新しい登山靴を買いました。INOV-8(イノヴェイト)の「ロックライト325GTX」というモデルです。2017年モデルなのでデッドストックですね。
inov-8の「ROCLITE」シリーズは、2000年代中ごろから改良を重ねながら現在も継続してラインナップされている人気モデル。「ROC(岩)+LITE(軽さ)」の造語が示すように、ブランドのコンセプトである軽量性を前面に出したシューズです。
本格的なトレッキングシューズではなくどちらかといえばトレラン・ファストハイク用シューズの範疇ですが、ミッドカットでプロテクションも結構しっかりあって、ゴアテックスブーティ内蔵のタフなブーツです。
今回はこのロックライト325をレビューします。
なぜロックライト325GTXを買ったのか
今まで履いていたアディダスがお亡くなりになった
僕の登山靴は残雪期ではゴローS8なんですが、雪が無い時期の登山は、今までアディダスのローカットシューズを履いていました。3年ほど前にアマゾンで5000円程度で買ったと記憶していますが、ゴアテックスで防水だし軽量で履きやすいくせに剛性感もしっかりあって、いつの間にか夏のメインシューズになっていました。穂高連峰も大キレットも白峰三山テント泊もこのアディダスで踏破しました。
そんなお気に入りのアディダスちゃんが、長男と登った7月の穂高連峰でついにダメになってしまいました。負荷に耐えかねたのか、ソールが剥がれちゃいました。溝はまだ残ってるしアッパーも問題ないんですが・・・。
同じようなアディダスをすぐに買おうと探しましたが、5000円という訳にはいかず結構高くて、購入に躊躇しておりました。
ミッドカットの軽量ブーツが欲しくて探す
ローカットのゴアテックスモデルでもよかったんですが、6月の白峰三山では荷物がクソ重い&大門沢の登りが超キツイ中、ローカットのアディダスでは足元の安定性にやや不安を覚えました。
また8月の薬師岳&黒部五郎岳では雨の中、川のようになった登山道をくるぶしまで水に浸かりながら歩いた経験から、やっぱりミッドカットの方がいいかも・・・という思いを強くしたのも事実。(この時は雨予報だったのでゴローで行きました)
なので、次買う靴は軽量スピードハイク系かつゴアテックスで防水のミッドカットタイプがいいな、と思って探しておりました。
他に候補になったモデル
サロモンの「X-ULTRAシリーズ」は第一候補でした。ワイドモデルがラインナップされているし、サイズも30cmがあったし、旧モデルなせいかAmazonで13000円前後で売っていて安いのもありがたい。ただ欲しいと思ったときは30cmが売切れで買えませんでした。
メレルのこのモデルも軽量で良さそうだったんですが、30cmは18000円以上して旨み無し。安くなるのを毎日待っていましたが結局なりませんでした。
カモシカスポーツでスポルティバのウルトララプターを手に取って「これはカッコイイ」とおもって欲しかったけど、やはり値段が2万円近くするのはちょっと高い。ネットでは安くないし・・・。
そんな感じで日々安いシューズを探していたんですが、たまたまノーマークだったイノヴェイトのロックライトシリーズ旧モデルが安く売っているのを発見し、購入に至りました。ヤフーショップで9500円程度と格安でした。
inov-8 ロックライト325GTXについて
例によって前置きが長くなりましたが、ここからはロックライト325GTXの実物をチェックしていきます。
外観チェック
開封の儀。箱から出すと軽さにまず驚く。見た目はゴツイ登山靴風なんですが、手に持つとメチャ軽です。黒×グレーのカラーリングも渋くてカッコイイ。
つま先回りにはハードなプロテクションあり。カカト部は樹脂パーツでX状に保護されています。
ソールはこんな感じ。INOV-8独自の「TRI-C」という3種類の素材を組み合わせたテクニカルソールです。
ほどほどの高さのミッドカット。足入れはとてもしやすく、足首回りのサポートについてもローカットに比べて非常に良好です。
アッパーのメッシュは結構詰まっている感じで、あまり伸縮しません。慣れるまではちょっと硬め&狭く感じます。
カカト上部によくあるテープ的なパーツはありませんが、スニーカー並みに脱ぎ履きしやすいです。足首回りのクッションは厚くて柔らかい優しい素材。
インソールは結構厚めのタイプが付いていました。素のインソールだと前足部にややキツさを感じたのと、カカトのクッションに違和感があったため、スーパーフィートのマラソンレース用をセットすることにしました。最近マラソン大会無いためずっと出番が無かったし。スーパーフィートにしたら、窮屈な感じが無くなりました。
ちなみに靴のサイズは30cmです。僕の足の実寸はソックス履いて29cmくらいなので、つま先にはやや余裕がありますが、ワイズがそれほど広くないシューズなのでこれでジャストです。
実際に履いてみた
2回ほど実際に履いた感想です。蝶ヶ岳登山でシェイクダウン。
この日は荷物も軽くトレランとまでは行かないまでも登りはかなりスピードを上げて行きました。
所々雪があるウエットコンディションでしたが、軽量なシューズで足運びはとても軽快というのが第一印象。とにかく軽くて歩きやすいシューズです。足当たりも柔らかくてスニーカーのようです。
肝心のグリップはというと、概ね良好です。普通の登山道を普通に歩く分には何の問題もありません。登りも、下りも土付きの斜面ならまず安定しています。
ただし、「超絶グリップしてどんなシーンでも全く滑らない」というようなものではありません。濡れた岩や木の根に乗れば普通に滑ります。ロックライトシリーズのキャッチコピーは「GET A GRIP」ですが、過度な過信は禁物です。
どんな登山靴でもそうですが、「滑るかもしれない」歩行は必要です。
アッパーはスニーカーライクなソフトな履き心地ではありますが、ソールはというと、意外にも結構しっかりとした剛性感がありました。あまり靴底からの突き上げを感じません。もっと凹凸をダイレクトに拾う感じだと思っていましたが、ほとんど普通の登山靴のようなしっかり感があります。足元の石や段差をあまり意識せず歩けます。
ただし、本格的な登山靴のようにがっしりとしたソールではありません。ソールは3種類の素材から構成されているのですが、つま先あたりで曲がるようになっています。このせいもあってスニーカーライクな歩きやすさを感じる訳ですが、反面当然重荷を背負っての登山となれば足裏への負荷は高まりますので、その辺は歩きやすさとのトレードオフですね。
シューズ全体としてしっかりとしたプロテクションが施されているので、ラフに歩いて多少岩などにぶつけたりしても痛くなったりはしません。ミッドカットなので足首回りも保護されて安心感あります。慣れないうちはやや足首に窮屈感を感じましたが、履いているうちに慣れました。テント装備でも履きましたが、やはりローカットに比べると足首のグラグラ感が無くなって安定した感じがありますね。
ゴアテックスで防水なので、川に突っ込んでも濡れません。ローカットでは躊躇するくらいの水深でも気にせず歩けるのはいいですね。
まとめ
ということで、ロックライト325GTX大変気に入りました。夏~秋なら多分どんな山でもこれで登れます。
僕のロックライト325GTXは2017年モデルですが、ロックライトシリーズはその後もモデルチェンジしながら現在も継続販売されています。ファストハイク志向の人、軽い履き心地で軽快な足さばきを重視する人には最高の選択肢の一つだと思います。
ロックライト、おすすめですよ。
【追記:ソックスも買った】
ロックライト用にソックスも買い足しました。メリノウールでやや薄手のタイプ。アマゾンで一番安い1400円のDANISH ENDURANCE製。一応デンマークデザインのヨーロッパ製らしい。
ソックスは厚手のウールかトレラン用のクルーソックスしかなかったのでついでに買いました。カモシカスポーツとかモンベルも見たけどどれもスゲー高くて買えなかった。これは色が謎の黄色ですが、メリノウールの肌触りが良いし蒸れなくて快適でした。長持ちしてくれるといいんですが。