着地の衝撃を強く感じて、完治までは程遠い状況です。やっぱり疲労骨折は長引きそうです。

とりあえず、これで山の足になったと思うので、次は5月下旬にテント泊行きたいと思います。それまでに膝治れ治れ!

ケツずれの原因と対策法まとめ!快適な登山・ランニングを楽しもう

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登山やロング走の際、ケツずれに悩まされていました。ケツずれ、辛いですよね。

今回、ちょいとデリケートな話題ですが、ケツずれ対策についてまとめてみました。

ケツずれとは何か?

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ご存じない方のために念のため説明すると、ケツずれ(ケツズレ・ケツ擦れ)とは、左右のケツの肉が干渉することで皮膚に炎症を起こす症状のこと。股ずれの一種。長時間の歩行やランニングなどで症状が出やすい

要するにケツの左右の山が擦れて痛くなるってやつなんですが、人によって痛くなる部位が違うらしい。おケツの形状にもよると思いますが、僕の場合は限りなく肛門に近い箇所が痛くなります。なので、おケツの肉が擦れるというよりは、肛門周辺の皮膚が擦れることで炎症している感じ。

ちなみに肛門周辺はご存知の通り超デリケートゾーンなので、ケツずれを発症すると非常に痛くて苦しみます。ウオッシュレットで飛び上がれます。

ケツずれの起きやすい条件

ケツずれを発症する条件は結構決まっていて、基本的には

  • 長時間の運動(登山とか、マラソン・ロング走など)
  • それによって汗をかいている

この二つが発動条件です。普段からデブで股ずれやケツずれしている人のことは知りませんが、僕のようなタイプは運動起因型ですね。

そしてさらに、以下の条件が加わると確実&悪化です。

  • 肛門周りが不潔
  • ケツ毛が濃い

登山時など、お風呂に入れない等の原因で不潔にしていると、デリケートな肛門周りの炎症の起因となります。それがケツずれを悪化させることは容易に想像がつきます。

またケツ毛とケツずれの因果関係については諸説ありますが、ケツ毛は剛毛かつ縮れていていかにも肌にダメージがありそうなので、ケツ毛が濃いこともケツずれの原因になるのではないかと思っております。

ケツずれになってしまったら

なるべく早く患部を清潔にしましょう。お風呂やシャワーで汗を洗い流し、乾いた状態を維持すればすぐに治ります。僕のケースでは、軟膏等は必要ありません。間違っても、汗拭きシート等で拭いてはいけません。肛門周りはデリケートなエリアなので、刺激はNGなのです。

行動中にケツずれが気になる、すぐに対策できないシーンでは、「ケツにティッシュを挟む」ことで応急処置的に悪化を回避することができます。

ケツずれの対策

そんな辛くて嫌なケツずれですが、対策することである程度は防ぐことができます。

蒸れにくくする

汗をかくことによって肌の摩擦係数が高まり、それによってケツずれが起きます。なので一番いいのは汗をかかないことです。が、運動してるんでどうしたって汗はかきますから、透湿性のいいアンダーウエアを着用するなどすればかなりの予防効果があるでしょう。ミレーのアミアミパンツとか履けば良さそう。これ欲しいんだよね。

ただし、汗をかかなくなるわけでは無いので、ケツずれは起こり得ます。

擦れないようにする

ティッシュなどをケツに挟んで物理的に擦れを防ぐのは有効な対策ですが、マラソンレース中など、状況によっては難しいでしょう。

一番確実なのは、事前に靴擦れ防止クリームを塗ることです。僕はマラソンの時は足に靴擦れ防止クリームを塗りますが、それを肛門周りにも塗ることでケツずれはほぼ回避できます。ワセリンでもいいみたいです。この方法がとにかく確実。ただ肛門を指で触るのでちょっと気持ち悪いのと、アルコール消毒等は必須。

ケツ毛の処理

ケツ毛をどうするかは諸説ありますが、不潔っぽいので僕はなるべく肛門周りはツルツルにしておきたい派です。やっぱりケツずれ対策としても一応は脱毛しておいた方が良さそう。

場所的に超デリケートゾーンなので、剃刀で処理するとか現実的じゃありません。ここはトリマー一択です。

VIOラインや脇・すね毛処理の機器が結構手軽に買えます。僕もこの電池式の安いやつ買いましたけど、すごく簡単にケツ毛がカットできて感動しました。おちん周辺も綺麗にできるので本当におすすめ。

本当はケツ周りこそ永久脱毛で処理したいですね。

ウンチ後のケツ周りの痛みについて

ウンチをした後、肛門周りにケツずれの症状が出ることがありますが、これはウンチ起因型の肛門炎症でケツずれとはちょっと違います。ウンチの拭き残しなどがあると起きやすい症状です。こういった症状、「スタートした瞬間にウンチしたくなる」アビリティ持ちの僕には結構起きがちなんですが、この場合の対処は非常にやっかいです。今からクリームなんて塗れないし、ケツの穴触りたくないし。

ウオッシュレット常用者は山でのトイレでウオッシュレット無しなのが苦痛で、このウンチ後の肛門炎症に悩んでいる人も多かろうと思いますが、この対策として僕はウンチ後のおしりふきの仕上げとしてウエットティッシュを使っています。乾いたペーパーだけだと拭き切れないお尻の汚れも綺麗に取り切ってくれて、肛門が超清潔になります。

ハンディウオッシュレット的なものを使ってもいいのですが、水の補充がやや面倒なので最近ウエットティッシュに落ち着きました。100均とかで売ってる小さめのやつをペーパーと一緒に持ち歩いています。

最近は使いきりタイプもあるみたいですね。

まとめ

ということで、ケツずれ対策についてでした。登山とケツずれは切っても切れない関係なので、ケツの痛みに悩んでいる人も多かろうと思います。そんな方が快適なケツを取り戻すヒントになれば幸いです。ケツケツ言い過ぎました。ケツレイしました。

【テント泊の道具紹介】中型ザックを使用したULではないテント泊登山の装備を公開してみる

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MSX3です。一般登山者で、特にUL(ウルトラライト)に拘りはありません。

たまにブログなんかでザックの中身を公開している人いますけど、僕あれが大好きなんですよね。他人のザックの中身見ると何故かワクワクします。

僕も今シーズンからテント泊再開しましたが、そこそこ慣れてパッキング内容も落ち着いてきたので、自分のテント装備のザックの中身を公開してみます。

軽量化は意識しているけどウルトラライトより快適性重視、という一般登山者目線のパッキングです。

ザックは38リットルの中型

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はじめにザックですが、僕がメインで使っているザックはグレゴリーの「ミウォック34」です。Lサイズなので容量38リットルですが、フレームレスの中型軽量ザックなのでテント泊装備をパッキングするとかなりパンパンになります。

ショルダーベルトもペラい肉抜きタイプで貧弱なので、背負う度に「切れたらどうしよう」と心配になりますが、無雪期1泊くらいのテント装備なら重量的にもギリギリパッキング可能です。

ちなみに、長男と行く等荷物が増える際はオスプレーのクレセント60を使いますが、ザック自体の重さが気になるのでなるべく軽いザックを使いたい派です。

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ミウォック34は2015年に買いましたが、現在もミウォック42として継続ラインナップされているようです。デザインはかなり変わりましたが。

以下、ザックにパッキングする順番に紹介します。

テント・寝袋・防寒着など

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テントはプロモンテのVL-26T、シュラフはモンベルのダウンハガー3をドライバッグに入れます。マットはクライミットのスタティックVショート+ウレタンマットですが、ウレタンの方は嵩張るので外付けにしています。外付け嫌いなんですが入らないのでしょうがない。

ウエア関係はパンツTシャツ靴下の着替え一式とタオル、防寒着としてナノエアフーディ(オレンジのドライバッグ)とダウンパンツ、それと100均のサンダルです。

いずれもかなりコンパクトな部類のアイテムを選んでいますが、テント泊に必須のこれらを入れただけで、ザックの容量半分以上が消失します。

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クッカー関連

基本的にはテン場でしか火を使わないので、寝具類の次はクッカーと食料をパッキングします。(お昼はおにぎりなどの行動食のみ、休憩はほとんどしないスタイル)

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一人の時はエバニューのチタンクッカーと食器代わりのシェラカップ、EPIのストーブ、酒を飲む用のコップ、スプーン・フォーク・箸です。

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15年以上使っているEPIのREVOストーブ。高火力でコンパクトながら、大き目のゴトク4本で安定感があるのがお気に入りポイント。

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フライパンは子供と行くときしか持って行かないですが、山で食べる焼肉が大好きなので本当は常に携帯したい。テーブルも便利だと思って導入しましたが、結局面倒で持って行かなくなりましたね。

食料(夕食・おつまみ・朝食)

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当日の夕食兼おつまみ、〆のご飯類、翌朝の朝食です。

この日は粗挽きソーセージ、豚の角煮(レトルト)、カキの燻製(缶詰)、ナッツ類などでした。テントでの宴会が山行のメイン目的なので食事は豪華に楽しみます。そのせいで食料が一番嵩張りますね。ウイスキーと合わせるチョコ類も必須です。カレーメシとみそ汁は翌朝の朝食用ですが、みそ汁は飲まないことが多いです。

コーヒーは粉末タイプを数本持って行きます。

酒類

宴会が主目的なのでアルコールだけはどんなに重くても担いで行きますよ。現地調達すれば楽なんですが、山小屋の酒はとにかく高い!ので精神的に楽な体力頼みです。

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この日はビール3本、赤ワイン500ml、ウイスキー250ml持って行きましたが、ウイスキーは飲めず、翌朝二日酔いでした。安ワインが良くなかったと思う。ビールは山では無限に飲めますね。ちなみに山小屋で買うと末端価格3000円くらいはすると思う。

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こんな風に、簡易なクーラーバッグに凍らせたペットボトルのお茶なんかと一緒に詰めます。ウインナーなんかの冷蔵品も凍らせてここに入れます。そしてこれが超重くて嵩張るんだ。カタチ的にも非常にパッキングしづらく、重量バランスも悪くなります。それでも持っていかずにはいられない・・・。

食料と酒類を入れると、ザックのメイン収納部はパンパンになります。

レインウエア等

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レインウエアはトレラン用の薄手タイプなんでかなりコンパクトになります。ザックカバーといっしょにスタッフバッグにまとめて、クッカーと食料の隙間に押し込む感じです。一応すぐ出せるようにザックの上の方にパッキングしています。

小物関係

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ファーストエイド、トイレットペーパー、ヘッドランプ、モバイルバッテリーなど。ザックの雨蓋に収納しますが、この時点ではザックは既にパンパンで雨蓋の容量も浸食してきていますが、無理やり押し込みます。

ちなみに雨蓋には行動食のおにぎりなんかも入れないといけないので、本当にパンパンの時はこれらの小物はフロントポケットに押し込みます。ミウォックのフロントポケットは伸縮するのでかなり使い勝手がいいです。

その他

ストック、BCAAを入れたボトルはサイドポケットに収納。

水を入れたハイドレーションは背面ポケットに入れると押しつぶされて破裂する危険があるので(実際に一度穴が開いた)、メイン収納部の一番上に無理やり乗っけます。

外付けとして、サイドにポーチを付けて行動食やモバイルバッテリーなんかを入れます。カメラはフォーカスに入れてたすき掛けします。

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パッキング完成

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で、全部入れた後の状態が上の写真。無理やり押し込んで完全にザックの容量以上に入っている感じがしますね。ベルトもマックスまで伸ばしています。

まだ馴染んでいないのでいびつな形していますが、外側から押したりして綺麗に形を整えてあげたりするとまあまあ背負える状態になります。

重量は水入れて大体13~15キロくらいだと思います。

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ミウォックはフレームが無いザックで背面パッドも薄いタイプなので、収納部の凹凸がモロに背面に出ますが、背負ってしまえば平らになります。ゴツゴツしたものはクッカーくらいだし。

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これは帰りの写真ですが、食料アルコールが無くなっても何故かあまり容量が減っていないんですよね。(登山あるある)

残雪期でもなんとかなった

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上の写真は5月の甲斐駒パッキングですが、夏山装備の他に12本爪アイゼン、チェーンスパイク、ピッケル、スパッツ、防寒着プラスアルファなどの荷物がありましたが、何とかパッキングできました。

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アイゼンが重くて嵩張りますね。

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この時は本当によくパッキングできたと思う。

まとめ

ということで、僕のテント泊装備のご紹介でした。

ぶっちゃけ、このザックでのパッキングは毎回苦痛なんで、本当は50リットルくらいのザックが欲しいです。家でパッキングするのはまだいいんですが、朝の撤収とか本当に面倒です。色々考えずにポンポン放り込めると楽なのにっていつも考えています。なので、軽くて大きめのザックを物色中です。

酒と食事が楽しみなので重量が増えがち嵩張りがちですが、そういうのがいらなければもっと楽なんですけどね。酒が楽しみなんでしょうがないですね。

2021年10月26日・27日 黒部川下ノ廊下(黒部ダム⇒欅平 阿曽原温泉テント泊) 憧れの下ノ廊下は最高に楽しいアドベンチャー体験だった ※動画あり

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黒部峡谷・下ノ廊下に行ってきました。

感想は一言、超面白かった。

V字峡谷、断崖絶壁、水平歩道、張り出した桟道、手掘りの洞窟、高熱隧道、日本一危険な温泉、トロッコ電車・・・それに紅葉!

下ノ廊下の魅力は語り尽くせぬほどありますが、とにかく、最高に楽しかったです。大人も子供も喜ぶ最高の絶景とアドベンチャー体験が詰まった超濃密な時間でした。

「下ノ廊下」とは?

目もくらむ水平歩道

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北アルプスの黒部ダムから富山県の欅平までの峡谷沿いのルートです。

厳密には黒部湖から仙人谷ダムまでの旧日電歩道が下ノ廊下で、仙人谷ダムから欅平までは水平歩道と分かれていますが、一般的に下ノ廊下といえば黒部湖~欅平間のルート全体の事を指します。

深いV字峡谷を形成する黒部川に沿って歩くルートのため、高度感のある非常に狭い道が特徴岩壁をコの字型にくり抜いた道や、断崖絶壁に張り出して設置された桟道など、落ちたら死ぬような道が連続するルートです。(ただし死なないように安全対策が十分されているので見かけほど危険ではありません)

登山のように上り下りはそれほど無いのですが、山中一泊が必須で、全長26キロとそこそこ長い距離をそこそこ緊張感のある道が続くため、一般的には登山に慣れた上級者向きのルートとされています。

またこのエリアは豪雪地帯として知られており、雪解けを待ってからの関西電力によるルート整備が終わるまで歩くことができないため、下の廊下に行けるのは9月後半~10月末までの1ヶ月半ほどと非常に短い期間となっています。

電源開発の歴史を辿る道

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下ノ廊下(旧日電歩道)は、戦前の電力開発のために整備された歩荷道が元になっています。旧日本電力、現在は関西電力の水力発電所とそれに伴う貯水ダムの建設の歴史とともに作られたルート。歩荷がセメント担いで断崖絶壁に渡された桟道を命がけで伝って行ったエピソードなどは身震いします。そして山小屋のある阿曽原温泉小屋周辺は、岩盤温度が160度以上にもなる高熱地帯で、そこにトンネル(隧道・ずいどう)を開通させるために多くの犠牲者を出したという悲しくも興味深い歴史の舞台です。そんな歴史を追体験することができるのも下ノ廊下の魅力のひとつです。

吉村昭著「高熱隧道」は、歩く前にぜひ読んでおくことをお勧めします。

「日本一危険な温泉」

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下ノ廊下といえば温泉。こんな山深い所で露天風呂に入れます。

ルート上の「阿曽原温泉小屋」には高熱隧道から出る温泉を引いた立派な露天風呂があります。下ノ廊下を歩かなければたどり着けないその立地から「日本一危険な温泉」と言われています。ちなみに温泉は男女入れ替え制で、夜8時以降は混浴になります。

畏怖と憧れの対象だった「下ノ廊下」

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僕が初めて下ノ廊下のことを知ったのは、登山を始めた頃に買ったガイドブックに載っていたルート紹介を読んだとき。ガイドブックの水平歩道の写真に衝撃を受けました。「こんな危険そうな道あるんか」と当時驚きました。

ずっと「自分には縁のない世界」だと思っていた下の廊下ですが、「いつか歩いてみたい」とはずっと思っていました。調べてみたら起点は黒部ダムだし案外近い。適期は紅葉シーズンの10月後半てまさに今じゃん(その時)。今年は雪が早くて北アルプスの高山はほぼ雪山の世界になっていて安易に登れない中、標高がそれほど高くない下の廊下は今一番行くべき場所でした。

「すごく怖い場所」というイメージでしたが、ネットで見てみるとよく整備されていて落ちなきゃ大丈夫そうだし、何より登りが無くて下り基調というのが最高。ということで、今シーズンの集大成として計画しました。

地図・コースタイムなど

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オーソドックスに黒部ダムスタート、欅平ゴールで計画しました。

欅平からは電車を乗り継いで戻ってくるのですが、2日目欅平からトロッコ電車の始発に乗っても、信濃大町初扇沢行の最終バスの時間には間に合わないので、マイカーは信濃大町にデポして1日目バスで扇沢に向かいました。

当日の様子を写真で振り返る(写真多め)

めっちゃ長いので、核心部だけ動画でまとめました。

youtu.be

今回久しぶりにgoproもどきを持って行きましたが、やっぱりビデオはいいですね。

1日目 10/26(火)

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ということで、信濃大町発の始発バスで扇沢まで来ました。バス乗車は10名弱。今日の天気予報は曇り時々晴れ。朝は気温が低く、針ノ木岳方面は雪が積もっています。

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7時30分発の黒部ダム行電気バスに乗り込みます。自家用車組も含めて20~20人乗車でした。紅葉シーズンで結構混むと予想していましたが、そうでもなかった。

 

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黒部ダムまで破砕帯を抜けて15分ほど。バスを下車し、アルペンルート乗り継ぎ組や黒部ダム観光組を分かれて下ノ廊下スタート地点に向かいます。ただこの時期はやはりほとんどの乗客が下ノ廊下行のようでした。

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黒部ダムの堤防下に向かって降ります。

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山の上の方は結構しっかりとした積雪。心配した天気はそれほど悪くなく青空も見えていました。

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15分ほど下って黒部ダムの下まで降りてきました。この時期観光放水は終了しています。

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黒部川を渡ります。この後旅の終わりまでずっと一緒に歩く黒部川ですが、この辺ではまだまだ穏やかな渓流です。

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旧日電歩道のスタートです。基本的には黒部川の左岸を歩きます。序盤は高度感も無く普通の登山道です。

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今年の紅葉はかなり遅くて先に雪が来ましたが、思ったよりきれいに紅葉していました。6割くらい?

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最初の分岐。ここを左に行くと立山方面に行っちまうので注意。

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だんだんと水の色がコバルトブルーになってきました。

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紅葉と渓谷美がめちゃくちゃ映える。

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立派な滝。こんな景色がずっと続く。

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命綱の番線。立派な針金。ケガしないように末端もきちんとテープで処理してある。この番線が途切れなくずっと固定されている。この整備にかかるコストは相当なものだと思う。

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立山方面からの滝。

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だんだんと高さが出てきます。

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立派な崖。巨大な峡谷が迫力で迫ってくる。写真では伝わらないド迫力。

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天気がよくなってきた。まだまだ序盤ですが、本当に美しい景色。

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序盤の難所、梯子ゾーンに到達。前を歩く二人組パーティとは行のバスから帰りの駐車場までずっと一緒でした。

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崩落した道を高巻くように設置された丸太の梯子。すごくしっかりしているので事前情報ほど怖くはありません。

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登り切って上から見ると確かに高度感がありますが、手を滑らせなければ落ちることはありません。ここが難所だと心配していましたが、全然どうってことなかった。ていうかまだまだ序盤も序盤です。ちなみにこの後こういった梯子は出てきません。

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ここからは、いよいよ下の廊下っぽくなってきます。崖に張り出した桟道や、岩を逆コノ字型にくり抜いた狭い道を通過します。

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そして黒部川は峡谷美が強まってきます。何この綺麗な景色・・・。

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不慣れなうちは番線を絶対離さないようにゆっくりと慎重に進みますが、だんだんと慣れてきて恐怖心が麻痺してきます。とはいえつまずいたりして落ちたらアウト。

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黒部川にはいくつか見どころが設定されています。この白竜峡というのは割と広めの普通の渓流でした。

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この辺が白竜峡だと思うんですが・・・

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歩いてきた道を振り返る。

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出発から三時間半ほど歩いて、黒部峡谷の最大の見どころである十字峡に到着。

行く前は「ただの川じゃん」くらいに思っていましたが、実際歩いて辿り着いてみると想像以上に綺麗でびっくりしました。そして本当に十字に川が交わっていて面白い。黒部川本流に、剣岳からの剣沢と、針ノ木岳からの棒小屋沢が合流しています。自然が作り出す景観は人知を越えていますね。

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十字峡はルートからはよく見えず、ちょっと脇道に逸れて一段下がった広場まで下るとよく見えます。この写真は剣岳から流れてくる剣沢の滝。物凄い水量で音やしぶきが大迫力でした。滝つぼも深緑で美しかった。

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十字峡のすぐ上がちょっとした広場になっているので、そこでおにぎりなど食べて軽く休憩。その後すぐの吊橋を渡ります。

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下の廊下後半はさらに高度感を増した道の連続となります。

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下を見るとヒュンってなる。

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そして紅葉が始まった絶壁と樹木がとても美しくて、ついつい足を止めて写真を撮ってしまいます。もっと広角レンズが無いと迫力が伝わらないなあ。

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谷に添って絶壁に付けられた道をひたすら進みます。

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ここはS字峡ですね。

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突然、山の中腹に巨大な人口建造物が見えてきます。関西電力の黒四発電所の電線引き込み部分です。巨大で恐ろしいです。

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この長い吊橋を渡ると、危険な水平歩道は終了となります。ここからはルートの趣がかなり変ります。

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古いトンネル後とか廃墟感たっぷり。

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異世界に迷い込んだかのよう。歴史を感じますね。

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これまでの道と打って変わって普通の林道に違和感。

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紅葉と巨大な滝。この辺は森が美しかった。

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ほどなく、仙人谷ダムに到着。小さなダムですが、水の色が超綺麗。このダムを造るために高熱隧道工事で大勢が犠牲になったと思うと感慨深い。

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ダムの堤防を渡ります。

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ダムのすぐ向こうに欅平から続く関西電力の業務用列車の線路が見えます。将来的には一般に開放するという話も聞こえてきています。

trafficnews.jp

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ダムの下では物凄い放水が見られます。

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堤防を渡り切り、階段を降りまして…

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このドアからダム施設内に侵入します。ワクワクが止まりません。

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中に入ると湿気がすごい!ここからダム施設内の無人の通路を通らせてもらいます。

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レトロな通路。ここは現実世界か・・・?

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その後、道は先ほどの線路につながります。運が良ければ通過する列車を見ることができるそうです。

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線路を渡り、先へ進みます。このダム施設内は所々硫黄の臭気を感じ、場所によってはすごく高温になっている所もあり、高熱隧道を肌で感じることができます。

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あまり整備されていないエリアもあります。もう非現実的すぎて超楽しい!

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このゲートを出ると、ダム施設内の見学は終了となります。名残惜しい…。

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山際にそびえる関電の宿舎。大雪崩れが来ても倒壊しなそうな立派な施設です。

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そしてここからしばらく急な登山道を登ります。もうじきラストになります。

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少し下ると、阿曽原温泉小屋が見えてきます。

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2時間ちょい過ぎ、無事阿曽原温泉小屋に到着しました。スタッフが外で待機していてすぐに受付できました。

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心配していたテント場はガラガラでした。奥の方の草付の一等地を確保。この日は偶数時間が男性の入浴時間だったので、テント設営もそこそこにダッシュで温泉に向かいます。

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噂の阿曽原温泉。湯加減はばっちり、ビールも飲んで最高でした。登山中にお風呂入る経験とか無いんで非常に楽しかった。下ノ廊下を歩いてきた高揚感もあって、居合わせた人たちと変なテンションで話が弾みました。

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この時間はまだ登山者も少なく快適に入浴できました。この後6時台にも入りましたが、オッサンが20人ばかりいてイモ洗い状態でした。それはそれで思い出深かったけど。ちなみ脱衣所的な小屋は無く、手前のスノコの上で着替えます。

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温泉はすぐ横の高熱隧道から引かれています。

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シートをめくって中に入ると高温のサウナ状態でした。

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風呂から上がり、荷物を整理整頓してお楽しみの宴会タイムです。このために登山やってる。

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今回はビール350ml×3本、ワイン500ml、ウイスキー250ml持ち込みました。食事はウインナー、豚の角煮など。飲み過ぎて翌日二日酔いでした…。

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テントから見る阿曽原温泉小屋。

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トイレは和式ですが非常に綺麗です。何と水洗トイレです。トイレットペーパーは設置されていません。

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テントでのんびりと酒飲みながら、山を見る。ドコモの電波は一切入らずスマホも見れないので、飲むしかやることが無い。

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何だかわからない写真ですが、夜は晴れて星も見えました。貧弱三脚で30秒露光してみたけどちょっと足りなかったですね。

2日目 10/27(水)

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朝は4時半起き。5時半出発を目指して撤収準備します。ゆっくり温泉に入ってから出発しようと思ったけど、バタバタして入れず。何だかんだで結局出発は6時20分頃になってしまった。

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小屋からしばらくは普通の登山道を登ります。ここが辛かった。基本登りがほとんど無いルートなんで、時々出てくる登りが非常にシンドイ。

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そして水平歩道が始まります。二日目は黒部川から高い所をずっと水平に歩き続けるルートなので、高度感は一日目よりあります。

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水平歩道、わかります?綺麗に水平でした。

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堤防の中のトンネルを歩いたりもします。

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岩をくり抜いた道。落ちたらヤバいけど道は基本的にフラットで歩きやすい。

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あれが雪崩で吹き飛んだ宿舎が激突したという奥鐘山か。

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本日のハイライトはこの大太鼓展望台です。

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これです。ここが大太鼓と呼ばれる場所。見事なコノ字型。下を覗くと高さ500mはあろうかという断崖絶壁で身震いしますが、道はしっかりしているので番線さえ掴んでいればどうってことないですけど、やっぱり怖いです。

この大太鼓では写真もビデオもたくさん撮って長居しました。すげえ怖いけど興奮もすごくて、「下ノ廊下を歩いているんだ」っていう実感があって楽しかったですね。

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次なるスポットは志合谷トンネル。真っ暗な手掘りのトンネルをヘッドランプの明かりを頼りに通過します。

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ライトが無いと本当に真っ暗で、かつ足元には10cmほども水が貯まっています。手掘りのトンネルはあちこちゴツゴツと岩が突き出ているのでヘルメット必須。クネクネと曲がりくねって200mもあります。何回もヘルメットを天井にぶつけました。トンネル工事恐ろしいわ。

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トンネルを出て、歩いてきた対岸の水平歩道。見事なもんだ。

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黒部川はさんで、奥鐘山の大岩壁が近い。この辺まで来ると、欅平駅のアナウンスの音や列車の汽笛が聞こえてきます。やっとドコモの電波も来ました。

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白馬岳~不帰キレットでしょうか。真っ白ですね。山はもう冬だ。

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普通の登山道になったら、終わりは近い。

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ここまで来れば、あとは遊歩道です。結構急な下りでした。

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ゴールの欅平駅が見えてきました。

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10時過ぎ、無事ゴールしました。冒険の旅が終わってしまった…。

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欅平駅構内には高熱隧道の原稿が飾ってありました。胸が熱くなるな。

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駅のすぐ横に黒三発電所。仙人谷ダムの水をここに引いています。

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トロッコ電車で宇奈月まで1時間20分の旅。。ここからは鉄道移動で大町まで戻るよ。

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オープンエアのトロッコ電車は室井滋のアナウンスなんかもあって楽しいけど、これまで見てきた絶景より一段見劣りするし、とにかく寒いのが困った。

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宇奈月にやっと到着。

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駅にももクロの展示あり。

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宇奈月温泉街をぶらり歩いてお昼ご飯食べようと思ったけど、平日のせいかやってる店がない!

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富山地方鉄道。

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お昼ご飯はコンビニで買ったマスの寿司

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黒部宇奈月温泉から糸魚川までは北陸新幹線はくたかに乗車。

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その後大糸線に乗り換え。1両編成かよ。

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南小谷でさらに乗り換えて、信濃大町に午後5時過ぎに戻ってきました。この後マイカーで自宅まで戻って長い旅の終了。

ルート詳細

出発時刻/高度: 07:47 / 1519m
 到着時刻/高度: 10:18 / 602m
 合計時間: 26時間31分
 合計距離: 27.8km
 最高点の標高: 1539m
 最低点の標高: 597m
 累積標高(上り): 2280m
 累積標高(下り): 3194m

交通手段詳細

駐車場…大町市営仁科町駐車場(駅から7~8分・無料)

行き

  • アルピコバス(信濃大町⇒扇沢)6:15発
  • 関電電気バス(扇沢⇒黒部ダム)7:30発

帰り

  • 黒部峡谷鉄道(欅平⇒宇奈月)10:46発
  • 富山地方鉄道(宇奈月温泉⇒新黒部)13:13発
  • 北陸新幹線(黒部宇奈月温泉⇒糸魚川)14:33発
  • 大糸線(糸魚川⇒信濃大町)15:13発
  • 車を回収して帰宅

帰りは乗り換えの待ち時間もあったりしてほぼ一日がかりで帰ってきました。

かかった費用

  • アルピコバス 1390円
  • 電気バス 1300円(平日割り)
  • 阿曽原温泉小屋テント場 1800円(温泉含む)
  • 黒部峡谷鉄道 1980円
  • 富山地方鉄道 640円
  • JR 2860円(新幹線含む)

計9970円

あとはコンビニやジュースで1000円くらいかな。1万円でたっぷり楽しめました。

服装・装備など

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今回は山の上では雪が降るような寒い時期でしたが、下の廊下については標高1000mほどとそれほど気温が低くないということで、いつもの夏山よりはちょい厚着でベースも長袖で、防寒兼着替えとしてパタゴニアのR0.5も持って行きました。その上にオールフリージャケット。オールフリーはノンストレスで秋には最高ですね。パンツもちょい厚手のマーモットにしました。

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ザックはグレゴリーミウォック34で、相変わらずのギュウギュウ詰めでした。ザックの中身は後日別記事でご紹介予定です。色々外付けでカッコ悪いので、もう少し大き目50リットルくらいの軽量ザックが欲しいです。

まとめ

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ということで、無事下の廊下を踏破することができて感無量です。

下の廊下についてはネットでも危険とか上級者向きとか色々書かれていますが、確かに危険な道だけど、技術的に難しいところはないので、スマホ見ながらとかビデオ撮りながらとかでなく、注意して歩けば大丈夫だと思いました。ただし距離はそれなりに長いので疲れることは疲れます。それと登りがほとんど無くて最高だと思いました。

景色最高、非日常感ある水平歩道最高、温泉がとにかく最高。関電の発電所施設内、線路内の通過、手掘りの真っ暗なトンネルの通過など盛りだくさんで楽しいアドベンチャー体験でした。

今シーズンはたくさんテント泊登山をやったけど、下ノ廊下で終わるなんてドラマチックすぎ。大変満足しました。来年も行くと思います。

無雪期用登山靴として「INOV-8 ロックライト325GTX」を購入。安い・軽い・防水でかなりイイ!

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新しい登山靴を買いました。INOV-8(イノヴェイト)の「ロックライト325GTX」というモデルです。2017年モデルなのでデッドストックですね。

inov-8の「ROCLITE」シリーズは、2000年代中ごろから改良を重ねながら現在も継続してラインナップされている人気モデル。「ROC(岩)+LITE(軽さ)」の造語が示すように、ブランドのコンセプトである軽量性を前面に出したシューズです。

本格的なトレッキングシューズではなくどちらかといえばトレラン・ファストハイク用シューズの範疇ですが、ミッドカットでプロテクションも結構しっかりあって、ゴアテックスブーティ内蔵のタフなブーツです。

今回はこのロックライト325をレビューします。

なぜロックライト325GTXを買ったのか

今まで履いていたアディダスがお亡くなりになった

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僕の登山靴は残雪期ではゴローS8なんですが、雪が無い時期の登山は、今までアディダスのローカットシューズを履いていました。3年ほど前にアマゾンで5000円程度で買ったと記憶していますが、ゴアテックスで防水だし軽量で履きやすいくせに剛性感もしっかりあって、いつの間にか夏のメインシューズになっていました。穂高連峰も大キレットも白峰三山テント泊もこのアディダスで踏破しました。

そんなお気に入りのアディダスちゃんが、長男と登った7月の穂高連峰でついにダメになってしまいました。負荷に耐えかねたのか、ソールが剥がれちゃいました。溝はまだ残ってるしアッパーも問題ないんですが・・・。

同じようなアディダスをすぐに買おうと探しましたが、5000円という訳にはいかず結構高くて、購入に躊躇しておりました。

ミッドカットの軽量ブーツが欲しくて探す

ローカットのゴアテックスモデルでもよかったんですが、6月の白峰三山では荷物がクソ重い&大門沢の登りが超キツイ中、ローカットのアディダスでは足元の安定性にやや不安を覚えました。

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また8月の薬師岳&黒部五郎岳では雨の中、川のようになった登山道をくるぶしまで水に浸かりながら歩いた経験から、やっぱりミッドカットの方がいいかも・・・という思いを強くしたのも事実。(この時は雨予報だったのでゴローで行きました)

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なので、次買う靴は軽量スピードハイク系かつゴアテックスで防水のミッドカットタイプがいいな、と思って探しておりました。

他に候補になったモデル

サロモンの「X-ULTRAシリーズ」は第一候補でした。ワイドモデルがラインナップされているし、サイズも30cmがあったし、旧モデルなせいかAmazonで13000円前後で売っていて安いのもありがたい。ただ欲しいと思ったときは30cmが売切れで買えませんでした。

メレルのこのモデルも軽量で良さそうだったんですが、30cmは18000円以上して旨み無し。安くなるのを毎日待っていましたが結局なりませんでした。

カモシカスポーツでスポルティバのウルトララプターを手に取って「これはカッコイイ」とおもって欲しかったけど、やはり値段が2万円近くするのはちょっと高い。ネットでは安くないし・・・。

そんな感じで日々安いシューズを探していたんですが、たまたまノーマークだったイノヴェイトのロックライトシリーズ旧モデルが安く売っているのを発見し、購入に至りました。ヤフーショップで9500円程度と格安でした。

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inov-8 ロックライト325GTXについて

例によって前置きが長くなりましたが、ここからはロックライト325GTXの実物をチェックしていきます。

外観チェック

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開封の儀。箱から出すと軽さにまず驚く。見た目はゴツイ登山靴風なんですが、手に持つとメチャ軽です。黒×グレーのカラーリングも渋くてカッコイイ。

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つま先回りにはハードなプロテクションあり。カカト部は樹脂パーツでX状に保護されています。

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ソールはこんな感じ。INOV-8独自の「TRI-C」という3種類の素材を組み合わせたテクニカルソールです。

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ほどほどの高さのミッドカット。足入れはとてもしやすく、足首回りのサポートについてもローカットに比べて非常に良好です。

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アッパーのメッシュは結構詰まっている感じで、あまり伸縮しません。慣れるまではちょっと硬め&狭く感じます。

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カカト上部によくあるテープ的なパーツはありませんが、スニーカー並みに脱ぎ履きしやすいです。足首回りのクッションは厚くて柔らかい優しい素材。

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インソールは結構厚めのタイプが付いていました。素のインソールだと前足部にややキツさを感じたのと、カカトのクッションに違和感があったため、スーパーフィートのマラソンレース用をセットすることにしました。最近マラソン大会無いためずっと出番が無かったし。スーパーフィートにしたら、窮屈な感じが無くなりました。

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ちなみに靴のサイズは30cmです。僕の足の実寸はソックス履いて29cmくらいなので、つま先にはやや余裕がありますが、ワイズがそれほど広くないシューズなのでこれでジャストです。

実際に履いてみた

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2回ほど実際に履いた感想です。蝶ヶ岳登山でシェイクダウン。

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この日は荷物も軽くトレランとまでは行かないまでも登りはかなりスピードを上げて行きました。

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所々雪があるウエットコンディションでしたが、軽量なシューズで足運びはとても軽快というのが第一印象。とにかく軽くて歩きやすいシューズです。足当たりも柔らかくてスニーカーのようです。

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肝心のグリップはというと、概ね良好です。普通の登山道を普通に歩く分には何の問題もありません。登りも、下りも土付きの斜面ならまず安定しています。

ただし、「超絶グリップしてどんなシーンでも全く滑らない」というようなものではありません。濡れた岩や木の根に乗れば普通に滑ります。ロックライトシリーズのキャッチコピーは「GET A GRIP」ですが、過度な過信は禁物です。

どんな登山靴でもそうですが、「滑るかもしれない」歩行は必要です。

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アッパーはスニーカーライクなソフトな履き心地ではありますが、ソールはというと、意外にも結構しっかりとした剛性感がありました。あまり靴底からの突き上げを感じません。もっと凹凸をダイレクトに拾う感じだと思っていましたが、ほとんど普通の登山靴のようなしっかり感があります。足元の石や段差をあまり意識せず歩けます。

ただし、本格的な登山靴のようにがっしりとしたソールではありません。ソールは3種類の素材から構成されているのですが、つま先あたりで曲がるようになっています。このせいもあってスニーカーライクな歩きやすさを感じる訳ですが、反面当然重荷を背負っての登山となれば足裏への負荷は高まりますので、その辺は歩きやすさとのトレードオフですね。

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シューズ全体としてしっかりとしたプロテクションが施されているので、ラフに歩いて多少岩などにぶつけたりしても痛くなったりはしません。ミッドカットなので足首回りも保護されて安心感あります。慣れないうちはやや足首に窮屈感を感じましたが、履いているうちに慣れました。テント装備でも履きましたが、やはりローカットに比べると足首のグラグラ感が無くなって安定した感じがありますね。

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ゴアテックスで防水なので、川に突っ込んでも濡れません。ローカットでは躊躇するくらいの水深でも気にせず歩けるのはいいですね。

まとめ

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ということで、ロックライト325GTX大変気に入りました。夏~秋なら多分どんな山でもこれで登れます。

僕のロックライト325GTXは2017年モデルですが、ロックライトシリーズはその後もモデルチェンジしながら現在も継続販売されています。ファストハイク志向の人、軽い履き心地で軽快な足さばきを重視する人には最高の選択肢の一つだと思います。

ロックライト、おすすめですよ。

 

【追記:ソックスも買った】

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ロックライト用にソックスも買い足しました。メリノウールでやや薄手のタイプ。アマゾンで一番安い1400円のDANISH ENDURANCE製。一応デンマークデザインのヨーロッパ製らしい。

ソックスは厚手のウールかトレラン用のクルーソックスしかなかったのでついでに買いました。カモシカスポーツとかモンベルも見たけどどれもスゲー高くて買えなかった。これは色が謎の黄色ですが、メリノウールの肌触りが良いし蒸れなくて快適でした。長持ちしてくれるといいんですが。

2021年10月18日 蝶ヶ岳日帰り登山 登山靴の慣らし目的で蝶ヶ岳に登ったら思いがけず雪景色だった

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2021年10月18日(月)、北アルプス蝶ヶ岳に日帰りで登ってきました。

新しい登山靴を買ったので、その慣らしのために登りました。天気はまあまあ良かったんですが、気温が低く稜線は強風で非常に寒かった。そして前日降雪があったらしく、所々で雪が積もっていて思いがけず雪景色の中の登山となりました。

ルート・コースタイムなど

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コースは安曇野市側の三股からのピストン。日帰り軽量装備なんで早めに登って山頂まで2時間半。前回蝶ヶ岳単独で登ったのは2017年でしたが、その時も同じくらいのコースタイムで登っているようですね。衰えていなくてよかった。

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当日の様子

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5時に起きる予定が寝坊して6時起き。それでも7時半から登り始められるのは安曇野に住んでて良かった本当に。ちなみに三股登山口はウチから一番近い登山口です。

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しばらく沢沿いを登りますが、結構寒い・・・。霜っぽいのも見えるし。

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ほどなくゴジラみたいな木。相変わらずすげーゴジラですが、以前より口の中の石が少ないのと、看板咥えさせられてますね。

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歩いていると上から何か落ちてくる。雨かな?と思って見るとどうやら樹に積もった雪が溶けて落ちてきているようです。パラパラと絶え間なく落ちていました。

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サミーなー、って思っていたら、普通に雪が積もっていました。昨日の夜から朝にかけて降雪したらしい。

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右手に見える常念岳。こちらも薄っすら雪化粧でした。

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1時間ほどでまめうち平着。休憩はせずに進みます。

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この辺から周囲の木々には雪が普通に積もっていました。

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特に日影では雪が多い。登山道にはほとんど影響なかったです。

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まめうち平からしばらく平坦で、その後に急斜面に取り付きます。ここからは階段連続ゾーンで同じペースで歩くとかなり心拍数が上がります。

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やや明るくなってきた。稜線は近い。

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最終ベンチ。ここまでくれば残り僅かです。

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大滝山方面への分岐。ここらで森林限界突破。

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常念がボリュームある姿。稜線は風がかなり強くて寒いです。

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わずかな稜線歩き。遠くに槍が見えていますね。

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蝶ヶ岳ヒュッテは営業中ですが、もう片付けが始まっている感じでした。

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ここから見える槍ヶ岳の山塊も見事ですね。

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10時ちょい前に蝶が岳登頂しました。駐車場から2時間半くらいでした。

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頂上から見える槍・穂高連峰は圧倒的な存在感で大迫力です。雲も無くてよかった。

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特に穂高連峰のボリウム感がヤバいですね。やっぱり穂高を見るなら蝶が岳が一番だわ。しかしいつも思いますが、涸沢ってすごい上の方にあるんだなー。

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槍も綺麗に見えますがちょっと小さい。槍ヶ岳見るなら燕岳が一番ですね。

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最高なんですがとにかく絶え間なく吹き続ける風がめっちゃ冷たくて耐えられない。

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写真では伝わらない迫力。天気が良くて良かった良かった。

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安曇野方面。下はガスがありますね。下界も寒かったそうです。

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見えそうで見えない富士山がちょっと見えていました。

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雲海と登山者。結構気に入っている写真です。

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絶景をもっと堪能したかったんですが、風に負けて小屋方面に避難することに。小屋から少し常念方面に避雷針と展望台がありました。

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小屋周辺も風が強くてゆっくりできなそうだったので、テン場の一番風が弱い所でお昼休憩。ガタガタ震えながらビール流し込みました。のんびりしたかったけど寒いんですぐに下山開始。

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帰りはゆっくり写真撮りながら。せっかくα7Ⅱ持ってきたんでそれっぽい対象を探しながら下山です。

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もののけ姫っぽい一枚。帰りはガスの中だったので雰囲気が良かった。

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トイカメラで地面撮るだけでなんか綺麗。

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これも気に入っている一枚。

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花はほとんど無かったですね。

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ゴジラも一眼レフっぽく撮りました。

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紅葉は終わっていました。

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だらだらと下山して戻ってきました。帰りはダリーですね。

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帰り道、林道が工事中で通行止めになっていました。2時頃到着して3時まで通行止め!えらい時間をロスしてしまいました。

服装・装備など

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新しく買った登山靴がこれ。イノヴェイトのロックライト325GTXというモデルで、9500円くらいでした。来週ちょっと厳しい所行く予定なんでそれに向けての慣らし運転でした。中敷きだけスーパーフィートに変えてきましたけど、どこも痛くならずに大変具合が良かったです。

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ザックはいつものアルティメイトディレクションとフォーカス。

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まとめ

蝶が岳、相変わらず超整備されていてめちゃくちゃ歩きやすかったです。思いがけず雪景色も楽しめたし、山頂も絶景で良かったです。往復13キロ位あるし、いいトレーニングになりました。

 

「ブラックダイヤモンド スポット350」を買ったのでヘッドランプ選びについてあれこれ

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ブラックダイヤモンドのヘッドランプ「スポット350」を買いました。

ヘッドランプはいくつも持っているんですが、どれも暗くて使い勝手が悪かったので、メインで使える高機能のものが欲しいとずっと思っていました。それでも「無くて困る」という状態では無かったためしばらく決めかねていたのですが、最近近所のカモシカスポーツで10%割引&ペイペイ20%戻ってくるキャンペーンがあったので、ついに買ってしまいました。

BDヘッドランプのラインナップと特徴

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ブラックダイヤモンドのヘッドランプは数種類あって、初心者でなくともどれを買えばいいのか悩むところですが、一般登山向けモデルは概ね5種類です。以下に簡単な特徴をまとめました。なお最近のBDヘッドランプは高照度化が顕著で、2000円台のエントリーモデルでも十分明るいです。

ストーム400

BD最高照度の400ルーメン。単4電池×4本使用で大きく重いが明るくて長寿命。ハイスペックで防水機能も抜きんでている。夜間行動多めで明るさ命のセミプロ用。

IP67◎、120g×、5,940円〇

リボルト350

USB充電可能。性能はスポット350とほぼ同じだが防水性能がちょい弱い。ぶっちゃけどのモデルも電池をエネループなどのリチウムイオン電池に変えれば充電して繰り返し使えるけど、本体直のUSB充電に+3000円の価値を見出せるかどうか。モバイルバッテリーで充電できるのはストレスフリーではあるけど。

IPX4×、90g〇、7,810円×

並行輸入品がかなり安く買える

スポット350

充電以外は大体全部入りの多機能モデル。コズモより1000円高くてもパワータップやバッテリー残量欲しいなら。

IPX8〇、86g〇、4,730円〇

※右は並行

コズモ300

スポットから明るさと一部機能を削った普及モデル。この明るさと性能で3600円は一昔前なら考えられないコスパ。一般登山者ならこれで十分。

IPX8〇、83g〇、3,630円◎

アストロ250

とにかく小さく軽い。250ルーメンって十分明るいけど。軽いので心配性の人のサブ用途か、安いやつでいいやの人向け。IPX4×、54g◎、2,420円◎

スポット350について

僕が買ったのはラインナップの中ではちょい高級なスポット350。お値段4730円です。350ルーメンと十分な明るさで、最新BDヘッドランプの主要機能である

  1. メイン・サブ・赤色の3ライト
  2. ディミング(光量調節)機能
  3. 光量メモリ機能
  4. パワータップ(本体タップで最大光量)
  5. バッテリー残量表示
  6. ロック機能

を全て備えています。無いのは充電機能だけの多機能モデルです。割引しても4000円オーバーとややいいお値段ですが、長く愛すためには必要なコストです。

色は悩みまくって白ベースのアルミニウムにしました。本当は黒がカッコイイんですが、雑多なテントの中とかで黒は埋没するんですよね。テント泊するたびにヘッドランプを探すのに手間取った経験から、できるだけ目立つ色ということで白系をチョイスしました。

外観、スイッチ類の操作性など

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開封すると、本体と電池と簡易な多国籍マニュアルのみ。2ボタンでけっこう多機能なくせに、ボタン操作の日本語説明は無く、すべて上の写真にあるイラストを見て習得する必要があります。この辺ちょっと不親切かも。

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大小2ボタンで操作しますが、「大=電源ボタン、小=ライト切り替え」というのが基本の操作。加えて、ボタン長押しで光量の調節、電源オン状態から1秒押しで最大照度などの特殊操作となっています。

電源ボタンは大きめですが、サブボタンは小さくてグローブしてたらうまく押せない自信があります。あと慣れないうちは左右どっちがメインボタンでどっちがサブボタンか混乱します。指先の感覚だと正直わからん。

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本体右側にパワータップ。この部分を指でタッチすることで、フルパワーと調光パワーを瞬時に切り替えることができるハイテクノロジー。

ただ試しに使った感じではわりと反応がシビア。ヘッドランプって自分では見えないから違う部分をタップしまくっちゃう。正直うまく使いこなせるか自信ない。

ちなみに同じことがメインボタンの1秒押しでも可能ですが、こちらも結構難しい印象。慣れれば超絶便利そうな機能なんで、とにかく早く慣れないと。

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反対側には3LEDバッテリー残量計を装備。表示により6段階でバッテリー残量をモニターしてくれます。一昔前に比べてめっちゃコンパクトで軽量だし、最近のヘッドランプは本当に多機能ですなあ。

ライトの明るさ

一応ライト点灯した状態の写真撮りました。わかりにくいですが、とにかくスッゲー明るいです。

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これはメインライト。直進的な光線で、遠方を円形に明るく照射します。めっちゃ明るい。ただし、これだけだと自分の周囲、足元なんかが暗くて見えにくい。

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小ボタンを押してサブライトに切り替えた状態。サブライトは遠くまで光が届かない代わりに、周辺全体に拡散するライトです。足元や周囲が明るくて見やすくなります。テントの中とかでもこちらのライトを使うことになりますね。

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んで、メインとサブ両方のライトを点灯させた状態がこちら。2ライトで遠方も周囲もくまなく明かるくなります。ある程度高性能なヘッドランプはこの2ライトモードが主流ですが、2000円台くらいの価格帯のライトになってくると1ライトだったりしますね。僕も今まで使っていたヘッドランプは1ライトだったので、2ライトの明るさを使ってみたかったのです。

ちなみに、最大照度だと非常に明るいですが、この最高照度は実際にはそれほど長持ちせず、バッテリーが減るにつれ徐々に暗くなっていきます。※BBG調べ

http://bbg-mountain.com/2019/03/17/blackdiamond-spot325/

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うんと遠くまでライト届くし本当に明るい。

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これはわかりにくいですが赤色ランプも備えています。テントの中とかあまり明るくしたくない状態で使うらしいですが、使ったこと無いんで正直よくわかりません。

まとめ

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ヘッドランプ選びってかなり悩ましいですよね。大体はペツルかブラックダイヤモンドを選ぶと思うんですが、まずペツルがいいのかブラックダイヤモンドがいいのかで悩む。どちらのメーカーも同じような価格帯で同じような明るさのモデルをラインナップしているし、明るく高機能になれば当然値段が上がるしとても選ぶのにエネルギーがいるジャンルです。僕も今回購入するまで何回ショップに脚を運んだか。

ヘッドランプは日帰りでも万が一の遭難に備えて持って行くべきアイテムです。2000円も出せばネットでいくらでも安いものが買えますが、テント泊登山をする人や、暗いうちから行動する計画があれば、5000円程度の予算でいいものを持っておくと長持ちするしいいんじゃないかなと思います。経験的に、安いの買っても結局後でBDやペツルのカッコいいのが欲しくなりますよ。

スポット、ガシガシ使い込んで行きたいと思います。

2021年9月23日 浅間山(外輪山~前掛山周回)日帰り登山

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浅間山に登ってきました。

浅間山は長野県東部の群馬県との県境にある独立峰で、標高2568m。日本百名山です。活火山として有名で、しばしば小規模な噴火があったため、火山活動の状況に応じて監視レベルが設定されており、レベルが高くなると入山自体ができません。

現在は最も低いレベル1なので、浅間山山頂からほど近い前掛山という外輪山まで登ることができます。

僕の住む安曇野市から車で2時間くらいで登山口まで行けるのですが、今まで何故か登った事無かったんですが、今回日帰りで気楽に行ってきました。

ルート・コースタイム

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浅間山には登山ルートが2つありまして、南側の天狗温泉浅間山荘から登るルートと、西側の高峰高原からのルートなんですが、今回は標高2000mからスタートできる楽ちんそうな高峰高原から登ることにしました。

久しぶりの標高差少ないハイキング登山なんで、ゆっくり写真でも撮りながら登ることにしましょう。

当日の様子

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6時過ぎ到着、高峰高原ビジターセンターに車を停めて、ホテルでトイレを借りる。駐車場にはトイレが無くて、ビジターセンターは閉まっていて焦りました。祝日ですが駐車場は半分くらい空いていました。

準備を終えて6時半頃より入山。すでに標高2000m近いので朝はかなり寒い。登山口からしばらくはほぼ水平移動で稜線を目指します。

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ほどなく最初の外輪稜線に到達。外輪山ですが、ここも太古の火口跡です。

浅間山は富士山のような独立峰ですが、中心の火口が一番新しく、その周りに目指す前掛山などの外輪があり、さらにその外側に黒斑山などの外輪山がある3重の火口を持つ火山です。外側ほど古い火口で、かつで大規模な噴火を起こした悠久の歴史ある山だと思うとロマン感じますね。

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最初のランドマーク「トーミの頭」。やや風が強いですが好天で嬉しい。浅間山が綺麗に見えます。思ったより緑色だなあ。

ここから斜面を下って浅間山方面に直接向かうか、外輪山の稜線をたどるか分岐します。今回は外周を回ることにします。

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これから歩く外輪の山です。

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左に見える山々がかつての噴火口跡ってのが信じられないですね。めっちゃ巨大です。どんだけでかい噴火があったんでしょうか。

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トーミの頭から15分ほどで最初の山頂黒斑山に到着。

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山頂をアップで撮る。手前が前掛山の稜線で、奥に見えるのが中心の火口ですね。

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外輪山の内側は崖のようになっていておっかないんですが、浅間山主峰との間に広がる森はここからみると箱庭のようです。カメラの設定をミニチュアにして撮影。

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蛇骨岳。恐ろしい名前ですがのどかな山頂でした。

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外輪山の外側(北側)には素敵な田園風景が広がっていました。後で調べたら群馬県の嬬恋村の畑のようでした。パッチワークのようで美しい。

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仙人岳。外輪山の3つ目の山頂です。浅間山がかなり大きくなってきましたね。

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火口から2キロ以内に到達。ちょっとだけ緊張してきました。天気がいいので7年前の御岳の噴火を思い出しました。

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外輪山も終点が見えてきました。あの人がいる所がJバンドかな?結構崖っぽい。

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富士山が見えました。(わかりにくいけど中央)

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ここまで来ると浅間山が眼前に迫ってきて迫力あります。火山特有の植生がほとんどない山肌はどことなく異様。

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外輪山から釜の底に降りる地点がJバンドです。意味は不明。

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結構険しい斜面を下っていきます。

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降りてきました。ここも火口の中なので、植生が低いですね。小規模でも噴火したらガスが溜まりそうな地形です。

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浅間山と外輪山に挟まれた非現実的で独特の景観ですが、文句なしに綺麗な景色。

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降りてきたJバンドからの登山道。ここから見ると崖。

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ずんずん歩いて賽の河原分岐。ここから浅間山に取り付きます。ここら辺から一気に登山者が増えてきました。

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浅間山をナナメに横切るように登っていきます。それほど大変な登りではありません。

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だんだん地面が赤茶けてきました。ふもとの緑とのコントラストが綺麗。外輪山を上から見ると火口っぽさが際立ちますね。ドデカい火口です。

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ナナメに登って突き当りの立入禁止看板。ここから数百メートルで中心火口と浅間山最高地点ですが、レベル1の今は行けません。

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右に折れて、前掛山に向かいます。シェルターも見えてきました。

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中信の火口を取り囲むように第2火口が大きく口を開けていて大迫力です。こういう景色はなかなか見られないですね。

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前掛山までの登山道はとても歩きやすい。風も思ったほど吹いていなかった。

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左手に中心火口。奥に見えるのが最高地点ですね。

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ズームしてみた。登山道もはっきり見えます。

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9時50分頃前掛山登頂しました。3時間位で楽々登山でした。標高差600m位なんで光城山2個分です。余裕ですね。

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前掛山から先はやはり立入禁止です。ここから山頂まではすぐそこなんだけど。

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小諸市街がよく見えました。北アルプス方面は霞んじゃってよく見えませんでした。

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崖をミニチュア風に撮影したりして遊んでました。

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前掛山山頂はひっきりなしに登山者が来て落ち着かないし風もあったので、シェルターの所まで降りてきました。ここでお昼休憩とします。シェルター初めて見ました。

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今回はハイキングなのでゆっくりとお昼を食べました。大勢の登山者を見ながらのんびりビール飲んで至福の時でした。

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崖のそばから水蒸気らしきものが噴出していました。

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さて、帰ります。帰りは火山館方面のルートで。

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あそこまで登り返さないといけません。(嫌いなもの=登り返し)

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草スベリの急斜面をヒイコラいって登ります。かなりの急斜面で酔っ払いにはきつかったけど、振り返って見える浅間山の雄大さに心癒されました。

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この斜面の登りがきつかった。標高差200mくらいを一気に直登します。

f:id:msx3:20210923123117j:plain見納めです。これから樹林帯を抜けて帰ります。

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樹林帯の中にも雷避けのシェルターが。

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ダルい樹林の登山道をトボトボと歩き・・・

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1時20分頃、登山口に戻りました。

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駐車場はほぼ満車。朝は閉まっていたビジターセンターはお洒落カフェっぽい店がオープンしていて、観光客も大勢いました。

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温泉は近くの高峰温泉の立ち寄り湯500円。内湯のみ激狭ですが、硫黄の香りが強いいいお湯でした。

温泉出てもまだ2時半とかでゆっくり帰りました。久しぶりにのんびりゆったりとした登山を楽しめました。たまにはこういうのもいいけど、やっぱり次はテントで行きたいですね。

Amazonで買える格安ダウンパンツ「Naturehike ダウンパンツ」ってどうなの?サイズ感・防寒など人柱レポート

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この度、登山用のダウンパンツを買いました。

僕が買ったのは、Amazonで売っている「Naturehike(ネイチャーハイク)」というブランドのダウンパンツ。僕が買ったときはお値段5900円(の5%OFF)でした。ダウンパンツとしては、相当安い価格です。

Naturehike、一般的には無名のメーカーだと思いますが、中国で2005年に設立された総合アウトドアブランドです。いわゆる中華ブランドですね。Amazon界隈では割と知られたブランドで、ダウンパンツ以外にもテント・寝袋・チェアなどアウトドアグッズを多数リリースしています。価格が安いのが一番の特徴ですが、品質にも定評があり、Amazonに数多ある怪しげなコピー専門中華メーカーとはどうやら違うようです。

naturehike-japan.com

今回購入するにあたり不安もあったので、使い勝手などレビューしてみます。僕と同じように購入に不安を感じている皆様のお役に立ちてれば。忖度無しの自腹レビューですよ。

ダウンパンツは高い

ダウンパンツといえば、高級アウトドアウエアの代名詞みたいなところあって、普通に登山用品店で買おうとすると1万5000円くらいします。ネットで探しても、アウトドアメーカーの製品だと1万円切るものはなかなか発見できません。(アウトドア向きでは無さそうな怪しげな奴は3000円前後で売っていますが、山で使うにはちょっと・・・)

そもそもレインウエアなどと違い絶対に必要なアイテムではないし、登山用具はアホほど高いのでお金はなるべく節約しなければいけない。ダウンジャケットはユニクロのウルトラライトダウンはじめ山でもイケそうなコスパのいい製品がたくさんありますが、パンツはどれも高くて、購入には二の足を踏むケースが多い。

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高いのか安いのか迷う価格設定

そんな中、ネイチャーハイクのダウンパンツは約6000円で買えます。めちゃめちゃ安くは無いけど、アウトドアブランドほど高くもない。あまり安すぎても心配になるし、「この位払えばある程度の品質は期待できるだろう」とか「ダメでも諦められる」と思わせる絶妙なプライシングです。

ダウンの品質も800FPだしレビューも悪くないので期待できます。早速細部をチェックしてみましょう。

最近ちょっと値上がりして6300円ほどになってしまった・・・

ネイチャーハイクダウンパンツの外観

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Amazon発送なんですぐ届く。夜注文すれば次の日に届きます。

開封すると、スタッフバッグに入ったダウンパンツ。バッグから出すとムクムクと広がります。触った感じ、生地はかなりしっかりしています。ゴワゴワではないですが、ちょっとコシがある生地。ユニクロダウンよりはちょっと硬い感じですね。モンベルのダウンハガーのような柔らかくてしなやかな感じでは無いです。肌触りはいいですよ。

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ダウンの量はサイズによって若干違いますが、僕の買った2XLだと96g入っているそうです。ロフトも十分あって、ペラ感はありません。むしろかなりボリュームを感じます。袋から出した後のダウンの膨らみ具合も良好で、本当に800FPかどうかはわかりませんが、十分な復元力があると感じました。

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前開きやドローコードなど、ウエスト周りに不便は無い

ウエスト周りは総ゴム+前開き・ボタン+ドローコード。ドローコードは外側から出るタイプです。ウエスト86cmくらいの僕ですが、履いてみるとウエスト総ゴムが結構効くので、ドローコードは不要でした。ウエストの調整はかなり幅広く対応できそうです。

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慎重185cm、体重88kgの標準体型ですが2XLでジャストでした

実際に履いてみると、変に細いとか突っ張るとか全くなく快適な履き心地でした。これ1枚で履いても快適だし、登山パンツの上に履いても大丈夫なくらいのゆとりもあります。そして履いた瞬間から超暖かい。ていうか下界では暑い。

サイズ感は2XLでウエスト、丈ともに問題ありませんでした。丈はあと5cm長ければ足首の保温的にベストですが、これでも十分。サイズ選びは悩むと思いますが、普通の日本サイズの感覚か少し大きめを選ぶくらいでちょうどいいと思います。


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画像のようなスタッフバッグが付いて来ます。重量は約250gで、スタッフバッグの大きさは結構大きくて1リッターのナルゲンボトルくらいあります。もう少し小さなスタッフバッグでも入りそうですが、ダウンハガーのように圧縮すればするだけ小さくなるような感じではなく、生地がしっかりしているせいか物凄く小さくはならない印象です。ザックの隙間にギュウギュウ押し込むようなパッキングをするなら関係ないかもしれませんが、小さくなるのがダウンのメリットと感じているような人は要注意ポイント。

実際の所どうよ?

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お悩みポイントに対して、質問と回答形式でお答えします。

中華製不安だけど、買っても大丈夫か?

➡大丈夫です!しっかりしてます!!中華製でもちゃんとした中華でした。

質感は?安っぽくない?

➡驚くほど質感は高いです。粗悪なディティールは一切無いです。

変な匂いしない?

➡全くしない。水鳥のウンコの匂いとか皆無です。

インナーか、アウターか?

➡インナーでも使えると思うけどかなり嵩張ります。アウターパンツとしての方がしっくりくる。登山ではテントや山小屋でリラックスタイムに履くというのが正しいと思います。

サイズ感はどう?

➡日本サイズの感覚で選んで問題ないです。僕は185cmで2XLでしたが大きすぎず小さすぎずでジャストサイズでした。175cmくらいの子供がはいてもちょい大き目ですが普通にはけました。ウエストが大きすぎるとか小さすぎるとか、太すぎるとか細すぎるとかなくて、普通に身長で選べば問題ないと思います。

実際のところ、暖かいの?

めっちゃ暖かいです。標高・気温にもよるけど真夏のテントでは暑すぎて履いていられないくらい。(↓参考)

7月末の穂高岳山荘テン場(2900m雨)…雨で気温低かったけどテント内では暑い
8月末の薬師沢テン場(2300m雨)…風が吹く外ではいいけどテント内では暑い

ここがちょっと・・・て所は?

ポケットが無いのが唯一の不満です。スタッフバッグ紛失しがち。実際僕は紛失しました。しかも自宅で片付けしている時にどっかいっちゃいました。

小さくなる?

➡超コンパクトではない。ガワの生地も結構しっかり目なのでそれほどコンパクトにならない。その分頑丈そうで簡単に敗れなそうなしっかり感のある生地。雑に扱っても良さそうな安心感ある

まとめ

結論としては、ネイチャーハイクのダウンパンツは「買い」です。この価格でこの品質は素晴らしいです。

登山が趣味と言えるくらいやるようになると、朝や夜の冷え対策やシュラフの防寒性能をアップさせる用途でダウンパンツが欲しくなるんですよね。だけどダウンジャケットほど一般的じゃなくて、登山専門店で買うと高価。そんな時、6000円で買えるこのダウンパンツはとてもいいセレクトだと思います。

いい買い物しました。山の上は夏でも寒いので、使う頻度も高くなりそうです。ダウンなので濡れないように運搬しないといけないので、防水のスタッフバッグに入れて圧縮するのが良さそう。シュラフと一緒に防水スタッフバッグに入れるのもいいですね。

しかし、ネイチャーハイク安いわ。このテントなんて14000円ですよ?重量1.2kgで登山にも十分使えるスペックだし、最初のテントなんてこれでいいんじゃない?5万とか高すぎるって。

2021年8月24日・25日 北アルプス北西部を初訪問 薬師岳・黒部五郎岳テント泊縦走

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北アルプス・薬師岳と黒部五郎岳に登ってきました。

富山県側の北アルプス玄関口である「折立(おりたて)」から一泊二日。二日目黒部五郎岳往復では雨に降られてびしょ濡れになって大変でしたが、何とか予定通りの行程を歩くことができました。

訪れたかった北ア最深部

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薬師岳は北アルプスの北西部にある富山県の山。黒部五郎岳は薬師岳より少し南側で、富山県と岐阜県の県境の山。いずれも日本百名山ですが、一番近い登山口の折立へのアクセスがあまりよくないこともあり、北アルプスの百名山の中ではマイナーな山な気がします。メジャーな上高地や新穂高からアクセスしようとすると、山中で2泊以上しないとたどり着けない辺境の山です。

北アルプスがホームである僕も、山の名前こそ知っていましたが、正直どこにあるのかよくわかっていませんでした。今回2日間で登る山を探す中で、行ってみたかった北アルプス最深部を調べるうちに、2日間で登れるコースとしては一番メジャーなコースであるこのルートを選びました。

ルート・コースタイム

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折立からキャンプ地である薬師峠まで登り、そこでテントを張って不要な荷物をデポ、その日のうちに薬師岳に登り、テントに戻り一泊、 翌日黒部五郎岳をピストンし、テントに戻って荷物を回収して折立に下山、という計画です。

標準コースタイムだと2日目が厳しいですが、今回初のベースキャンプスタイルで重荷は置いていくので、ハイスピードで登ってコースタイムの半分くらいで戻って来れるだろうと予想しました。

結果的には大体計画通りの時間で下山することができましたが、雨に降られてしんどい登山となりました。 

当日の様子

折立登山口まで

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登山口である折立までは、安曇野の自宅から3時間40分以上かかる見込み。とても遠いです。上高地駐車場の沢渡までウチから1時間位なんで、その3倍以上かかります。岐阜を抜けて富山へ向かうど田舎の山道なんでしょうがないですね。

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という訳で、自宅を4時半に出て、眠い目をこすりながら4時間近く運転してやっと折立に到着。マジで遠かった・・・。しかも途中コンビニは1件も無し。おにぎりなどの行動食は早めに買っておかねばなりません。

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駐車場から100mほど歩くと登山口です。トイレなど済ませて出発が8時15分でした。予定よりだいぶ遅くなってしまったので少し急ぎますよ。

太郎平小屋まで

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最初のうちは、樹林帯急斜面の登り。木の根が露出した鬱蒼とした樹林を登っていきます。足元は乾いていれば楽ですが、濡れているとぬかるむし滑るしちょっと大変かも。

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ほどなく、有名なアラレちゃん看板に到着。なぜにアラレちゃんなのかは不明ですが、大好き薬師岳の気持ちが伝わってきます。ビニール何とかしてあげたいけども。

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ゼエハア息を切らして1時間ほど登っていたら、森林限界を超えていました。三角点という場所を過ぎると、見晴らしの良い登山道になります。

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左手には剣岳も見えました。天気は高曇り。今日の予報は午後から雨なので、いつ雨に降られるかビクビクしながら登るせいで、余計にペースが上がってしまう。

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この辺から登山道は劇的に歩きやすい石畳や木道になります。斜度もゆるやかだしこれは初心者にも優しい登山道です。石畳は先日の大雨のせいかやや崩壊が見られますが、それでもよく修繕されていました。素晴らしい。

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木道歩きやすいなー、なんて思っていたら、太郎平小屋に到着しました。ここで、登山相談所の方から今日明日の計画や登山計画書の提出などをチェックされました。一応明日の天気を聞いてみたけど、最近は天気予報があてにならないくてわからないとのことでした。

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参考までに太郎平小屋のメニューを写メっておきました。缶ビールが高い気がする。

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ここ太郎平小屋から左に行くと薬師岳、右に行くと黒部五郎岳経由鷲羽岳方面、直進すると雲の平や高天原。北アルプス最深部への入口といえる重要拠点です。 

テン場~薬師岳~テン場

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本日のキャンプ地薬師峠はこの先。目指す薬師岳は雲に隠れていて、いつ雨が降ってきても不思議ではない状況です。早くテント張っちゃおう。

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小屋からテント場への道も木道で雰囲気最高。晴れていればもっといいでしょうけど、曇っていても木道は絵になりますね。

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10分ほど進むと、目指すテン場が見えてきました。何だか空いているようです。

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テント場に到着しました。太郎平小屋が管理していて1泊1000円です。最近北アのテン場は1名2000円とか法外な値段を取っていますが、このエリアはまだ1000円でありがたい。

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到着した時はテントは1張りだけでした。かなり広いので春場所に悩みます。

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とりあえず、平坦で風の弱そうな場所にテント設営。不要な荷物はテントに放り込んで、薬師岳に登ります。テント設営にかかった時間約30分で、11時40分頃出発。

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薬師岳まで往復3時間くらい。天気は何とか持っています。ていうか少し良くなってきた?雨が降らないのはありがたいです。

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薬師岳はカールが有名というのは何となく知っていましたが、特別天然記念物に指定されているようです。(圏谷=カール)

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小屋からしばらく沢沿いの急登を詰めて、稜線に出ると薬師岳が大きく見えてきました。途中に薬師岳山荘があります。ここで泊まるのは景色良さそう。この辺で風がかなり強くなってきて、登っているにもかかわらずかなり寒さを感じるようになったので、カッパウエア上下を装備します。

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稜線に出ると、右側に立派なカール。涸沢のような大きなカールではありませんが、独特のベージュと緑のコントラストが綺麗なカールで目を奪われます。薬師岳といえばこのベージュの稜線をイメージしますね。

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頂上手前の避難小屋後。屋根がありません。

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頂上が見えてきた。結構遠い。風が強くて寒くて鼻水出るし、足元はザレて歩きにくいんだこれが。

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もうじきです。奇跡的に雨に降られませんでした。

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やったー、登頂したよ!セルフタイマーです。

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頂上から北側に一番大きな「金作谷カール」が見えます。奥に剣岳を背負って立派な景観でした。これはカッコいい。RAWで撮っておくべきだった。

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富山湾と富山の町並みも良く見えました。

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剣、立山、北アルプス北部の山々も良く見えました。

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奥の方に見えるのは鹿島槍、五竜、唐松、白馬三山でしょうか?こちら側から見ることはあまり無いのでよくわからない。

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どっちを向いても絶景で感動しました。雲無くてラッキーでした。山頂には20分ほど滞在しましたが、寒くて限界なんで下山します。

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下山途中で、明日登る予定の黒部五郎岳も雲から顔を出してくれました。水晶岳とか鷲羽岳らしき山も見えたと思います。素晴らしい景色でした。

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テン場に戻ってきました。テントが増えていますね。ここまで降りてくると結構気温も上がり、のどもいい感じに乾いていますよ。

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身の回りの物を片付けて、さあ飲むぞ!

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一日の山行を終えて至福の時

サイコーですね。このために登ってきましたからね。ビールは850ml持ってきましたがすぐに終わってしまった。そのあとはワイン。

 

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薬師峠キャンプ場の水場は近くの沢から引いていて水量豊富です。もちろん無料。テン場から少し下った所にあります。この横にトイレがありますが、男女別で個室は洋式の綺麗なトイレでした。本当はバイオトイレらしいですが、今は水で流していました。

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携帯の電波がやや弱いのだけが残念。ダラダラと飲んでいたら5時頃から雨が降り始めました。テントに寝転んで酒飲んでいたら寝てしまい、起きたら7時過ぎであたりは真っ暗。お腹は空いていませんが、明日に備えてタンパク質補給でビーフシチューの夕食。外では雨脚が強くなり、トイレに行くのが超面倒でビニール袋にしようかと本気で悩みました。そんなこんなで一日目の夜は更けていきました・・・。

2日目・黒部五郎岳ピストン

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2日目、3時過ぎに目覚めましたが、雨は強く降り続いています。夜中止むことなく降り続いていました。

今日の予定をどうすれば悩みます。予定では4時出発ですが、この雨の中本当に黒部五郎岳に登るべきなのか?天気予報では一日中雨の予報で、立山方面では大雨警報も出ているようです。恐らく展望はゼロ、雨の中で一日行動することになりそうです。

正直な所めんどくさいし帰りたいですが、折立まで来て薬師岳しか登らないのももったいない。ぶっちゃけ薬師岳だけならテントで泊まらなくても日帰りできるし。ここまで遠征してきた元は取りたいというモトトラーとしての意地もあるし悩む。誰にも相談できず、自分で決めなければなりません。延々悶々と1時間以上悩んで、結論としては「GO」でした。危険な所は無さそうだし、やっぱりせっかく来たしね。

4時出発予定が悩んでいたせいで5時半出発とかなり遅くなってしまいましたが、とりあえずカッパ装備して急ぎ出発しました。

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もう日は登っていたので明るいです。最初は太郎平小屋の脇を抜けて木道をひたすら進みます。途中で薬師沢方面への道と別れます。

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雨は時々強くなったり弱くなったりを繰り返しながら、シトシトと降り続いています。この辺池塘が点在する湿原っぽいエリアで、木道と池塘で素晴らしい景観です。晴れてさえいれば。

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1時間ちょっとで最初のランドマークである北ノ俣岳に到着。コースタイム1時間半の所1時間10分ほどかかりました。結構急いで歩いてきたはずですが、思ったよりタイム短縮できてない…。

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その次のピーク赤木岳。この辺こまかなアップダウンがあって結構下ったなあ。こっちは登りのテンションで来てんだからあんまり下らせないでほしい。帰り面倒だし(嫌いなもの=登り返し)

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ひたすらガスの中を歩き続けます。当然ですが展望はゼロ。他に登山者も全く歩いておらず、聞こえるのは雨と風の音だけ。虚無感MAXで精神と時の部屋に迷い込んでしまったかのようです。

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降った雨は登山道に集まってくるようで、足元は大体こんな感じの川状態。深い所ではくるぶし位まで水に浸かります。今回新しく買ったナイキのトレランシューズで来る予定でしたが、天気予報が雨だったんでゴロー履いてきたんですが本当に良かった。ゴローの防水性能は完璧ですからね。

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出発して3時間を過ぎ、そろそろ着いても不思議ではないんですが全然着かない。そして稜線の南側は風が強いんですよね。けっこうストレスでした。

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強風の中キツい登りを越えた所で、やっと黒部五郎岳の肩に到着。そしてここで黒部五郎小屋方面から登ってきた他の登山者と初めて遭遇。この世界に一人じゃなかったんだ、とほっとしました。安心したところで、ザックをデポして空身で黒部五郎山頂にアタックします。

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あ、雷鳥発見!久しぶりに雷鳥見ました。

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丸々太ったつがいでした。この辺雷鳥多そうですね。

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ガスと風の中、10分ほど頑張って登ると・・・

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8時57分、黒部五郎岳2840mに登頂しました。出発してから約3時間半要しました。思ったより時間かかったなあ。

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本当なら水晶岳や雲の平などの北アルプス最深部から、槍ヶ岳や穂高連峰まで一望できるロケーションのはずですが、ガスで展望ゼロ。まあわかっていて来てるから別にいいんです。今回は登頂したという事実が大切なんです。登頂したぞー!!

山頂には3分ほど滞在しましたが、寒いし何も見えないしやることないので早々に下山しました。さあ、まだ先は長いので急いで戻りますよ。

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帰り道はわき目もふらず足元だけを見て一心不乱に歩いて来ました。途中から雨が上がってほんの少しだけ遠くが見えるようになりました。相変わらずこの辺の景色はフォトジェニックですね。晴れてさえいれば。

「木道が足に優しくて楽だわー」つって調子に乗って歩いていたら、物凄い勢いで滑って怖かった。木道濡れてるとめっちゃ滑って危険なので注意です。イメージ的には氷の板の上を歩いている感じ。そのくらい滑りました。

折立に下山

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そんなこんなで、後半はカッパの防水性能も終了して全身ずぶぬれ状態でテン場に帰り着いたのが12時10分頃。黒部五郎岳の往復に6時間40分かかりました。思ったより時間かかったなあ。5時間はとても無理でした。標高差があまり無いというか、登り返しが結構あって復路でタイム短縮ができない感じでした。

幸いなことに丁度この頃雨が上がり、テント撤収は楽にできました。30分ほどで片づけて折立に下山します。

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さようなら太郎平小屋。太郎ラーメン食べたかったけど1200円高いし時間も無いので次の機会にします。

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下山途中に晴れ間も出てきて暑くなってきた。この区間登りは楽だった記憶ですが、下山はきつく感じる不思議。登山あるあるですね。

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3時半無事折立に下山しました。長い1日だった。自販機のコーラ200円我慢できずに買ってしまった。

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帰りの林道で熊を2回見ました。上の写真の真ん中上部黒い影は子熊です。道路にいた子熊が森に逃げ込んでいく姿が可愛らしかったです。野生の熊初めて見てちょっと興奮しました。この後、もっと下の方でも成獣の熊が森に逃げ込んでいくシーンも見ました。そこはトイレのすぐ近くだった。熊多いですね。

装備など

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今回は自分一人だけだったので、軽量装備で行きました。ザックはグレゴリーミウォック34(37リッター)。テント装備慣れてきたせいか割と余裕でパッキングできました。けどこれだと秋口はちょっと厳しいので、50リッタークラスで軽量なザックが欲しい・・・。

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シューズはゴローのS8。作ってから15年以上経過してソールが終わっているので、ソールの張替えが必須です。防水性能は完璧でした。ただやっぱり少し重い・・・。

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食料は今回行動食中心で、夜だけちゃんとしたビーフシチューを食べました。コンビニおにぎりと菓子パンは大体食べきりました。

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そしてカメラ。フルサイズ買ってしまった。といっても中古のα7Ⅱですが。前使っていたパナソニックのGX7MK2が割と高く売れたので、勢いで買ってしまいました。またブログで報告します。これを今回フォーカスに入れて行きましたが、2日目はずっと雨だったのでザックにしまいっぱなしでした。 

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このエントリの写真も1日目はほとんどα7Ⅱで撮影していますが、スマホとの違いは・・・正直わかりませんね。まだ全く使いこなせていません。 

距離、標高差など

  • 出発時刻/高度: 08:14 / 1358m
  • 到着時刻/高度: 15:33 / 1360m
  • 合計時間: 31時間18分
  • 合計距離: 45.57km
  • 最高点の標高: 2900m
  • 最低点の標高: 1353m
  • 累積標高(上り): 2909m
  • 累積標高(下り): 2911m

ヤマレコのデータですが、あまり標高差が無くて楽なコースだと思っていましたが、二日間の累積標高差が2900mほどとまあまあありました。白峰三山縦走した時ですら3100mくらいだったと思いますが、あれに比べればだいぶ楽でしたけど。

そして距離!45キロ以上歩きました。今年最長距離でした。こちらも水平移動が多かったのでそれほど苦しくはありませんでしたね。

かかった費用

  • 安房トンネル 片道790円×2=1580円
  • 有峰林道 往復1900円
  • 太郎平キャンプ場 1000円

計 4480円

安い!山で使ったお金はテン場の1000円だけというドケチっぷり。帰りに温泉も食事も寄らなかったから本当にお金使いませんでした。テント泊は金かからなくていいわ。

まとめ

折立から薬師岳・黒部五郎岳縦走何とか終了しました。二日目の雨には参りましたが、黒部五郎岳まで行くか、下山するかでかなり悩みました。下山したらしたで、登らなかったことを後悔すると思ったので強行しました。展望ゼロでしたが、達成感あったし、黒部五郎まで行ってよかったと思います。「登頂した」という実績作りのためだけに登ったような感じでしたが、長い時間北アの最深部を歩いて、感じ入るものがあったことも事実です。次は、景色がいいときに黒部五郎再チャレンジしたいですね。

今回、誰かと一緒に行っていたら、「雨だし下山しよう」となっていた可能性が高いと思います。ソロ登山はすべて自分で決められるのが楽でもあり、難しくもあるなあ、なんて思いながら帰りました。

薬師岳・黒部五郎岳という、北アルプス奥地の入口の部分までは入り込めました。今後、雲の平や高天原温泉、水晶岳や野口五郎だけといった最深部まで行ってみたいという思いがとても強くなりました。今年はちょっと無理ですが、来年以降のいい目標ができました。

最後に、今回もケツズレ(おケツの穴付近のスレによる痛み)に悩まされました。パンツがいけないのかなあ?何か対策しないと2泊以上で登山が劇的に無理です。靴擦れ防止クリーム塗るか…。

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登山時のスマホ専用ポケット「ミレー ヴォヤージュ パッデッド ポーチ」を買った

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スマホ専用ポーチとして、ミレーのポーチを買いました。ザックのショルダーベルトに付けて使うタイプの小さいポーチです。

登山の時、スマホの保管場所がストレスになっていました。スマホは地図アプリを見たりLINEチェックしたりで頻繁に使うので、とにかく取り出しやすい所に置いておきたいんですが、ズボンのポケットに入れると足上げに干渉するし、フォーカスやスイッチに入れるとカメラと干渉して出し入れがしにくくなるし困っていました。

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最近のザックはウエストベルトに小物収納ポケットがあって、そこにスマホを入れている人も多いですが、僕のオスプレー・クレセント65は古いザックなのでそんな便利なものは付いてないんですよね。(グレゴリーのミオックは付いてるけど、微妙に小さくてスマホは入らない)

という訳で、後付けのポケットとして「ミレー ヴォヤージュ」を購入した次第。

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カラーは黒。2ポケットのごくごく普通のポーチです。Amazonで2200円くらいでした。

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このように後ろ側にベルクロストラップが2本あり、この部分をザックのショルダーストラップに巻き付けて固定する仕組み。上のストラップの下に見える部分はベルトループ状になっていて、ウエストベルトなど水平方向のストラップに通して使用することも可能。さらに確実に固定するためのカラビナフック用のベルトもついているので、ザックへの固定についてはあらゆる方法で可能。

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本体は2つの部屋に区切られています。身体に近い方がやや大きく、ジッパーも大きく開きます。内部にはサブポケットとキーチェーンがあります。前面側はやや小さいですが、きちんとマチもあってそれなりに入ります。

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ザックに付けるとこんな感じ。見た感じ大きく見えますが、実際にはかなりコンパクトです。大きめスマホは入りません。iPhoneならSE2やminiなら入りますが、iPhone11や12、MAX系はまず入らないと思います。入っても頭が飛び出る。

より大きめのモデルもラインナップされていますので、大きなスマホをお使いの方はそちらを購入した方が無難です。

この手のアイテムは多数販売されていて、有名なモデルとしてはグレゴリーとかパーゴワークスでしょうか。

いずれのモデルもカッコよくて登山者に人気ですが、お値段がやや高め。こんなポーチに4000円とかちょっともったいない。ミレーのヴォヤージュポーチはこれらのモデルに比べて安くて機能は遜色ないと思います。

 

 

実際に使ってみた感想

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先日の穂高連峰登山で使ってみた感想です。 

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普通に便利に使えたんですが若干気になった点を。

最初大きい方のポケットにモバイルバッテリー、小さい方にスマホを入れましたが、僕の手帳型ケース付きギャラクシーS8でも小さいポケットは少々キツめ。スマホを入れるとジッパーが閉まりません。出し入れ面倒なんでジッパーなんて閉めなくていいや、とそのまま使っていましたが、ある時クソ重いザックを「えいや」と降ろすときに、ザックが勢いよく振られてスマホが飛んでいきました・・・。スマホは岩にぶち当たって画面にひびが入りましたよ…。悲しい。

ジッパーは閉めておいた方がいいです。それか、腕を抜く方の肩には付けないか。

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それからは大きい方のポケットにスマホを入れてたんですが、この大きいポケットの中に小物整理に便利そうな小さいポケットがあるんですが、スマホを入れるときにこのポケットにスマホが引っかかって、うまく入れられないという問題がありました。慣れの問題かもしれませんが、無造作に入れようとすると引っかかって入らなくてイライラ。これはちょっと気になりました。

あとは雨が降ったりすると防水性能が無いので普通に濡れます。防水じゃないスマホやモバイルバッテリーを入れていると水没するので注意です。ただ、モバイルバッテリーでスマホを充電するのはすごく便利でした。スマホを入れるのには邪魔だった小さいポケットも、帰りのバスやロープウエイのチケットを入れておくのに便利そうです。

前回の穂高連峰登山では、紀美子平にザックをデポして前穂高岳にアタックしましたが、その際子のポーチからスマホを出し忘れて、置いて行ってしまいました。おかげで山頂までのログが取れず。こんなこともよくありそうなので気を付けないといけません。

不慣れもあって完璧とは言えない使い心地でしたが、「胸の前」という一等地にスマホの置き場所を設定することで非常に便利になることは間違いありません。バッグ類への取り付け取り外しも簡単なので、「アウトドアでのスマホケース」としてこれからも持ち歩くつもりです。

2021年7月28日・29日 長男と穂高連峰テント泊縦走(岳沢から前穂高岳・奥穂高岳)

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北アルプス・穂高連峰に高校二年生の長男と登ってきました。

今回は北アルプスのど真ん中、奥穂高岳を目指しました。今シーズン中に剣岳登ることを目標にしているので、岩登りのトレーニングも兼ねての登山。長男にとっては本格的な北アルプス岩稜帯の縦走は初めての経験。天気がイマイチでしたが、滑りやすい岩稜帯をテント装備で通過し、若干の計画変更はあったものの無事帰って来れました。

ルート・コースタイムなど

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今回は長男の穂高デビュー登山ではありますが、一泊二日で最も効率の良いルートを検討した結果、上高地を起点として反時計回りの穂高連峰周回コースを計画しました。

上高地から入り、岳沢・重太郎新道から前穂高岳に登り、吊尾根を経由して奥穂高岳に登頂後、穂高岳山荘でテント泊して翌日は北穂高岳経由涸沢から上高地に下山という、穂高連峰ビッグ4を2日間で周遊する贅沢なコース。奥穂から北穂への登山道が核心部となります。テントやマット類、食料はすべて父親の僕が背負うので歩みは遅くなることが予想されますが、このルートならそれほど急がなくても大丈夫なはず。

結果的には2日目朝から雨に降られたため、奥穂から北穂の難路はキャンセルしてそのままザイテンを下って下山しましたが、充実感ある大変楽しい登山となりました。

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ちなみに2017年に全く同じルートを日帰りで歩いています。今回は子連れテントなんでゆっくりいきました。

当日の様子

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6時のバスで上高地入り。平日で台風8号が上陸する予報だったため登山者は少なめ。

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寝袋やマットが入っているのでいつもよりは重い荷物。

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やや雲が多いが、台風上陸の日だと思えば天気は悪くない。

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上高地ライブカメラの画像キャプチャ。

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岳沢登山口から登ります。

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風穴。涼しい風が吹いてくるらしい。

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2時間かからず岳沢小屋に到着。荷物がクソ重いのでそれほど急いでいる訳ではないはずだけど、ちょっと早すぎるかな?

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小屋を過ぎると梯子や鎖が出てくる。前日買ったばかりのヘルメット装備してガシガシ登る。

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カモシカの立場。この辺までは天気がもってた。

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重太郎新道はけっこう険しい。ガスに入って岩も濡れてきたので慎重に登る。

 

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紀美子平手前で本格的に雨が降ってきたのでカッパ装備。その後も鎖や梯子が続く。

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時折晴れて青空も見えるんだけどなあ。

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急斜面を黙々と登る。

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11時過ぎ、登り始めて4時間ほどで紀美子平到着。

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ザックをデポして前穂山頂アタック。ザック降ろしたら羽が生えているかのように体が軽い!

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紀美子平から前穂山頂までは20分ほどですがかなりの急斜面です。

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そして前穂山頂直下で奇跡の晴天キター!!

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無事前穂高岳に登頂できました。本日最初の3000m峰ゲッツ。

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ややガスが多いですが、景色も見えたり見えなかったり。雨が上がったのは嬉しい。

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前穂山頂を満喫したら、紀美子平に戻って吊尾根に取り付きます。

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時折ガスが晴れて涸沢方面の展望が開ける。あれが涸沢ヒュッテだよ。

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吊尾根は所々狭いトラバースがあって気を抜けませんが、重太郎新道よりはイージーです。ただ時々雨が降って濡れた岩がスリップしやすく、長男はやや怖かったようです。

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前穂方面を振り返って。険しい岩稜帯を歩いてきて自信になります。

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吊尾根最低地点から奥穂への登り。結構急斜面で登りはまだ楽だけど下りだと怖い所。

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南陵の頭まで来ました。この前日ここら付近で滑落して亡くなった方がいるので慎重に歩きます。ゆっくり行こう。

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この辺でまた晴れてきました。

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吊尾根から見た奥穂高岳の岩肌は大迫力。穂高連峰の盟主の存在感です。

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無事奥穂山頂に到着しました。

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ややガスっていますが。二人で何枚も記念写真撮りました。

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ジャンダルムが圧倒的存在感。いつかは長男と登れるんだろうか。

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「あれがジャンダルムかー」

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明日向かう予定の涸沢岳、北穂高岳も見えた。

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奥穂の山頂を満喫したので小屋に向かいます。小屋直前の斜面が急なんだよね。

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午後3時過ぎ、予定より少し遅れましたが今夜の宿奥穂高岳山荘に到着。テン場の受付をしてテント設営します。

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テン場は先に設営場所を決めてから申告するスタイル。この日はテント4張りだけだったので広めに使わせてもらいました。晴れていて気温も高かったので、濡れた衣類など乾かしつつ、休憩します。

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荷物を整理しながらまずは一杯。景色もサイコー。

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この雄大な景色を見ながら飲めるのは本当に幸せ。

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ちなみに穂高岳山荘には各種酒類が販売されていますが、ビール350mlで600円などかなり高価(山小屋では一般的な価格ですが)。僕は子供のジュースも含めて全て背負ってきました。

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小屋で天気予報を確認すると、明日はどうやら天気は悪くなさそう。と思ったけど実際には「稜線は雨降るかも」って書いてある。結局翌日稜線ではずっと雨でした。

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5時半頃小屋前の広場に移動して夕食。長男はアルファ米とビーフシチュー。

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僕はうなぎ。この日は土用の丑の日だったんですよね。美味かった。

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食後に夕焼けを見るも、ほとんど焼けず。雲も多い。

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東側の雲が若干赤くなって夕焼け終了。その後7時過ぎには就寝。何度か起きましたが、夜は晴れて星も綺麗に見えました。

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翌朝4時に起きるもガスガス。今日は難所を越えて北穂周りで下山で行程が長いので5時半出発の予定でしたが、テンションが下がるなあ。もう一回寝よ。

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5時頃二度寝から起き出して、この後どうするか悩む。外はいつの間にか本格的な雨。とりあえずカップラーメンで朝食を済ませる。

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結局その後も雨が止まないため、北穂行きはキャンセルして下山することに決定。雨の中テントを撤収して7時下山開始。

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ザイテングラートを下る。雨の中の下りでしたがそれほど難易度は高くなかった。下りは楽だなあ。ザックも軽いし。

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1時間ほどで涸沢エリアに到着。ガスの下に降りてきたと思ったけど、涸沢もずっと雨だった。

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涸沢ヒュッテに向かっていたはずが涸沢小屋に到着。ヒュッテへはパノラマコースを通るらしいけど、雪だったのでスルーした。

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ザックは結局雨でびしょ濡れ。せっかく昨日乾かしたのに…。ザックが保水して重くなるので雨は嫌だ。

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黙々と歩いて本谷橋。この辺で天気が回復してきたのでカッパを脱ぐ。ここら辺で登っていく登山者と大勢すれ違った。朝上高地に着いた人たちですね。

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横尾着。たくさんの登山者がいて今回の登山で一番賑わっていた。

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その後も再度雨に降られたりしながら徳沢着。名物のソフトクリーム450円。

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明神。もう林道歩きにはうんざり。楽だけどつまらんなあ。

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河童橋午後1時10分着。稜線にはガスがかかっていた。とりあえず無事下山しました。1時15分のバスに乗りたいので急いでバスターミナルへ向かう。

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バス下車後に温泉に入り、近くのドライブインで遅めの昼食。ソースカツどんすげえ美味かった。やっぱり下界の飯はうまい。

かかった費用

  • さわんど駐車場 700円×2日間=1400円
  • シャトルバス 大人往復2400円×2名=4800円
  • 穂高岳山荘テント場 2000円×2名=4000円
  • ソフトクリーム 450円×2個=900円
  • 下山後の温泉 730円×2名=1460円
  • ソースカツ丼 900円×2=1800円

合計 14,360円

テント場2000円がボッタクリですね。コロナのせいで昨年から2倍になりました。シャトルバスも30分位乗車なのに高い。全体的に北アルプスは高いです。

それでも山小屋利用(1名13000円)すると思えば相当安いし、食事や酒を山小屋で調達すると一気にコストが跳ね上がりますが、僕らはケチケチですべて担ぎ上げたのでその分は助かってます。この辺どうするかは経済力と体力の兼ね合いです。

持って行った飲み物(宴会用)

  • ビール350ml×1、500ml×1
  • 白ワイン500ml
  • 子供用のジュース500ml×2

合計 2.35kg

これはテントで飲む用で、他に行動中の飲料水を3リットルくらい持っていたので、ザクがかつてないほど重かった。夕食のビーフシチューや肉関係も500gくらいはあったし。全部飲み切って帰りは激軽になるはずだったが、汗や雨が沁み込んだせいかそれほど軽さを感じず…。

それでも山でビールやら買う事を思うと、辛くてもどうしても持って行ってしまう…。ドケチの性です。

まとめ

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長男との穂高連峰テント泊はとても楽しかった。2日間通して天気がイマイチでしたが、前穂奥穂山頂では晴れたし、テント場でも夜まで晴れていて快適でした。2日目に朝から雨に降られて北穂まで行くのは諦めざるを得なかったのは残念でしたが、これは次回への楽しみにとっておくということで。高校生がいきなり前穂奥穂北穂涸沢岳を縦走するのはちょっと贅沢だしね。。

息子はどう思ったかわかりませんが、親子で登山、親子でテント泊とてもとても楽しかったです。また行きたい。一生の思い出になりました。

息子よ、次は富士山行こうぜ!

2021年7月21日 ロング走の代わりに常念岳日帰りスピードハイク 一ノ沢から往復

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北アルプス常念岳に日帰りで登ってきました。

愛すべき僕の故郷の山・常念岳には何度も登っていますが、今回は休日のロング走するのが嫌だったという消極的な理由で急遽登ることにしました。天気景色最高で、下界の炎天下のつまらないLSDより百倍楽しかった。いいトレーニングができました。

ルート・コースタイムなど

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一ノ沢登山口から常念小屋を経て常念岳ピストンの王道ルートです。コースタイムは通常登り5時間下り4時間といった所でしょうか。

常念岳は僕の地元中の地元の山で、登山口の一ノ沢は自宅から車で約40分と非常に近いのも楽なんです。

当日の様子

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6時半駐車場着。第一駐車場はすでに満車だったためちょっと下の第2駐車場に駐車し、1キロほど歩いて登山口へ。登山口を7時出発。

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しばらくは沢沿いの緩やかな登り。大変歩きやすいが所々水が流れていた。

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日が登ってきて、気温はかなり高く暑い。樹林の中はまだましだけど、直射日光あたるとヤバい暑さだった。

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ひたすら沢をつめて行くと、胸突八丁の登りになります。ここまでがこのルートの大体三分の一かな。

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ここからが登り本番です。沢を高巻きするルートで、ちょっとだけ高度感もあります。

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つっても優しい道。常念は中学生の集団登山でも登られる山なんで危険は少ないです。胸突八丁を越えると、稜線が近くなります。

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2250m地点に最終水場。安曇野の天然水超美味い。一ノ沢ルートはずっと沢沿いに登るので水には困りません。

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ここまで来れば小屋まではあとわずか。でもシャリバテ気味でスピード上がらず。何か食べたいけど小屋までは我慢しよう。

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最終水場のすぐ横にベンチがあって、「あと500m」の看板。

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そして常念乗越に到着すると目に飛び込んでくるこの絶景。槍ヶ岳から大キレットを経て穂高連峰まで良く見えました。

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左手には常念主稜が大きい。ここまでで行程の大体三分の2です。パンとおにぎりでエネルギー補給したら山頂アタック開始です。

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あっという間に小さくなる常念小屋。


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中腹まで登ると奥の方にピークが見えた。

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あと少し。

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10時ちょうどに登頂しました。登山口から3時間で登ってきました。まあまあかな。

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山頂からも絶景だけど、ややガスが出てきた。

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北アの奥の方。鷲羽・水晶はいつか行きたいけどルートが悩ましいんだよな。

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蝶が岳方面からガスが上がってきていた。

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山頂は結構混んでいたので早々に下山。常念小屋まで戻ってお昼タイム。テントは10時半の段階でもかなりたくさん張ってあったけど、みんなこんなに早くテント張って何してんだろ?

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一人でテーブル使うのは悪いので、この広場の岩に腰かけてと。

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今回はここでビール飲むのが目的の一つなので、しっかりと保冷して2本担いできた。

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乾杯!居酒屋常念最高すぎ。やや風があったけど美味しく飲めました。あまり腹が減っていなかったので、1本は持ち帰りました。

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さて下山するか。下山面倒だなあ。

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スピード上がらず何人かに追い抜かれましたが、2時間半ほどで下山しました。下界は暑かった。

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駐車場付近から常念。あそこからから歩いてきたと思うとけっこうすごい。

服装・装備など

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今回はスピードハイクかつ気温高めということもあり、トラディショナルなトレランスタイルで登りました。パタゴニア上下。ていうかマラソン勝負服ですね。

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マラソン大会1年以上無いし、おっさんがこの格好は若干恥ずいんで最近着用機会が無かったんですが、せっかくの高級ウエアなんで着ないともったいないし。

アンダーウエアはもちろん股ずれ防止のCW-Xです・・・。

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バックパックはいつものUD。持ち物は水とビールとレインウエアとおにぎりくらいだったんですが、背負うと重量0キログラムになる魔法のザック。まあまあ入るし、最近再評価しています。日帰りは本当にこれで十分。

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セクシー太ももすんません・・・

シューズはイノヴェイトで行きましたが、こいつはもうダメです。グリップが完全に消失していて今回もヤバいくらい滑りました。今後はトレーニング用にします。

まとめ

高速で登るコツを何となく掴みました。ハムとケツ筋に体重を乗せると、あまり心肺に負担を掛けずに登れるような気がする。今回登りは休憩入れて3時間で登頂とまあまあ早かったんですが、下りで走るモチベーションにならなくて結構時間がかかったんで、次は下りも含めてタイムアタックするかな。

40代後半、最近体力的に落ち目感ありますが、まだまだやれるはず!時々はトレーニングで山に登ります。