MSX3メモ ~マラソン・トレラン・登山のあれこれ~

アルコールを中和するために走るおっさんが登山やマラソンのことをメモするブログ。マンガゲームウイスキーについても語る!

2023年7月12日(水) 富士山 須走口から日帰り 20年ぶりの富士登山はとても楽しかった

富士吉田ICから見える富士山

今年は富士山が激混みらしい

富士山に登ってきました。静岡県側の登山口である須走口から日帰り。

富士登山は2004年以来の20年ぶり2回目。前回も須走口からで、ご来光狙いの弾丸登山(夜中出発)でしたが、徹夜での登山はこんなにもキツイのか!と思った記憶だけが残っています。

今年はコロナが終わってインバウンドの戻りもあって、富士山が大変人気なんだそうです。すでに8月まで7合目以上の山小屋は満員で、弾丸登山の人が増えそうで心配、みたいなニュースがあちこちで流れていました。

今夏の富士登山、混雑予想 「ほぼ満室」の山小屋、弾丸登山に懸念 - 産経ニュース

どんくらい混んでいるのか気になるし、7月14日までなら須走口五合目までマイカーで行けるし行くなら今しかない!ということで、日帰り決行することにしました。

富士山のマイカー規制について

www.fujisan-climb.jp

自家用車派にとって、マイカー規制は超重要な問題。

富士山の登山口は4つありますが、山梨県側の富士吉田口、静岡県側の富士宮口はすでにマイカー規制が始まっていて、自家用車をふもとに停めてシャトルバスに乗り換えないといけないが、これは超絶めんどくさい上に費用もかかる(駐車場とバス往復で3200円くらい)。御殿場口はマイカー規制が無い代わりに、コースタイムが長く自宅からも遠い。

そこで今回まだマイカー規制前だった須走口から登ることにしました。

ルート・コースタイムなど

須走口から富士山頂に登り、お鉢巡りして下山という計画。山と高原地図の標準コースタイムは11時間27分ですが、これは一般人向けのかなりゆっくりペースのコースタイムで、登山経験者ならこの80%が標準、健脚者なら60%くらいで行けると思います。※個人の感想です。

僕はそれほど急いで歩いたわけではありませんが、登り4時間、降り2時間くらいで結果的にコースタイムの半分くらいでした。下山がほとんど砂走(砂れきの坂道を走るようにして下る)なので、ここでかなり巻いた感じがあります。早朝出発して夕方までに下山は十分可能で、ご来光にこだわらないのなら富士山は本来日帰りする山ですね。ただ砂走は苦手な人もいるらしいのでみんながみんな早く下山できる訳でも無いので、計画は慎重に。

当日の様子

高速料金を浮かせるため、3時起床して4時前に高速に乗り、2時間半運転して富士吉田まで来ました。ここから見える富士山の美しいこと・・・。

直近の天候はあまりよくなく、前日まで雨風強く今日の登山も心配でしたが、ご覧のとおり雲一つない快晴となりました。心も踊るってもんです。やっぱり登山は晴れてナンボ。山頂は風が強い予報ですが、ここまでは100点満点です。

吉田ルートの夥しい数の山小屋がよく見えました。

富士吉田から30分ほど車を走らせ、富士あざみラインを登り標高2000mの須走口登山口まで来ました。ここは無料駐車場が300台分くらいありますが、僕が到着したときは登山口に近いほうの第2駐車場はほぼ満車状態でした。きれいなトイレもあります。素早く準備して、6時20分頃出発します。高度順応は、まあいいでしょう。

登山道の入り口で協力金1000円を支払い、木札をもらいます。協力金は強制ではないらしいけど、払わないためには強メンタルが必要です。ドケチ的には痛い出費ですが木札も記念になるしまあしゃあないってことで払いました。

須走ルートの特徴として、スタートしてしばらくは樹林の中を登ることがあります。普通の登山道みたいで、富士山ぽくありませんね。2500mくらいまで樹林帯となります。

時折樹林を抜けて富士山が見えるとこの景色。ふもとから見る富士山とは全然違いますが、美しいです。

すぐに6合目到着。山小屋は宿泊可能でした。

振り返ると、山中湖と雲海。樹海っぽいのも見えました。すげえ雄大な景色。

樹林帯を抜けて、7合目の山小屋に到着。ここで小腹がすいたのでおにぎりを補給していたところ、会社の従業員から不在着信に気づく。かけなおすと、体調不良で会社休みたいとのこと・・・。参った。富士山にいて身動き取れないぜ。別の従業員に休日変更を依頼して何とか事なきを得る。対応できてよかった。

気を取り直して登ります。7合目から上は結構斜度がきつい。地面もマグマっぽい黒くて硬い岩の道です。山の上から時折突風が吹き降りてきて、頂上付近の風が心配。

左手に下山道が見えます。砂地の坂道をみんな砂煙上げて降ってくる。富士山は登りと下りが別の道ってのがデフォルトなんですねー。ただ、たまに砂走が嫌なのか登山道を下ってくる人もいました。

見上げると富士山頂上が見える訳ですが、何度見ても飽きないっていうか、あまりにも非日常感ある塊。神々しさを感じるのは日本人だからでしょうか。

7合目過ぎると、このような平坦な急坂を時折登らされるんですがこれが辛い。多分ブルドーザー道だと思いますが、直登って感じでかなりふくらはぎに効きます。柔らかい地面で後ろにズレないように慎重に登る技術が必要。

富士山はあちこちにブルドーザーがいて、「ブロロロロロ!」って無粋なエンジン音を響かせています。他の山ではちょっとありえない光景ですが、これで山頂まで行っちゃうから山小屋とかの費用がそれほど高くないのかも。

本七合目。新6合目とか本8合目とかややこしいのはなんなんでしょうか?

ブルドーザー道きつい!

ここは下山するときの吉田口との分岐。

この本八合目ってところで、吉田ルートと合流します。

吉田ルートと合流するとこの人混み!吉田ルートは混雑すると聞いていましたが、圧倒的な登山者の数に圧倒されました。そしてツアー客の集団がいっぱいいて、すげえスローペースで登っています。先頭のガイドさんに「抜いてもいいもんです?」って聞いたら「もちろん、どんどん抜いてって!」とのことだったので、大勢抜きました。道はそれほど広くないけど、2列くらいでは歩ける幅がありました。

9合目まで来ました。この辺まで来るとかなり傾斜も急で、酸素も薄い感じがして息が切れますねー。

頂上直下の九十九折をヒイヒイ言いながら登ると・・・

吉田口山頂に登頂しました!登山口から3時間40分くらいかかりました。

山頂に着いた瞬間くらいから、山頂全体がガスの中に入ってしまいました。そしてものすごい強風!静岡県側から強烈な南風が吹きつけていて、建物の影にいればいいんですが、少しでも風の通り道に出ると吹き飛ばされそうな勢いです。

山頂の山小屋を過ぎて、須走下山口からちょっと進んだところから、一瞬だけガスが切れて火口と対岸の剣ヶ峰が見えました。(この時も猛烈な風で恐怖しながら撮影しています。)

火口の底も見えたので何とか撮影しました。あまり近づくと落ちそうな恐怖感があって、へっぴり腰で撮影。この後すぐ、またガスに覆われて何も見えなくなってしまいました。

剣ヶ峰まで行こうか随分悩みましたが、風の強さにビビって結局お鉢巡りは断念することにしました。今思えば行こうと思えば行けたような気がしますが、現地では強風すさまじく進めませんでした

山小屋の方に戻ってきて、山頂自販機をチェック。500円くらいと思ったより高く無い。大量の兄ちゃんたちがすげえ勢いで補充していましたね。

小屋の影で風を避けつつ、昼食休憩します。風と雲で気温が低くすげー寒いんですがビール持ってきちゃったので軽量化のために飲んどきます。風が巻いてきてあらゆるものに砂が付着して快適では無かった。

何だかんだ山頂には1時間くらい滞在しましたが、ガスが取れる気配が無いのと、寒くて我慢ならなかったので下山を決定。お鉢巡りはまた次回。

須走下山口から降ります。ちょっと下ればすぐにガスから抜けました。

8合目まで下って吉田口との分岐までくると暑い。係の人が間違えないように吉田と須走を確認していました。音声ガイドもしゃべってた。

この辺から本格的な砂走です。春山の緩んだ雪の斜面を下るときみたいにカカトのキックステップで軽快に下れますが、時折デカい岩が埋まってたりして足を置く場所の確認は必要。御殿場口の大砂走ってところはフカフカらしい。

ずっと砂走で下山してあっという間に下れますが、飽きるしそこそこ疲れる。振り返ると、山頂はガスの中のままでした。

ここで砂走は終わり。つま先痛かったので助かる。

30分ほど普通の登山道を歩いて、登山口まで戻ってきました。

体が砂だらけですが、有料トイレ以外に水道などは無さそうなので車に戻ってひたすらウエットティッシュで身体を拭きました。

帰りは富士吉田に戻らず静岡方面に回って、富士宮登山口へ向かうシャトルバス発着所を偵察。ここから見るとなんと山頂のガスが無くなっていました…。悔しい!

しかし静岡県側から見る富士山は右側に宝永山のこぶがあってこれまたカッコイイですね。次はプリンスルートで登ることを固く誓ったのでした。

その後甲府までひたすら下道を運転し、甲府から高速乗って自宅まで帰りました。富士山いいんだけどちょっとウチから遠いなー。

かかった費用

高速道路…松本~富士吉田2850円(30%割引)、富士吉田~須走1100円、甲府南~松本2950円 計7000円

ガソリン…3000円くらい 交通費としては1万円程度と結構かかる。

富士山協力金…1000円

コンビニおにぎりなど…1000円くらい

山と高原地図アプリ…650円

総額12000円くらいかかりました。交通費が高い・・・。つくづく登山は交通費が一番かかるって実感しました。

まとめ

久しぶりの富士山でしたが、感想は一言「すげー楽しかった」。

富士山は景色も単調で登山としてはツマラナイとかよく言われますが、全然そんなこと思わなかったですね。いつもの登山より全然非日常感あって興奮しました。

超初心者とか小学生とかも登る山なので体力的にも簡単なんだろうなって思っていましたが、結構急登続きでこれ初心者や登山未経験者は大変だろうなってずっと思いながら登っていました。思っていたよりかなり体力がいる山という印象。

今回御鉢巡りできなかったのが残念だけど、次回に期待です。コースタイム的には日帰り全然可能なんだけど、富士山の雰囲気を長く楽しむためにも、次は一泊してご来光も見たいと思います。早くまた登りたい!