八ヶ岳南部の主稜を巡るコースを歩いてきました。トレランのトレーニングも兼ねて、例によって荷物を軽くしたスピードハイクです。
八ヶ岳は3年前にも登っています。その時は10月で雪が降ったのでびびりました。
八ヶ岳の中でもこの赤岳を含む南八ヶ岳核心部は、コンパクトな山域の中に稜線歩き、お花畑、鎖場などのスリリングな通過など登山の楽しみが凝縮されていて、短い工程で非常に充実した登山ができるため僕の好きなエリアです。コンパクトな北アルプスみたいな感覚。家からもそこそこ近いので、過去5回位八ヶ岳に登っています。
今回の登山では、数日前まで西日本に甚大な被害をもたらした集中豪雨があったので登山道の様子が心配でしたが、歩きやすく整備されていて問題ありませんでした。また高山植物が多く咲き誇っていて、コマクサの大群生にも出会えました。
記録関係
まずはヤマレコで翌日作った山行記録です。
ヤマレコで作った地図。ヤマレコすごいですね。山行記録が簡単に作れます。
こちらはスントの記録です。
まとめると、こうなりました。
- 歩行時間…約8時間
- 歩行距離…22.7km
- 上昇/下降…1676/1773m
- 累積標高…3,449m
- 歩数…45000歩位
- 消費カロリー…3440kcal
今回もなかなかタフな山行でした。
山行記録
当日朝4時30分に起きるつもりが寝坊して5時30分起床、6時出発でした。安曇野市の自宅から登山口の美濃戸まで高速使っても1時間半位かかりました。装備を整えて出発が7時37分。天気は晴れでとても暑いです。
こちらの赤岳山荘駐車場は1日1000円です。平日なので空いていました。
駐車場から5分ほど林道を進むと分岐があります。行者小屋・赤岳方面は南沢、赤岳鉱泉・硫黄岳方面は北沢ルートです。僕は行者小屋を目指すので直進して南沢登山道へ入ります。
しばらくはこのような沢沿いの登山道を進みます。数日前まで豪雨だったので沢の水量は多めです。登山道は沢沿いに付いているため所々水の通り道になっており、靴が濡れます。ゴアテックスなど防水性のあるシューズがあった方がいいでしょう。
沢沿いの登山道をしばらく登り、やや平坦な樹林帯の登山道となります。この辺は苔むした神秘的な雰囲気で、もののけ姫がいそう。写真映えのする風景が広がっています。
1時間ほどで、広めの河原に出ます。ここら辺から目指す赤岳などの主稜線が見えてきます。
8時53分行者小屋到着。ここまで1時間20分ほどかかりました。ここまでは豊富に水が出ているので水道はタダです。顔を洗わせてもらい、休憩せず出発します。
目指す赤岳と阿弥陀岳方面。やや雲が多いですが、天気は良くて気温も高めでした。
阿弥陀岳への登山道は静かです。文三郎尾根を登って直接赤岳を目指す登山者が圧倒的に多いと思いますが、阿弥陀岳は速い人なら1時間かからず寄り道できるし、山頂からの赤岳方面の眺めもいいので、余裕があれば登っておくのがおすすめです。
樹林帯の中を20分ほど登ると、森林限界を超えて稜線が見えてきます。この辺からアブの大群に纏わりつかれて難儀しました。刺してくるので注意です。防止で追い払いながら登りましたが、ストレス半端ない。
9時30分頃中岳のコルに到着。行者小屋から30分位でした。
アブが写っていますね。これから登る阿弥陀岳を仰ぎ見ます。写真で見るとなだらかに見えますが、実際には急な登山道です。
出だしから、結構急な角度の岩場があります。
今までの樹林帯から一転して鎖場でちょっと驚きますが、鎖や手掛かり足がかりの岩もしっかりしているし、距離は短いのでゆっくり登れば問題ありません。
9時40分阿弥陀岳登頂。分岐からは10分ほどで登って来れました。静かな山頂です。ここでもアブが邪魔してきます。
赤岳方面を見ると、南側からガスが湧いてきました。横岳はすでにガスの中です。
写真を撮っている数分の間に、阿弥陀岳山頂もガスが迫ってきました。早々に下山することにします。
コルまで下り、そのまま中岳へと登ります。ここから長い稜線歩きとなります。
中岳からの下り斜面だったと思いますが、コマクサが咲いていました。
赤岳はすっかりガスに隠れてしまいました。
赤岳へと続くつづら折りの登山道。赤い岩のガレ場で、歩きやすいですが長くて嫌になります。
振り返って阿弥陀岳方面。
10時20分に文三郎尾根との合流地点に到着。ここから直進して正面の岩場に取り付くのが正しいルートですが、間違えて右手の真教寺尾根方面に進んでしまいました。
今回も山と高原地図アプリ版を使いましたが、歩いたルートが地図と微妙に違うなあ。とにかく、長い鎖場を右手から巻いて登るような形になりました。
山頂直下はすっかりガスの中に入りました。鎖や梯子が次々出てくる登山道ですが、足場はしっかりしています。
岩場に不慣れな人はちょっと怖いかもしれませんが、見た目ほど危険な所はありません。ガスってると高度感も無いです。
頂上直下のこのナイフリッジを左手(行者小屋方面)から巻きます。左手は切れ落ちていて高度感があります。
10時50分頃、無事赤岳登頂しました。分岐からはあまり登りの苦しさを感じずに高度を上げることができました。赤岳の岩場は時間を忘れて登れる楽しさがありますね。
山頂には祠がたくさん。登山者も3組ほどいましたが、ガスで展望が無いので皆あまり長居はしていないようでした。僕も写真を撮ったり、ザックの中身を確認したりして20分くらい休憩したと思いますが、景色は良くならないようなので出発します。
赤岳頂上山荘。狭い山頂付近にへばりつくように建っています。一度泊まってみたい。
横岳方面へ下山します。
赤岳の肩にある赤岳展望荘です。頂上山荘に比べて大きな山小屋です。
地蔵尾根分岐。前回来た時はここから上がってきました。
赤岳を過ぎれば快適な稜線漫歩と思っていましたが、道は結構険しいです。右も左も切れ落ちていて高度感があります。鎖や梯子も次々出てきます。油断は禁物。
スリリングな岩場の通過の中で、斜面に咲き誇る高山植物の可憐さに癒されました。非日常を強く感じる景色ですね。
ガスの中を歩いていきます。
いくつか小ピークを越えて・・・、あれかな?
12時6分、無事横岳(奥の院)に到着。結構怖かったなー。
横岳は奥の院が最高地点らしいです。横長の山です。
山頂は細長くて狭いです。そして相変わらずのガス。足元は切れ落ちていますので落っこちないよう注意が必要。
ここから横岳直下の特徴的な岩峰「大同心・小同心」がよく見えるはずですが、ガスのせいでうっすらとしか見えませんでした。
さて、休憩もそこそこに本日最後の山硫黄岳に向かいましょう。
この鎖場で危険な個所は終了でした。
振り返ると、ガスの中に大同心の岩峰。
少し歩くと、登山道が急激になだらかになります。そして何やらロープがたくさん。何だろう?と思って近づくと・・・
コマクサの大群生地でした!
美しい…。まさに高山植物の女王。地味な高山植物の中で派手さを主張してますね。
しかし、すごい数のコマクサです。そこら中に咲いてます。
丁度コマクサ満開の時期だったんですね。砂礫の中に咲くたくさんのコマクサ、高山の神秘です。思わず写真撮りまくってしまいました。
コマクサのお花畑は硫黄岳山荘まで続いていました。硫黄岳山荘の裏手にもお花畑が広がっています。貴重な高山植物を大事に管理されている関係者の方々に敬意を表します。
さて、硫黄岳に向かいましょう。横岳までの岩っぽさはなく、安全な登山道です。
硫黄岳登山道を少し登って後ろを振り返ると、ガスが少し腫れて大同心と横岳山頂が見えました。鬼の角っぽい。
道しるべのケルンをたどって、硫黄岳まで本日最後の登りです。
午後1時、硫黄岳に登頂。ここまで約6時間かかりました。疲れたー。
奇跡的にガスが晴れて、今日歩いてきた道のりが見渡せました。
硫黄岳山頂奥には有名な爆裂火口跡があるのですが、ガスでよく見えませんでした。
硫黄岳の山頂は学校のグランド位広いです。どこで休憩するか悩む。
とりあえず、これで登りは終了なので、昼食休憩にしましょう。運んできたビールで乾杯です。人肌でややぬるくて美味しくなかったのが残念ですが、儀式ですから。
おにぎり食べたりして30分ほど休憩しました。名残惜しいですが下山にかかります。
赤岳鉱泉への下り。すぐに樹林帯に入ります。
赤岳鉱泉着。硫黄岳山頂から50分もかかりました。もう疲れた。
赤岳鉱泉から晴れていれば八ヶ岳の稜線がよく見えるのですが、厚いガスに覆われていて見えませんでした。小屋はスルーして下山します。
この下山が長いんだ。途中から林道になりますが、ごつごつしていて走れる感じでも無いです。ていうか疲れていてとても走る元気ない。
麓の方は雰囲気の良い森林です。いいカメラでじっくり撮影したいところですが、早く帰りたい気持ちの方が強い。
午後3時30分頃、やっとこさ駐車場まで戻ってきました。
車付近に大量のアブがいて、なん十匹も車に止まったりブンブン飛んでいて超恐怖でした。どうしようもないので小屋の人に助けを求めたんですが、助けてくれませんでした。仕方ないので決死の覚悟で車に乗り込み、猛スピードで車を出してアブを追い払いました。あぶねー駐車場だ。この時期アブの大量発生に要注意です。
服装・持ち物など
この日の服装はpatagoniaキャプリーンTシャツに、ストライダー・プロ・ショーツ。寒さ対策にCW-Xを履いていきましたが、それほど寒くなかったのでなくても良かった。
相変わらずカメラはデカくて重い50Dで、フォーカスのナナメ掛けで行きましたが、正直邪魔だった。速く小さいカメラ買わなきゃ。
フォーカスは便利だけども、重いカメラはうんざり・・・
今日の全荷物。前日にヤフオクで落札したpatagoniaのオールフリージャケットを防寒着として持ってきましたが、そこまで寒くなく出番なしでした。重いのはカメラと水、ビール位でしょうか。ザックはラプター10です。フロントにグレゴリーのクイックポケットを付けて、そこにスマホやらお菓子やらを入れました。
今回もスント大活躍でした。なぜかスマホがGPSちっとも掴んでくれなくて、山と高原地図のルート記憶がしばらく使えなかったため、今回のGPSログもsunntoから取っています。
事前にルート取り込んで簡易ナビ機能使ってみましたが、指定したポイントに近づくと「あと100m」とか表示してくれて結構便利でした。ルート登録が超めんどくさいのが難点。
シューズは少し前にAmazonで5000円位で買ったアディダスのゴアテックスシューズ。初の山使用でしたがとても快適でした。プロテクターも頑丈だし、沢でも濡れなくてゴアテックスやっぱり便利ですね。
自作ジェルも持参。今回は缶コーヒーで割ってコーヒージェルにしましたが、とても美味しかった。
まとめ
今回もコースタイムの半分くらいのスピードで歩くことができました。この位の速さで歩けると、一泊でしか行けない山も日帰りで行けるので選択肢が広がります。
夏場は長距離ランニングができないので、1ヶ月に1度くらいは登山でトレーニングしたいと思います。9月の白馬国際トレイルランまでにあと3回くらい登っておきたい。