【2023年8月補足】
このエントリを書いた当時から比べるとウイスキーを含めてあらゆるものの値段が上がり、現在の市場価格とこのエントリ内の価格に大きな差ができてしまいました。読んでいただくには正直情報が古いので、冒頭におすすめウイスキーを2点紹介します。
とにかく安いウイスキーなら「ブラックニッカクリア」
大容量ウイスキーも様々な種類がありますが、「一番お得」なのはブラックニッカクリアです。Amazon通常価格3900円ほどですが、タイムセールで3700円くらいになり、それを「定期おトク便」で購入することで5%もしくは10%割引となり、3300円~3500円くらいで買えます。この買い方が一番お得。定期おトク便はいつでもキャンセル可能。
ロックやストレートでも飲める「ブラックニッカリッチブレンド」
ブラックニッカクリアよりちょっといいウイスキーなら「ブラックニッカ・リッチブレンド」一択です。Amazon通常5700円くらいですが、タイムセールで5200円弱まで値下がりします。これは定期おトク便にならないのでこれが底値ですが、ブラックニッカクリアよりワンランク上のクオリティのウイスキーでは激安と言えます。
上記2銘柄を抑えておけば、間違いありません。
【以下本文】
皆さんこんにちは。ウイスキーが大好きなMSX3です。毎晩安ウイスキーを飲みながら、感想を以下エントリに書いています。
毎日毎晩ウイスキーを飲んでいますと、自然と大容量ウイスキーを選びますよね。
「ウイスキー(4000ml)でっか!!誰が買うんだよこんなの?アル中御用達ww」
・・・そんな風に思っていた時期が僕にもありました。
でもね、700ml入りのレギュラーボトルだと1週間くらいでなくなっちゃうし、買うにしても瓶は重いしそれに捨てるの超面倒なんすよ。缶ビールをを24本入りケースで買うのと同じ感覚な訳ですよ。それに何と言っても大容量は安くてお得!安いは正義です!!
安いはず・・・安いよね?・・・本当??
大容量ウイスキーが安いのは当たり前。あたりまえ体操。当然そのはずですよね。
「量が多くなれば単価は下がる」これは私たちの社会ではある意味大原則のようなものです。ウイスキーだって当然その原則が当てはまるはず!
・・・でも本当のところどうなんだろ?
心配になったので、大容量ウイスキーが本当に安くてお得なのか、検証してみます。
【追記】2022年10月現在、ほとんどのウイスキーの値上がりが進んでいます。このエントリの価格はやや古いものもありますが、一部は最近の価格に直しました。
注)ドケチの貧乏人が自己満足で書いたエントリですから金持ちは読まないで恥ずかしいので
ウイスキーの容量別価格比較をしてみる
という訳で、「大容量ウイスキーは本当にお得なのか」の調査開始。
【調査方法】
- 同じ銘柄のウイスキーを700ml、2700ml、4000mlの3種類のサイズで価格調査
- 価格を容量で割ってml単価を計測
- ml単価を元に700ml換算の価格を算出
- 700ml比でどれくらい安くなっているのか%(お得度)で表す
- 念のため定価があるものは売価の割引率も出す
基本的には近所のカインズホームの価格を参考にしましたが、一部取り扱いの無いものはネットの価格を参考にしました。
【調査対象】
大容量サイズがラインナップされている以下の9銘柄を調査しました。全国的に入手しやすい有名ブランドばかりです。
- 甲州韮崎オリジナル
- サントリー RED
- サントリー ホワイト
- サントリー 角
- ブラックニッカ クリア
- トリス クラシック
- トリス エクストラ
- ホワイトホース
- ジムビーム
それでは順番に見てみましょう。なお、価格はすべて税込みに統一してあります。
甲州韮崎オリジナル(37度)
愛すべき我らが激安ウイスキー日本代表甲州韮崎オリジナル。4リッターでAmazon価格3,600円と、3000円程度で買えた頃に比べてかなり値上がりしました。Amazonではタイムセール祭りをコンスタントに開催しており、その際には3300円程度まで値下がりしますが、うちの近所のカインズホームでは2980円で売っているのでAmazon正直割高に感じます。700mlボトルも一応販売されており、スーパーなどでたまに見かけますが、果たしてどの程度お得なのか・・・?
※注:2022年10月現在かなり値上がりが進んでおり、以前ほどお得ではない模様
容量 | 売価 | 1ml単価 | 700ml換算 | 700ml比 | お得度 | 定価 | 割引率 | 判定 |
700ml | ¥850 | ¥1.21 | ||||||
2700ml | ¥2,927 | ¥1.08 | ¥759 | ¥-91 | 10.7% | × | ||
4000ml | ¥3,600 | ¥0.9 | ¥617 | ¥-233 | 27.4% | ◎ |
4リッターは0.9円/mlで700ml換算630円、通常価格より27.4%(233円)お得な計算になります。さすが俺たちの甲州!こんな価格普通じゃ出せないぜ!圧倒的コスパ、これならガブガブ飲んでも大丈夫!!!
なお2.7リッターだとml単価は1円ちょいとそこまで安くないので、4リッター一択です。
結論:圧倒的コスパの4リッターをAmazonタイムセールで買うべし!
【補足】残念ながら、2023年現在かなり値上がりが進んでしまい、上位クラスのブラックニッカクリアとの価格差がほとんど無い状況となってしまいました。ブラックニッカクリアがタイムセールで3500円ほどなので、現状甲州を積極的に選ぶ理由は無いです。
・・・
というような感じで見ていきますが、普通に考えると1ml単価が1円を切れば十分格安の部類です。4リッターなら4000円以下で1ml単価が1円を切る(公式1)。
ただし要点はそこでは無く、
700mlと比較していかに安いか、です。
「お得度」という指標が重要になります。
※4リッターで5700円を超えると700ml換算で1000円以上になる(公式2)
サントリー RED(39度)
サントリーREDは歴史あるウイスキーながら、昔の二級のイメージからか格安ウイスキー扱いされていますので、これも期待できそうです。レギュラーボトルは一般的な700mlではなく640ml入りで微妙に少なく、売場でパッと見ただけでは高いのか安いのか判断付きかねます。果たして大容量はお得なのでしょうか?
ちなみにサントリーのウイスキーはメーカー希望小売価格がありますので、定価からの割引率も参考にしてみます。
容量 | 売価 | 1ml単価 | 700ml換算 | 700ml比 | お得度 | 定価 | 割引率 | 判定 |
640ml | ¥800 | ¥1.3 | ¥972 | 17.7% | ||||
700ml換算 | ¥875 | ¥1.3 | ¥1,063 | 17.7% | ||||
2700ml | ¥2,980 | ¥1.1 | ¥773 | ¥-102 | 11.7% | ¥3,581 | 16.8% | 〇 |
4000ml | ¥3,780 | ¥0.9 | ¥662 | ¥-214 | 24.4% | ¥5,065 | 25.4% | ◎ |
まずは640mlを700ml換算しますと、レギュラーボトルで875円。定価は1063円ですから約18%引きですが、そこまで安い感じでもありませんが・・・。
2.7リッターでml単価1.1円、4リッターで0.9円まで下がり、4リッターなら700ml換算662円まで安くなります。お得度24.4%は十分安い!買ってよしです。2.7リッターも悪くありませんが、安ウイスキーなら税込2700円以下を期待したいところです。
結論:4リッター3,780円はお得(4,000円以上だと微妙)
サントリー ホワイト(40度)
REDの上、角の下というサントリーウイスキーヒエラルキーの中では「中の下」みたいなポジションの銘柄ですが、これも歴史あるウイスキーでサイズ各種ラインナップされています。スーパーなんかではあまり大容量みかけませんが果たしてお得なのか。
容量 | 売価 | 1ml単価 | 700ml換算 | 700ml比 | お得度 | 定価 | 割引率 | 判定 |
640ml | ¥1,078 | ¥1.7 | ¥1,291 | 16.5% | ||||
700ml換算 | ¥1,179 | ¥1.7 | ¥1,412 | 16.5% | ||||
2700ml | ¥3,880 | ¥1.4 | ¥1,006 | ¥-173 | 14.7% | ¥4,791 | 19.0% | △ |
4000ml | ¥5,380 | ¥1.3 | ¥942 | ¥-238 | 20.1% | ¥6,780 | 20.6% | 〇 |
一般的な価格640mlで1078円(980円+税)を700ml換算すると約1180円。ml単価は意外に高く1.7円です。4リッター入り5380円はml単価1.3円、700ml換算で942円まで下がり、お得度は20%を超えてきますのでこれはまあまあ安いです。ただし4リッターで5700円を超えると700ml換算で1000円以上になる(公式2)ので、割安感は薄れます。5700円がボーダーライン。ちなみに2.7リッターは換算1006円、楽天最安値が700mlで1008円ですから買う意味は無いでしょう。Amazonもイマイチ高いですね。
結論:4リッター5500円以下ならお買い得
サントリー 角(40度)
おなじみの角です。サントリーの晩酌用ウイスキーでは僕の中では最上級クラスで、レギュラーボトルが1400円ほどとやや高く、ガブガブ飲むウイスキーというよりじっくり飲みたい価格帯に入ってきます。
日本を代表する人気ウイスキーかつハイボール需要も高いので、大容量もラインナップされています。果たしてお得なのか?
容量 | 売価 | 1ml単価 | 700ml換算 | 700ml比 | お得度 | 定価 | 割引率 | 判定 |
700ml | ¥1,350 | ¥1.9 | ¥1,749 | 22.8% | ||||
2700ml | ¥4,980 | ¥1.8 | ¥1,291 | ¥-59 | 4.4% | ¥6,079 | 18.1% | × |
4000ml | ¥6,780 | ¥1.7 | ¥1,187 | ¥-164 | 12.1% | ¥8,610 | 21.3% | △ |
700ml入り1400円とするとml単価は2円。赤や白に比べるとやっぱり高いですね。そして定価は1750円もするんですね。4リッター入り6780円はまあまあ安い値付けだと思いますが、それでも700ml換算1187円、レギュラーボトルから164円しか安くありません。お得度は12.1%と微妙な数値です。2.7リッター4980円はさらに渋い。
うーん、人気だけに高めの価格設定なのか、思ったほど4リッターがお得では無いですねえ。味は間違いないので、「毎晩角しか飲まない」みたいな人は買う価値十分にありますけど。
結論:角が好き・毎日飲んでるなら4リッターあり
ブラックニッカ クリア(37度)
ニッカのボトムラインでクセの無い味わいが人気のブラックニッカクリア。スーパー等でも4リットル入りをよく見かけますね。
容量 | 売価 | 1ml単価 | 700ml換算 | 700ml比 | お得度 | 定価 | 割引率 | 判定 |
700ml | ¥708 | ¥1.0 | ¥990 | 28.5% | ||||
2700ml | ¥2,598 | ¥1.0 | ¥674 | ¥-34 | 4.9% | ¥3,421 | 24.1% | × |
4000ml | ¥3,580 | ¥0.9 | ¥627 | ¥-82 | 11.5% | ¥4,873 | 26.5% | △ |
大量販売の強みか、まずレギュラーボトルが安い。カインズでは708円とml単価ほぼ1円の安値で売られています。対して大容量はというと、2.7リッターで700m換算‐34円、4リッターでも‐82円と渋めの値引き率。元値が安いだけに‐82円でも安いっちゃ安いですが、3500円は切ってほしいですね。とはいえ安い事には変わりないのと、このウイスキーの場合700mlをちびちび飲むよりハイボール等で大量消費する用途でしょうから、立ち位置としては甲州と同じ。その意味では有名ブランドがこの値段ならありです。
【追記】2022年10月現在、Amazonタイムセールまつりの常連銘柄となり、3500円程度で購入可能です。通常時は3900円くらいするので、タイムセール祭りを狙ってAmazonで購入するのがよいでしょう。
結論:Amazonタイムセール祭りで4リッター買うべき
トリス クラシック(37度)
サントリーの格安銘柄でブラックニッカの対抗馬。正直値段ありきで選ぶ銘柄と思いますが、ブラックニッカよりお得なんでしょうか?
容量 | 売価 | 1ml単価 | 700ml換算 | 700ml比 | お得度 | 定価 | 割引率 | 判定 |
700ml | ¥798 | ¥1.1 | ¥990 | 19.4% | ||||
2700ml | ¥2,679 | ¥1.0 | ¥695 | ¥-103 | 13.0% | ¥3,421 | 21.7% | △ |
4000ml | ¥3,450 | ¥0.9 | ¥604 | ¥-194 | 24.3% | ¥4,873 | 29.2% | △ |
カインズ価格では、700ml798円とml単価1円を切らずブラックニッカクリアより高い。2.7リッターでほぼ同じになり、4リッターでは-100円と安値逆転します。飲んだ感想としてはウイスキーというより茶色い焼酎甲類なので、この味が気に入る人もいないんじゃないかと思いますが、安いウイスキー探している人ならありかも。
結論:近所に甲州4リッター売ってるなら買う必要無し
トリス エクストラ
上のトリスクラシックの上位版で、度数が40度あります。
容量 | 売価 | 1ml単価 | 700ml換算 | 700ml比 | お得度 | 定価 | 割引率 | 判定 |
700ml | ¥880 | ¥1.3 | ¥1,188 | 25.9% | ||||
2700ml | ¥3,280 | ¥1.2 | ¥850 | ¥-30 | 3.4% | ¥4,070 | 19.4% | × |
4000ml | ¥4,780 | ¥1.2 | ¥837 | ¥-44 | 4.9% | ¥5,819 | 17.9% | × |
700ml880円は安ウイスキーとしては合格ですが、2.7リットル・4リットルともほとんど安くなっていません。これは大容量買ってはいけないタイプですね。2.7リッターで3000円、4リッターで4000円切るくらいの価格ならありかもしれませんが。
結論:4リッター4500円以上は割高なので注意
ホワイトホース
ホワイトホースでは大容量では珍しいというか唯一の外国産スコッチです。国産ウイスキーとは一味違うパンチのあるスパイシーな味わいで僕も大好きです。4リッターも以前6000円位で買いましたが・・・
容量 | 売価 | 1ml単価 | 700ml換算 | 700ml比 | お得度 | 定価 | 割引率 | 判定 |
700ml | ¥980 | ¥1.4 | ||||||
2700ml | ¥3,562 | ¥1.3 | ¥923 | ¥-57 | 5.8% | × | ||
4000ml | ¥5,480 | ¥1.4 | ¥959 | ¥-21 | 2.1% | × |
700ml980円はよくある価格で決して高すぎることありませんが、2.7リッター、4リッターともカインズ価格ではほとんど700ml換算の価格が安くなっていません。
何となくホワイトホースなら4リッター5480円はお得なような気がしていましたが、700mlで850円を6本買った方が実はお得だったという…。これだから大容量ウイスキーは気を付けなければいけません。
大量消費するならありですが、700mlボトルの値段から逆算すると4リットル入りで5000円切るくらいが適正価格です。
結論:4リットルで5000円以上は割高、買っちゃダメ
ジムビーム
バーボンで唯一の大容量が設定されています。お店で売っているのは2.7リッターまでで、4リッター入りは業務用でネットじゃないと手に入れにくいです。
容量 | 売価 | 1ml単価 | 700ml換算 | 700ml比 | お得度 | 定価 | 割引率 | 判定 |
700ml | ¥1,180 | ¥1.7 | ¥1,694 | 30.3% | ||||
2700ml | ¥4,380 | ¥1.6 | ¥1,136 | ¥-44 | 3.8% | ¥5,335 | 17.9% | × |
4000ml | ¥5,388 | ¥1.3 | ¥943 | ¥-237 | 20.1% | 〇 |
4リッターはリカオーの楽天最安値ですが、これだと700ml換算943円、お得度は20%超えてきますのでいいですね!バーボン好きな方は迷わず4リッター買って、レギュラーボトルに詰め替えて飲みまくりましょう!2.7リッターはほとんど安くありません。
【追記】2022年10月現在、2.7リットル入りがAmazonタイムセールで3900円弱、そこから「定期オトク便」で10%割引で購入することが可能。3465円で買えました。これは700ml換算で899円と、通常1200円程度のバーボンとしては非常にお得度が高いです。バーボンが嫌いじゃ無ければイチオシです。
結論:2.7リッターをAmazon定期オトク便で購入!
【おすすめ】ブラックニッカ リッチブレンド
2023年現在、アマゾンで買える一番お得な大容量ウイスキーはブラックニッカクリアですが、そのワンランク上のウイスキーとしておすすめなのがこの「ブラックニッカ・リッチブレンド」の4リッター入りです。Amazonのタイムセール価格で5200円ほど、700ml 換算で900円です。スーパーなどではレギュラーボトルが通常1300円ほどで売っているので、この4リッターは非常にお安いことがわかります。
味わいもブラックニッカクリアに比べて豊潤でマイルド、ハイボールはもちろんロックやストレートで飲んでも十分美味しいウイスキーです。今はこれが一番おすすめ。
まとめ
いかがだったでしょうか。大容量といっても決して安くないものも多いことがわかりましたね。「4リットル入り=安い」という安易な判断は危険です。
お得かそうでないかというのは、結局は販売店の設定する価格次第ですので、きちんと価格調査して買うことが大切です。とはいえお店で電卓出して計算するのもスマートではありませんから、ある程度「この値段以下ならお得」という指標を覚えて買いに行くことが必要になってきます。
どこで買うか?というのも重要なポイントです。ネットが安いと思いがちですが、大容量に限らずですが、ウイスキーはネットだと買いにくい部分もあります。最安値は楽天ですが、送料がかかります。楽天の3980円以上送料無料についても、ほとんどのショップで対象外となります。「4本入り送料無料」とかはありますが、飲食店でもなければさすがにそこまではいらないし。対して、Amazonはプライム会員なら送料無料になりますが、今度はスーパーなんかより価格が高いケースが多いです(甲州韮崎のように異常に安いものもありますが)。経験上、カインズホームとかのホームセンターが最安値を叩き出すことが多いので、そういう所で価格調査して買うのが一番お値打ちかと思います。
最後に、4リッターウイスキーを買うという事は、同じ銘柄を6本近く飲み続けることと同じです。安いからといって好みじゃないウイスキーを飲み続けるのはウイスキー好きとして正しい行動とは言えません。まずは好きなウイスキーであること、その上で大容量が安ければ買う、というスタンスが幸せになれるポイントです。多少割高だとしても、色々なウイスキーを日々飲み比べることも大変楽しいことです。
ウイスキーコスパ最大化計画は続きます。
おまけ:【今回の銘柄価格一覧】
このエクセルシートを見ながらウイスキー飲むのが楽しすぎ。