MSX3メモ ~マラソン・トレラン・登山のあれこれ~

アルコールを中和するために走るおっさんが登山やマラソンのことをメモするブログ。マンガゲームウイスキーについても語る!

2021年6月25日(金)・26日(土) 南アルプス・白峰三山縦走(農鳥岳・間ノ岳・北岳)の記録 奈良田から入って北岳山荘でテント泊 大門沢の登りは自分史上最高急登に決定!

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6月下旬に南アルプス・白峰三山をテント泊で縦走してきました。

奈良田から入り、農鳥岳・間ノ岳を経て北岳山荘でテン泊、翌日北岳に登り、広河原へ下山してバスで奈良田に戻るルートです。

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北岳に登ったのは2008年以来二度目ですが、白峰三山縦走は初めてです。一般的には二泊三日で歩くルートですが、僕なら一泊で行けるだろうとスケジューリングしました。このコース、広河原から入るか奈良田から入るか、さらに車をどこに停めるか、宿泊地をどこにするかなど選択肢が非常に多く悩みました。

今回準備して調べたこと、そして実際に歩いて感じたことなど詳細に記しましたので、これから登る人の参考になれば幸いです。

どのルートで登るか悩む

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白峰三山縦走でよく紹介されるのは、「広河原から入って北岳周辺の山小屋に一泊、間ノ岳を越えて農鳥小屋か大門沢小屋で一泊、奈良田に下山」という二泊三日の行程。僕は一泊で縦走したいので、初日にある程度距離を稼いでおきたい

登山口をどちらにするか、マイカー規制も絡んで複雑化

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ワンウエイの縦走路なので登山口は2か所あります。また広河原はマイカー規制でバスでないと入れないため、自車の駐車場をどこに設定するかによって複数のプランが想定されます。さらにバス時間の制約があってややこしいんだこれが。

奈良田から広河原(車は奈良田に駐車)

→当初富士登山競走のトレーニングを兼ねて一番キツそうなこのコースを計画しました。が、奈良田まで自宅からめっちゃ遠いし標高差が2200m以上、バス時間の関係で広河原から帰ってくるの大変そう、結局富士登山競走も中止になったしそんな大変な登りする必要無いし、ということでパス。

広河原から奈良田(車は芦安駐車場に駐車)

→モデルコースですが、奈良田に降りてから帰りのバス時間と乗り継ぎが面倒そう。都合3回もバス乗るのも何だかなあ。あと農鳥小屋のテント場はちょっとトイレが心配。2日目の下りが長いのもイヤだ。

広河原から奈良田(車は奈良田に駐車)

奈良田に車停めて、バスで広河原に乗り入れますが、平日ダイヤだと広河原に着くのが9時半と出発が遅くなるので却下。7/17以降の夏ダイヤなら、バス1回乗車で済むし帰りのバス時間を心配しなくていいからこれがベストかも。

広河原から広河原(車は芦安駐車場に駐車)

→初日に北岳山荘で荷物をデポして農鳥岳まで往復する計画。コースタイム的には可能。ただ同じ道を往復するのは無駄っぽいのでイヤだということで無し。

奈良田から広河原(車は奈良田に駐車)⇒決定

→バス時間、トイレなど諸々考慮した結果、一周回って結局このルートにした。やっぱり北岳山荘を利用したい。北岳に近いし帰りも楽だしトイレきれいそうだし。

 

これから登る人は、山梨交通の南アルプス登山バスの時刻表を熟読して計画しましょう。特に奈良田~広河原間は7/17の夏ダイヤが始まるまではかなり制限されます。

yamanashikotsu.co.jp

広河原から入る場合、車は芦安駐車場に駐車してバスか、乗り合いタクシーで随時出発が早い方を選べます。ちなみに夜叉神峠まで車で行けますが、芦安駐車場に停めたほうが何かと楽そうです。奈良田は乗り合いタクシーが無いのも不便でした。 

 

ルート・コースタイムなど

最終的に、今回僕が歩いたルートは以下。

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  • 出発時刻/高度: 06:05 / 930m
  • 到着時刻/高度: 11:40 / 1532m
  • 合計時間: 29時間34分
  • 合計距離: 25.63km
  • 最高点の標高: 3169m
  • 最低点の標高: 923m
  • 累積標高(上り): 3171m
  • 累積標高(下り): 2575m

累積標高(登り)何と3171m!

奈良田から稜線に出るまでだけで標高差2000m近くあります。日本2位(北岳)と3位(間ノ岳)の山を巡る縦走路だけに、標高差も半端ない。とにかく一日目が目茶苦茶キツかったです!体力の無い人にはお勧めしません。

奈良田までのアクセス・駐車場について

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奈良田から入山すると決めて、次は駐車場とバスについて。奈良田の駐車事情など、いくつか大事なことを記録します。

  • 高速インター(中部横断道・中富または下部温泉早川)降りてから奈良田までの約40キロの間、コンビニなど一切無いので注意。食料は事前準備必須です。僕はコンビニで朝食昼食用意する予定だったので焦った。結局プロテインバーとお菓子で凌いだ。
  • そのコンビニの無い奈良田までの川沿いの道を1時間弱延々と山道を走ることになる。道は悪くないが奈良田は非常に遠いです・・・。
  • 奈良田の集落を過ぎ、橋を渡って第一発電所・開運隧道(トンネル)手前を左に100mほど入った大門沢ゲート横に約5台分の駐車スペースあり。登山口もその先。奈良田から登る場合ここに何としても停めたい。ここが一杯になると次はバス道路の路肩に数台停められる。そこも一杯なら2キロほど手前の奈良田駐車場を利用することになる。奈良田駐車場からゲートまでは20~30分の車道歩き。
  • 奈良田駐車場はこの時期第一が路肩に30台ほど、混雑期は少し進んだ河川敷に150台。広河原にバスで向かう場合駐車場はここでいい
  • トンネル前の第一発電所駐車場がいい所にあるけど関係者以外駐車禁止。
  • 広河原下山後、奈良田行のバスは14時30分発が最早。早く下山すると待ち時間が長い。周辺に何も無いのでやることも無い。芦安駐車場行きと違って乗り合いタクシーも無いのでひたすらバスを待つしかない。
  • 第一発電所で下車するとゲート横駐車場まですぐ。ちなみに広河原~奈良田間は登山者より釣り客が多い。途中で釣り客が一杯乗ってきて満席になった。

登る前に心配だったこと

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アクセスも心配だったんだけど、広河原スタートと比べて奈良田スタートはあまり登っている人がいなくて、ヤマレコ等の記録も少なく過剰に心配になりました。

  • 大門沢ルートを登るのがとにかく心配。登りの道がわかりにくいらしい。
  • 増水していたら渡渉はできるんだろうか?
  • 靴はトレランシューズで大丈夫か?
  • コースタイム14時間を巻いて、テント装備で北岳山荘に辿り着けるか?

こんなことを考えながら、出発前は胸が苦しくなるほどでした。まあ登山前はいつも不安になるんですけどね。実際には、行ってみたら心配していた序盤の渡渉なんてのはどうってことなくて、その後の鬼急登が大変だったんですけどね。 

登山の様子

前置きが非常に長くなりましたが、ここからは実際の登山の様子を写真で振り返ります。実は大門沢下降点以前の写真が何故かデジカメに記録されておらず、他所から拝借した写真を使わせてもらっています。

1日目前半その1:ゲート~登山口~大門沢小屋

駐車場のある大門沢ゲートを越え、登山口までは工事中の林道を進む。登山口に入って吊橋を渡り、大きな河原に出たところで最初の渡渉地点らしいが、水量が多く渡渉場所がわからない。ピンクテープもあるけどどう見ても靴を濡らさないと渡れない。仕方なくすぐ上部に架かる陸橋を渡る。通行禁止の柵があるがすり抜けた。本来なら渡渉地点に橋があるべきだと思うが、無いなら素直に陸橋を使わせるべき。ここが一番わかりにくかった。

その後も揺れる吊り橋や「大丈夫か?」という丸太橋で沢を何度も横切りながら登る。昨年閉山していたためかあまり整備されておらず、登山道が分かりづらい。ぼーっと歩いていると登山道を見失う。何度か登山道から外れて10分ロス。ピンクリボンはしっかりしているので、注意しながら踏み跡をたどる。熊が出そうで怖かった。

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2本目の吊橋。すげえ揺れて怖い。

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何度も渡渉する。信頼のおけなそうな丸太を渡ったり。

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朽ちかけて傾いている丸太橋だったり。でもこの写真ほどおっかなくは無いです。むしろ道が明瞭ではなく知らないうちに登山道を外れている事があってそこそこ難儀した。

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コースタイムを大幅短縮して2時間20分ほどで大門沢小屋着。ここまで来れば安心だと思っていました。

1日目前半その2:大門沢小屋~大門沢下降点

大門沢小屋はまだ営業していなかった。避難小屋は開放されていて、中にビールやジュースの箱が大量に積んであった。ここまで来れば渡渉・道迷いの心配は無くなるが、この先は急斜面のキツイ登り。稜線まで標高差約1100m、嫌になるくらい長くてキツイ登りの始まり。ここから稜線まででコースタイム4時間、急いで登っても3時間はかかる。覚悟して行ってください。 

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小屋過ぎてからいきなり急登。その急登が延々と続く。大門沢小屋が標高1750mくらいで稜線が2800m位だから、標高差1000mの急登。ここは本当にキツかった。

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なんも景色が見えないし、ひたすら樹林帯の九十九折を下向いて歯を食いしばって登る。こんな感じのダケカンバが見えてきたら、終わりが近い。

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更に登ってハイマツ帯に来た。ここまでハイペースで登ってきたが、もう脚は限界です。飛ばし過ぎた。

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やっとのことで大門沢下降点に到着。歩き始めてからここまですでに5時間半経過しています。しかもずっと急登。長かったけどここまで登ればそこはもう標高2800m、農鳥岳の肩です。景色も開けて一気にアルペンムードが高まる。

1日目後半:下降点~農鳥岳~間ノ岳~北岳山荘

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しかしここからまだ先は長い。右に見えるのは農鳥岳ではありません。あと2ピークくらい先です。でもここまでの登りに比べれば屁みたいなもんです。疲れ切って棒のようになった脚に鞭打って歩きます。

f:id:msx3:20210625115555j:plain道は農鳥オヤジがしっかりとペンキマーク付けてくれてあるので迷いません。しかし標高が高いせいか息が上がる。荷物も重くて辛い。

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農鳥岳登頂。本日1座目の3000m峰です。そして今年初か。今思えばまだ余裕があったのでセルフィーをキメました。この頃からかなりガスが湧いてきました。

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農鳥岳西面のお花畑。ガスの中でも綺麗でした。

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農鳥岳から40分も歩いて西農鳥岳登頂。すぐ隣にあると思うじゃんね?この辺から「山と山の間が遠い」ことを実感します。(登山中ずーっと実感してました。)ちなみに農鳥岳より標高が高いです。この辺から雨が降り出したので、カッパ装備しました。

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西農鳥岳から降るときガスが晴れて、農鳥小屋が見えました。が遥か遠くで挫ける。

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予定より1時間以上遅れて農鳥小屋着。テントはゼロでしたが小屋からはラジオの音が聞こえてきました。農鳥オヤジは現役で頑張っているようです。疲弊しきっていてここに泊まりたいくらいですが、オヤジが怖いのですぐに離脱しました。

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さて、間ノ岳への登りです。農鳥岳との鞍部からゆっくりと登ってきました。振り返って農鳥小屋が小さく見えます。間ノ岳は日本第3位の標高3190mです。奥穂と同じです。立派で大きな山ですが、農鳥小屋から登る分にはそれほど急斜面はありませんでした。ここが急登だったらマジやばかった。

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それほど辛さを感じずに登れる登山道で助かりました。それでもやっぱり長大な南アルプスを実感できるスケールの大きな登山道です。山と山の間が長いんだこれが。

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山頂手前に雪田。雨は降ったりやんだりでしたが、心配していた雷はありませんでした。こんなところで雷雲に遭遇したら死んじゃいますからね。

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何とか間ノ岳をやっつけました。間ノ岳は本日のラスボスですから、これで登り終了!あとは降るだけ!ルンルン♪って思っていました。

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北岳山荘見えるかな?って見渡してみたけど無い。(ガスってるけど)道標見たら北岳山荘まで2.6キロもあった。あと1時間はかかる・・・。疲れた。

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間ノ岳から北岳山荘までも「もう勘弁して」ってくらい長い。這うようにして進む。道は悪くないけど腰が痛いし、ふくらはぎもキツイ。腰痛が快適な歩行を妨げている感じ。

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全然下りにならねえなあ?と思っていたら、まさかのもう一座3000m峰がありました。中白根山です。ここも剣岳より高いんだぜ?そしてこの辺で少し明るくなって、ガスが晴れてきました。

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おおお!ついに北岳山荘が見えました。遠くに見えるけど、あれくらい今までの道のりを考えればたいしたことないはず。疲れ切っていて途中から「早く休みたい」しか考えていなかったので心から嬉しかったですね。北岳もでっかい!

1日目テント泊:北岳山荘

予定よりだいぶ遅れて午後4時前に北岳山荘到着。結局10時間近く歩き通しでした。苦しい歩きを終えてのスーパーリラックスタイムの始まり。このために登ってきたんだよ。

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北岳山荘は著名な建築家の黒川紀章氏がデザインした近代的な山小屋。確かにオシャレな気がする。トイレの綺麗さに期待して宿泊地に選んだ(テントだけど)。入口横には無料の水道があってありがたかった。2リッター400円得した気分。標高は2900mあります。

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今日の寝床。三方を囲まれたプライベート感ある場所を確保できた。

北岳山荘は今シーズンはテント場も含めて完全予約制となります。テントは1名1100円です。ちなみに北岳肩の小屋や農鳥小屋はネット予約非対応。

南ぷすリザーブ

予約しないで来ると、その場でスマホ等から予約をしなければいけないらしい。登山の場合天候や不意のトラブルで予定通り進めないことはざらなんですが、完全予約システムは対応できるんだろうか?

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こちらが北岳山荘のテント場。小屋の南側にまあまあ広めのスペース。晴れていれば富士山が良く見えます。この日は20組くらいいたかな?最盛期に比べればまだまだ余裕がありました。ここ以外にも一段下がった西側にも張れる。

トイレは仮設が2基。いずれも和式の簡易水洗。テン場すぐ横に北岳公衆トイレというチップ制のバイオトイレがあるけど、シャッターが下りていて使えなかった。仮設もきれいだけど、思っていたのと違ってちょっと残念・・・。トイレは宿泊条件として重要なのだよ。ちなみに山荘内のトイレにも侵入したけど、洋式タイプは全て封鎖されていました。コロナのせいか。

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テン場にも雪だまりが残っていたので、持ってきたビールを冷やすことができた。ビール2本、梅酒飲んで荷物を軽くする。かなり疲れていたので、アルファ米と豚の角煮で糖質・タンパク質を補給して疲労回復を図った。夜8時頃就寝。夜中に雨が少し降ったようだ。星は見えなかった。

2日目前半:北岳山荘~北岳 キタダケソウと北岳登頂

2日目は昨日大変だった分イージーです。トラバースルートでキタダケソウの大群生を愛でて、吊尾根から北岳山頂アタックします。

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4時に起きて日の出を見ようと思ったけど、二度寝して5時過ぎに起床。晴れていて富士山も見えた。

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ゆっくり7時過ぎに出発予定だったけど、午後から天気が崩れる予報だったのと、ガスがどんどん湧いてきていたので早めに出発。北岳がきれいで大きい。

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振り返ると間ノ岳方面もよく見えた。やっぱり晴れていると綺麗。

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さようなら北岳山荘。また来ます。

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山荘からはトラバース道を進む。

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キタダケソウが咲いていました。見られるのはこの時期この場所だけという貴重な高山植物。花に興味が無い僕でもなんか嬉しい。

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いっぱい咲いていました。この時期北岳に登る登山者の多くはこの花を見るのを目的の一つにしています。

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北岳でもこのトラバースルート周辺のみに群生しています。最近はシカに食べられてしまう被害が多いらしい。

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キタダケソウも見たし、吊尾根から山頂に向かいます。

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吊尾根にもキタダケソウ少し咲いていました。

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山頂直下は割と険しいです。北アルプスっぽい。

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奥に見えるのがピークです。ゆっくり登ります。

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本日ラスト登り。山頂へのビクトリーロードです。

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北岳3193m登頂しました。富士山に次いで日本第2位の高峰。

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白峰三山ピクったぜ!(ピクったが頭から離れない)

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歩いてきた白峰三山の縦走路。長かったなあ。

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山頂には15分ほど滞在して写真撮ったりしましたが、西側からガスが猛烈に湧いてきたので下山します。山頂では晴れていてよかった。

2日目後半:北岳~肩の小屋~草すべり~広河原

北岳山頂から戻って八本歯のコル方面から下山するか、そのまま進んで肩の小屋方面に降りるかですが、八本歯のコル方面は残雪の心配があるので肩の小屋まわりで下山することに。

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山頂から一気に下ってきました。肩の小屋が見えてきた。

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肩の小屋。いいロケーションにありますね。

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テン場。2008年にここでキャンプしました。朝焼け夕焼けがきれいだった。トイレも新しくてきれいそうでした。次北岳来るときはここに泊まろう。

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二俣方面との分岐。ここから草すべりルートを下山します。朝広河原に着いた登山者とたくさんすれ違いました。土曜日の北岳は混んでた。

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かなり急斜面です。登りは大変そう。

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白根御池小屋まで一気に下る。広河原から北岳は標高差1700mあるからやっぱりキツイ登りになるんですね。

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白根御池小屋。まだ新しくてすごくきれいな山小屋でした。売店の類は無いっぽかった。

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広河原までの樹林帯を下る。ここもかなり急斜面だった。

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広河原山荘に無事下山しました。ランチ営業していたら何か食べたいと思ったけど、やっていないようでした。

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12時前には広河原到着しました。広河原インフォメーションセンターでは開山祭をやったようでした。

下山後~バスで奈良田へ移動、温泉

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乗り合いタクシーでもいるかな?と思ったけど、芦安行のジャンボタクシーのみ。奈良田行は14時半まで待つことになります。やっぱりか。

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広河原インフォメーションセンターにはジュースの自販機があるだけで、食事処もビールすらありません。仕方なく最後の食料であるラーメンを作ってお昼にしました。その後1時間以上時間をつぶして、バスで奈良田まで戻りました。バス乗客は広河原からは3名でしたが、途中釣り客がいっぱい乗ってきて最終的にバスは満員になりました。

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奈良田で車回収して、奈良田温泉女帝の湯で温泉。550円でさっぱり。

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しかしこの奈良田という集落はものすごい秘境です。金田一少年の事件簿の舞台になりそうなド田舎でした。この後車で3時間近くかけて自宅に戻りました。

 

登山の感想

事前情報から、最序盤の大門沢の渡渉が核心部だと思っていたが、行ってみたらたいしたこと無かった。実際には大門沢小屋から上部の急斜面の登りが最高にキツかった。展望も無いし急だし過去最高に苦しい登りだった。日本三大急登の黒戸尾根より絶対キツイ!大門沢は何か陰鬱としているし長いしキツイしで、もう二度と登りたくない登山道だった。

その大門沢の登りで二日分の体力を使い果たし、稜線に出て以降も歩くのが辛かった。農鳥岳・西農鳥岳・農鳥小屋・間ノ岳・中白根山と適度な間隔でランドマークがあるが、予想以上に距離があるし、アップダウンもきつかった。ガスっていて展望もあまりなかったし。小雨には降られたけど雷がなかったのは不幸中の幸い。稜線ではコースタイムもほとんど短縮できなかったと思う。ずっと「早く休みたい」ばっかり考えて歩いていたので、宿泊地の北岳山荘が見えた時は心の底から嬉しかった。

それにしても、バス運行初日だというのに同じルートでは登山者1名追い抜いただけで他に誰も歩いていなかった。農鳥岳人気無いのね。それに比べて、北岳山荘からは一気に人が増えた。山荘も混雑しているようだった。キタダケソウの開花時期ということもあり、北岳周辺には大勢の登山者がいた。

花には全く興味ないけど、キタダケソウはじめ高山植物はすごく綺麗だった。いいカメラ持って行ってマクロで撮りたいと思った。

北岳からの下りは思ったより急だった。一日目がハードだったので2日目はおまけ程度に考えていたけど、広河原まで標高差1700m位あるし、やっぱり日本第2位の高峰だからスケールがデカい。ガスっていてバットレスなど南側からの北岳は見えなかったのは残念だった。

白峰三山縦走は想像していたよりかなりハードだったけど、その分達成感があった。北岳には広河原からまた登りたい。農鳥岳は、しばらくいいかな・・・。

このルート歩いてみて印象に残ったのはとにかく大門沢の登りがきついことです。僕はテント装備だったこともあるけど、ある程度体力に自身がある人向けだと思います。この登りが自分史上最高急登に決定しました。

楽したい人は、奈良田に車停めて、バスで広河原行って肩の小屋あたりで一泊、翌日早立ちして奈良田に下山のほうがいいと思います。

おまけ:オスプレーのクレセント65

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前回グレゴリーだとパンパンすぎて使いにくかったので、久しぶりにオスプレーのクレセント65を引っ張り出してきて使いました。20年前に買ったザックですが、一部防水が剥離していましたが全然使えました。ちょっと重いのが難点ですが、やっぱり余裕ある容量だとパッキングが楽でいいですね。マットも中に収納しました。このザックは小型のデイっていうサブザックを外付けしてさらに容量アップできるので、今後も積極的に使っていきたいです。