MSX3メモ ~マラソン・トレラン・登山のあれこれ~

アルコールを中和するために走るおっさんが登山やマラソンのことをメモするブログ。マンガゲームウイスキーについても語る!

2019年8月27日 槍穂高連峰の絶好の展望台 常念岳から蝶ヶ岳縦走 三股から日帰り

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我が家から一番近い北アルプスであり、安曇野のシンボル常念岳と、蝶の雪形で有名な蝶ヶ岳に登ってきました。例によってトレーニングを兼ねた日帰りスピードハイクです。常念岳は過去に何度も登っていますが、三股からは初めてです。

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登ったのはこの辺。右の綺麗な三角が常念岳です。わが心の故郷です。

登山口の三股は自宅から40分位で行けるので、一度は日帰りで行きたいと思っていたコース。三股から常念に登るルートは急登だと聞いてはいましたが、実際登ってみると本当に急登でびっくりでした。でもスピードハイク的には短時間で標高を稼げるので悪くないです。一気に2,000mまで標高を上げる序盤はスピード感あって面白い面もあります。(後半にツケが来ますけど)

ルート、コースタイムなど

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三股駐車場を起点に左回りで三角形を描くルートです。この地図の左側には谷を挟んで槍・穂高連峰が連なっているため、天気が良ければ絶景を見ながらの稜線漫歩が期待できます。

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ヤマレコでコースタイムを積算すると15時間となります。登山口がの三股が標高1287mとそこまで高くないのと、尾根に出るまでのの激坂が標準コースタイムを長くしていると思われます。僕の能力的にコースタイムの6掛けで歩いたとして、休憩入れて9時間くらいで帰って来るつもりで計画。

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結果的にはコースタイムの約半分の7.5時間ほどで歩けました。三股から常念山頂まで3時間、常念から蝶ヶ岳まで2時間半、蝶ヶ岳から三俣まで2時間で歩行7時間半。距離約20キロでした。前日に10キロのインターバルランをやったのでやや足に疲労感があったことを考えると悪くないですが、後半バテてスピード上げらんなかったのが悔しいですね。まあこれは個人的なこだわりみたいなもので、いかに早く歩けるかが最近の僕のモチベーションなんで一般の方からすればアホらしい話ですね。

山行の様子を写真で振り返る

ここからは当日の写真です。スマホとアクションカムで記録しました。

三股駐車場~常念岳 序盤の樹林帯が今日一番の急登

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6時自宅出発、7時登山開始です。三股駐車場は市街地から比較的近く、アスファルトで綺麗に整備された駐車場です。トイレもあります。この日は平日にもかかわらず半分以上埋まっていました。

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駐車場から林道を800m歩いて登山口に到着。登山届はここで提出します。

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登山口入ってすぐ登山道が常念方面と蝶が岳方面の二手に分かれます(三股の由来)。常念ルートの入口にこんな看板が。急坂も辛いですが蝶ヶ岳ルートと違い水場が無いのが厳しい。このルートでは水の補給が終盤の蝶ヶ岳ヒュッテまでできません。必然多めに持って登ることになるので余計に辛い、と。僕は今回3リットル持ちました。

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登山道はいきなり急斜面に取り付いて登っていきます。一応ジグザグに登りますが、斜面がかなり急なので直登している気分です。このセクションで一気に2000mまで標高を上げます。まだ体も慣れていない所に激坂なのでキツイですが、ぐんぐん標高を上げていく感じがスピードハイクらしくて気持ちよくもあります。

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尾根に出ると森林限界を超えて一気に見晴らしがよくなり、斜度もゆるやかになります。天気は曇りで気温はそこまで高くありません。尾根では風が冷たいのでフーディニを着用しました。

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足元はこれまでと打って変わって大岩の連続する歩きにくい道となります。一応ペンキマークがありますが結構かすれていました。適当に岩の上を歩いてもいいんですが、浮石もそれなりにあるので転倒注意です。

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前常念岳頂上直下には2時間ほどで到着。赤い屋根の避難小屋があります。かつて地元の有志が積んだ石積みが現存しています。

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中を覗いてみると、思ったよりちゃんとした部屋でびっくり。コンパネも敷いてあるので十分実用に耐えますね。

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小屋のすぐ上が前常念岳の山頂でした。松本平から見えるきれいな常念の三角ピークはこの前常念岳です。

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主峰は奥に鎮座しています。前常念から常念岳頂上までは気持ちのいい稜線漫歩です。

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常念乗越からの登山道と合流して、常念岳へ最後の登り。これまではすれ違う登山者も少ない登山道でしたが、常念小屋のある乗越からのルートは登山客が多かったですね。

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常念岳頂上には9時50分到着。2時間50分位で登って来れました。

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やや曇っていましたが、周辺の山はきれいに見えました。槍・穂高連峰がきれいに見えます。そういえば今年初の槍穂高かな?

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表銀座通りの大天井・燕岳方面。奥に立山や北アルプスの奥の方の山々もはっきり見えました。

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槍ヶ岳もはっきりと見えます。しかし槍ヶ岳はいつ見ても圧倒的にカッコいいですね。

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左から奥穂高岳・涸沢岳・北穂高岳・大キレット・南岳。大キレットは今年何とか行きたいんですが。写真だと伝わりませんが圧倒的ボリューム感で大迫力。

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常念岳~蝶が岳の縦走路はけっこう厳しい

常念まで3時間で登っていい気分になっていましたが、その後が長かった。常念~蝶の縦走路は右手に槍・穂高連峰を終始見ながらの景色最高の稜線ですが、アップダウンが多くて脚に来ます。

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20分ほど景色を満喫して、蝶ヶ岳へ向けて出発します。これから歩く美しい稜線。先は長いです。

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左手には登ってきた前常念岳からの稜線。ガスが東側の松本平から上がってきているようです。

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右手には槍穂高の素晴らしい景色。最高に気持ちのいい稜線歩きなんですが・・・

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フラットな稜線ではありません。常念から一気に200mくらい下って、その先も結構アップダウンが続きます。樹林帯に入ったりもします。

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蝶ヶ岳までに小ピークが3回くらいあります。登り返しがキツイ。最後の方は嫌になってきます。

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蝶が岳で一番目立つ蝶槍。見えているけどなかなか着かない。

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振り返ると常念はガスで半分隠れていました。

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突然、猿がいてびっくり。すぐ近くに来ても逃げません。一生懸命ハイマツの松ぼっくりを食べていました。

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こんなところまで猿の群れがいるんですね。こりゃ雷鳥は生きられない訳だ。今回このルート上でサルの群れを3回くらい見ました。猿の生息域が拡大している気がします。

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蝶槍。常念から1時間50分くらいかかりました。いよいよ疲労が目立ってきました。

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蝶が岳まであと少しです。微妙に登りなのがイヤですが、道は非常にいいです。ちなみに蝶ヶ岳は二重山稜の山で、稜線が二つあります。

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一旦ヒュッテを通り過ぎて、蝶ヶ岳山頂に12時半到着。予定より時間かかりました。槍穂高はまだかろうじて見えています。前半飛ばし過ぎたせいか、蝶が岳に着くころにはかなりの疲労感を感じていました。

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稜線は風が冷たいので、蝶ヶ岳ヒュッテに戻って昼食にします。

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テン場は誰もいませんでした。お盆休み明けのせいか、ルート全体的に空いていました。

お待ちかねのビールタイム、そして下山

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さて、後はのんびり降るだけなので、ここでお昼にします。ビールのために途中から水分制限してきました。背中で温めてきたぬるいビールでしたが、最高でした。途中セブンで買った生ハムとジャイアントコーンもうまかった。

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ビール飲んでたら寒くなってきたので、1時には下山開始しました。

蝶が岳からの下りセクションも非常に急坂ですが、常念方面よりこちらの登山道の方がしっかりと整備されていて歩きやすさは上。

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あらゆる個所に木製の階段を設置してくれてあるので非常に楽でした。やや整備されすぎな感もありますが。

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まめうち平14時5分。下りもほとんど人に会わないので熊が心配で、ポッドキャスト聴きながら歩きました。

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ゴジラみたいな木までくれば残り1キロ。このあと15時に無事下山しました。

一応これまでのまとめ動画を上げておきます。見にくいですがご参考までに。

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装備・服装

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今回の荷物。水場の無いコースなので水分を多めに持ったので結構重かった。水1.5リットル、スポドリ1リットル、ビール500mlで3キロ。あとはカッパ上下と防寒用にダウン、補給食とペーパー、ファーストエイド位でした。全部で5キロ位かな。

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ザックはアルティメイトディレクションのファストパック15。何だかんだよく使っています。 やっぱりスマホ用ポケットが非常に便利です。

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服装は、パタゴニアのキャプリーンTシャツにストライダー・プロ・ショーツ、フーディニは稜線ではずっと着ていました。タイツは履かずにゲイターで行ったんですが、ハイマツに引っかかれて傷になったのでやっぱり長ズボンなりタイツはあった方がいいですね。寒いし。

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今回アクションカムのショルダーハーネスを初めて本格使用してみました。使えない事ないけどやっぱり揺れますね。この中華アクションカムの手振れ補正では登山の揺れですら吸収できないので限界を感じました。やっぱりジンバル無いとダメですね。あと撮影ON/OFFが分かりづらいのもストレスです。モニターが見えないのがどうしようもない。 

まとめ

実は本格的な夏山登山は今年初だったんですが、5月の白馬岳山スキー、6月美ヶ原トレラン、7月富士登山競走(五合目)と山にはそこそこ入っているので脚はできていたはず。が、予想していたよりもタフなコースでかなり疲れました。槍ヶ岳日帰りした時より疲れたかもしれません。健脚の人なら十分日帰り可能ですが、急坂+アップダウンが多く体力的にはかなりきつい部類だと思います。

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僕は日帰りで慌てて歩いてきましたが、途中の山小屋で宿泊してゆっくり歩けばとても素晴らしい山行になると思います。燕岳方面まで足を延ばせばさらに満足度は高いです。「槍・穂高はまだちょっと」と思っているようなビギナーの方にも、危険な箇所も無いし景色最高だしアクセスもいいしおすすめです。

しかし、こんなに素敵な登山に思い立ったその日に行けちゃうってのが安曇野に住んでる人の特権ですね。東京からとかだとこうはいきませんからね。幸せだと思わないと。

次当たりもう少し奥の方に入りたいと考えています。お疲れさまでした。