奥秩父?どこそれ
奥秩父の百名山「瑞牆山(みずがきやま)」と「金峰山(きんぷざん)」に登ってきました。一泊してゆっくり縦走してもよかったんですが、何となく気が乗らなくて日帰りにしました。
恥ずかしながら「奥秩父」というエリアがどこのことか直前まで全く知らなかったんですが(ヤマレコの登山記録調べるのにもエリアがわからなくて悩んだ)、山梨北部と埼玉西部の境界あたり。どこの山に登ろうか調べている中で、先週長男が登った「甲武信ヶ岳」の近くにあり、自宅から1時間半くらいで登山口まで行けるし、日帰りで百名山二座ゲットできるとの事だったので、今回登ることにしました。
平日で天気もイマイチだったこともあり、先週の八ヶ岳と比べるとぐっと静かな山旅となりました。
ルート・コースタイムなど
山梨県側の「瑞牆山荘」から入り、瑞牆山⇒金峰山の順番で登りました。
瑞牆山から金峰山に至るルートは富士見平小屋を経由するコースが一般的らしいんですが、「八丁平」を経由するルートで歩きました。このコースは山と高原地図では破線ルートになっていて心配だったんですが、実際歩いてみるととても歩きやすいシングルトラックで道標もきちんとあって、すごく良かった。
全体的に百名山ということもありよく整備されて危険な箇所も無かったですが、体力的には思ったよりも厳しいルートでした。八ヶ岳日帰りくらいは疲れた。
当日の様子
朝5時に起きると曇り空。天気予報では山梨北部は晴れ予報でしたが、前日一日中雨が降っていて朝になっても雨雲が取れていない感じで空気もかなり湿っぽい。
実は、今日の登山をどうするかかなり悩みました。どうにもやる気が出なくて雨だったらやめようと思っていたんですが、どうしようか・・・。
でもまあ、テント泊の予定で2連休取ってあったし、行かないと確実に後で後悔すると思って出発することにしました。
安曇野から中央道長坂ICで降りてしばらく人気のない道を運転し、登山口の瑞牆山荘近くの県営駐車場に7時頃到着。ここに至るまでに「瑞牆山」とか「金峰山」といった標識がほとんどなく、ナビあってるんだろうか?と心配になりました。駐車場はご覧の通りガラガラ。
登山道のスタートは瑞牆山荘前からですが、駐車場から登山道までショートカットする道がいくつもありました。しばらくは樹林の登山道を進みますが人がホントいない。
途中突然バカでかい岩がどーんと出てきて驚きます。瑞牆山は基本岩山で、この後もこんなような巨岩がゴロゴロ出てくるのでそのうち慣れちゃいます。
山頂かな?結構近くに見えます。コースタイム2時間位なんで山頂が近い気がします。曇天ですが今のところ高曇りって感じ。
30分ほどで富士見平小屋に到着。テントは無く、小屋も静かでした。
小屋からすぐの渡渉ポイント。これ増水していたら怖いんじゃない?
有名な桃太郎岩。竈門炭治郎が切った岩みたいでフォトジェニックです。写真だとわからないけど実物は超巨大でド迫力でした。つっかえ棒してあるのもカワイイ。それにしても自然スゲー。
岩山っぽさが出てきた。鎖場もいくつかありました。濡れた岩が滑って登りにくい。標高をあげるにつれ、大きな岩を乗り越えるような所が増えてきます。
木々が少なくなって空が明るくなり、特徴的な岩峰が見えてくると山頂は間近。
登山口から1時間半ほどで瑞牆山登頂。あっという間に着いちゃった。天気は高曇りで眼下は雲海でした。
これから向かう金峰山方面。金峰山山頂直下の五丈石がここからでも見えました。それにしても山梨だけに富士山が綺麗ですね。
南アルプス方面も良く見えました。雲海はいつ見ても幻想的。
八ヶ岳。裏側というか、東側から見る八ヶ岳は珍しい。
富士山をズーム。もう雪が無いですね。今年は富士山登りたい。
甲武信ヶ岳とか秩父方面の山だと思うけどよくわからなかった。
金峰山に向かいます。一旦降りてきて分岐を小川山方面へ。
破線ルートで心配でしたが、こんな感じできちんと道があります。
広葉樹の静かな森の中の一本道って感じで、フカフカで段差も少なくてとても歩きやすい道でした。太古の森って感じで神秘的ですが、人があまりにもいな過ぎて寂しかった。もののけ姫とかいそうな森でした。
八丁平に無事到着。ここで右折して大日岩方面に進みます。
少し登ると開けて大日岩に到着。デカい岩山でした。
振り返ると瑞牆山がガスに隠れていた。この辺からどんどんガスが上がってきました。
一旦森の中に入り、富士見平からの登山道と合流します。
尾根筋の樹林をしばらく登ると・・・
稜線に出ました。ここまで結構疲れていて、「そろそろ山頂かな?」なんて思っていまた所、山頂60分の文字にショックを受ける。
金峰山山頂とそれに続く素晴らしい稜線の登山道。ですがこの時は疲れていて「遠いなあ」しか思わなかった。
近くに見えて遠い山頂。いくつかの偽ピークに挫けながら、懸命に登る。
12時10分過ぎに五丈石に到着。スゲー立派な岩の塊!神様がいる感じしました。
五常石から少し先に金峰山山頂の標識。2599m登頂しました。瑞牆山から3時間かかりました。疲れたー。
セルフタイマーで記念撮影。山頂には先に3人ほど登山者がいましたが、瑞牆山から縦走してきてるのはこの日多分僕だけだったと思います。
腹も減ったのでここで昼食休憩。だんだんガスってきて、風も強くなってきて寒い・・・。20分ほど休憩して下山します。
稜線を下っていきますが、この場所からしばらく進んだらヤマレコアプリから「ルートが違っています!」という警告が。「またまた~、なわけ無いジャン?」て思って地図見たら、「金峰山小屋」方面に進んでいました。
あれ?おかしいな、さっきの分岐で間違えちゃったかな?と思い、100mほど引き返して分岐まで戻ります。すると、標識は最初に歩いてきた道が下山道であることを示していました。つまりこのまま進むと金峰山頂に向かってしまう。
「??????あれおかしいな?下山してきたはずが登っている????」とパニクりました。とりあえず地図と道標を信じて最初に来た道を戻ります。暑くてフーディニ脱いだ場所も覚えています。
さらに戻ると別の登山者の方がいたので、「あのー、下山するにはこっちですかねー?」てな感じでお聞きすると、この先に分岐があって、標識もありますよ、と優しく教えてくださいました。安心しました。
どうやら、どこかでループして来た道を引き返していたこと気付かなかったようです。ガスっていて景色が見えなかったというのもありますが、軽く怖かったですね。ヤマレコアプリ優秀ですね。助かりました。
その後は樹林に入り、岩ゴロで歩きにくい急斜面を下りまして。
ひとけの無い大日小屋通過。
この辺から斜度は緩やかになったけど、木の根や石が歩きにくいし滑る。
ガスっていて、森も深くて日が落ちたような錯覚があってちょっと陰鬱とした雰囲気でした。早く帰りたい。
富士見平小屋まで戻ってくると、空が明るくなりました。ここまで来ればもう終わったようなもん。
テント7~8張りありました。ここでテントでもよかったんですが、今日は帰って家でゆっくり飲みたい気分でした。
この後車に戻り、温泉を検索するも見つからず、仕方なくトイレで体拭いて、高速代ケチるために下道で3時間かけて自宅まで帰りました。
今回のシューズ
今回は簡単登山と予想してナイキのワイルドホースで来ちゃいましたが、道は濡れてるし岩ゴロ登山道も多かったし、ちゃんとした登山靴の方が良かったかな。でももうトレランやらないしこのシューズも使わないと勿体ないんだよな。軽くてプロテクションもしっかりしていていいシューズです。
まとめ
瑞牆山も金峰山もよく知らない山だったんですが、調べる限り標高も低いし「山ガールるんるんるん♪」くらいな気持ちで向かいましたが、終わってみれば中々にハードな山行でした。距離的にも先週の八ヶ岳より短いはずですが、時間もかかったし疲労感も大きかった気がします。山はなめちゃいけないですね。
登ったことの無いエリアで登ったことの無い山に登るのは楽しいはずですが、何故だか今回の登山中はずっと「早く帰って家で酒飲みてえ・・・」ってずっと考えていました。今回登った両山ともすごくすごくいい山だったのは間違い無いんですが、どうにもメンタル的に上がらなかった気がする。多分今の生活に余裕が無さ過ぎて、山を楽しむっていう気分になってないんだろうな。最近何となく落ち着かない気分が続いています。このままじゃテント泊も楽しめないだろうし、次の山の計画もどうしようか悩んでます。