テント泊用のスリーピングマットとして、クライミットの「スタティックV・ショート」を購入しました。
スリーピングマット選び、すっごい悩みました。調べれば調べるほど沼だった。
あれこれ悩んで、結局ぼくが選んだのは比較的マイナーなクライミットのスタティックV、それもショートサイズでした。今回この選択をするに至った経緯と、スタティックVの使用感などレポします。
数多あるマットの中から、なぜスタティックV・ショートを選んだか
上記エントリでも書きましたが、スリーピングマット選びは本当に大変でした。テントもシュラフも悩んだけど、マットが一番決めるのに時間がかかりました。
マット選びにおける僕の選考基準は次のようなものでした。
- なるべく軽量コンパクトがいいのでエアーマットが欲しい
- クローズドセルとの2枚重ねにしたい
- 可能な限り安い物
エアーマットを買うことはある程度決めていたのですが、とにかく高いし全体的に割引がほとんど無いので具体的なモデルは決めかねていました。マットに2万とかなかなか出せないし。
そして当初はエアーマットだけで考えていたんですが、テント床面の保護・残雪期の使用・パンクへの備え等を考慮した結果、「2枚重ね」がベストだという結論に達し、「フルサイズのクローズドセル+ハーフサイズのエアーマット」の組み合わせで最適解を探すことにしました。
まずは軽量コンパクトなクローズドセルを探す
せっかく軽量コンパクトなエアーマットを使うのに、クローズドセルが大きく重くては意味無いので、こちらもなるべく薄くて軽量なものを探していました。サーマレストのZライトとかニーモのスイッチバックは嵩張り過ぎなので選外。
エバニューのFPマット125が安いしザックの中にも入るしベストかな、と思いましたが、125cmの長さが物足りなくて却下。あと2ブロック足して175cmなら買ってた。
同じくエバニューのトレイルマット180というのが軽そうだけど、やっぱり嵩張りそうだなあ、どうしようかなあ、と悩んでいたら、ウチに昔買ったウレタンマットがあることを思い出しました。
それがこちら。もう15年以上前に嫁さんと白馬岳登山に行ったときに買ったロールマットで、「アルティアック」というメーカーの物。現在は嫁さんが風呂上りにストレッチするときのヨガマットになっていました。かなり薄くて、ロールした状態ではショートサイズのリッジレストクラシックと同じくらいのボリューム。
このマット、凹凸は両面にありますがヘタリもあってクッションは最低限なんですが、薄い分めっちゃ軽いんですよ。150gほどしかありません。嵩張りは多少気になりますが、重さはほとんど誤差の範囲内と言っていいレベル。これで行こう!
38リットルのミウォックに取り付けた状態。本当はマットの外付け嫌なんですが、このザックだとテントシュラフを入れたらロールマットは内部に収納できませんでした。50リットルクラスのザックなら内部収納イケると思います。
ショートサイズのエアーマットから安い物を選ぶ
ベースとなるクローズドセルが決まったので、あとはエアーマットを選びますが、これは正直あまり悩みませんでした。というのも、スタティックVが圧倒的に安かったからです。
スタティックVのショートサイズは、Amazonで6000円以下で買えます。他メーカーのエアーマットは軒並み1万円以上していました。圧倒的に安かった。
価格の安さが決め手になったのは間違い無いんですが、それ以外にも
- 幅が58cmあって快適そう
- 長さも130cmくらいある
- 収納時には350ml缶程度とコンパクト
- 安いから最悪失敗しても諦められる
というような点でも高評価でした。Amazonで購入し、翌日には届きました。ちなみに僕が買ったときは6000円ちょいしましたが、その後すぐに5600円まで値下がりしました。
クライミット スタティックV・ショートの紹介
ということで前置きが長くなりましたが、購入したスタティックVショートの紹介です。まず収納状態は最初の写真のとおり、非常にコンパクトです。500mlのロング缶と同じくらいの大きさ。重さも369gなので、ほぼビール1本余分に持ってく感じ。
収納袋から出すと、当たり前ですがペラペラです。が、70Dあるのでかなりしっかり感のある素材です。簡単にエア漏れしなそうではあります。
ちなみに収納袋内側にリペアキットが入っています。
バルブは2個で、空気入れる用の逆止弁付きと、空気を抜く用です。他社では最近標準装備となりつつあるポンプサックは付いていませんが、クライミットのマットはそれほど厚みが無いので、15回くらい息を吹き込めばパンパンになります。直接口を付けるので衛生的にはちょっとアレですが。
マニュアル的な紙。ふくらみの微調整も一応できます。
膨らませるとこんな感じになります。この有機的なV字形状がスタティックVの特徴です。V字型の谷の部分にエアーをため込んで保温性を確保します。見た目ちょっと気持ち悪いですが、少ないエアー量でクッションと保温性を両立させる意味のあるカタチなんです。
実際寝転んでみると、凄くマットが厚い訳でも無いのに底付き感が無く、快適な寝心地です。自宅で試しに膨らませた際、うちの子供が寝転んだら3秒で寝落ちしましたから、寝心地については折り紙つきです。
マットの表面に薄っすらと網目状の模様が見えると思いますが、これは滑り止めの加工です。サイド部分は少し高くなっているのとこの滑り止め加工で、シュラフが滑って横にズレるのを防いでくれます。よく考えられているなあ。
長さは127cmなので頭と膝から先が出ますが、足元はロールマットで十分です。ロールマットを削っても足元にザックを敷けば問題ないと思われます。
最後にちょっとだけ気になった点。
空気を抜くにはバルブを開けるだけなんですが、やや空気の抜けが悪いです。見た目ペッタンコになるんですが、折りたたんでいくと最後にちょっとだけエアーが残ります。この残りエアーが邪魔して上手に収納できません。畳んでいく際に上手にエアーを抜いてあげなければいけなくて、やや面倒です。それだけが残念。
完ぺきではありませんが、この価格でこれだけの性能なら文句なし。コスパ重視の人にはとてもおすすめできるエアーマットです。