「聲の形」を読みました。感動した。
ちょっと一言では言い表せないですが、とても素晴らしい漫画に出会えたこと感謝です。久しぶりにマンガに心から感動しました。ちょっと泣きました。
あらすじ
聴覚の障害によっていじめ(嫌がらせ)を受けるようになった少女・硝子と、彼女のいじめの中心人物となったのが原因で周囲に切り捨てられ孤独になっていく少年・将也の2人の触れ合いを中心に展開し、人間の持つ孤独や絶望、純愛などが描かれる。(ウィキペディアより)
映画化もされています。
結構前に、「読み切りで聴覚障害を扱った話題作」 みたいなサイトを見た記憶はありましたが、見た目地味なマンガなので、読もうとは思わず。最近映画化されたり、各種メディアで取り上げられたりする機会が多かったので、それならと読んでみました。
そしたら、超名作だった。
小学校時代の将也のいじめ描写がリアルで胸に刺さります。そしてその後こんどはいじめていた主人公がハブられて・・・。
まああらすじとかはググってもらえば詳しく書いてありますが、ジャンルとしてはいわゆるヒューマンドラマ、ちょっと恋愛要素ありといった所でしょうか?
作者は女性でまだお若い方のようですが、とにかく表情を描くのが上手です。ヒロインは耳が聞こえないので、喋るシーンはほとんど無いのですが、セリフなしの表情だけで様々な感情を表現していて、すごいなあと思います。セリフありの他の登場人物も表情豊かで生き生きしています。人間を描くのがうまいんですね。
上は数少ない萌えシーンですが、よく出てくるいじめらているときの愛想笑いとか、泣きたくなるほど切ない。
背景もすごく丁寧に描いていて、部屋の中の雑多な感じとか、リアルです。
主人公とヒロイン
そしてとにかく、ヒロイン硝子ちゃんが可愛い。
アニメ顔で、鼻が無い。
主人公も小学生時代は人の痛みがわからないゲス野郎だったけど、今はいい奴になった。時々熱い言葉を放つ。
そして暗くなりがちなこのマンガの中で、唯一マンガっぽいキャラクター長束君。
非常にユニークな奴で、ほのぼのします。いい奴なんだこいつが。こいつとマリア(姪)が出てくると和みます。
他のキャラクター達もみな個性的で、しっかりと漫画の中で生きている感じがする。
全7巻とコンパクトにまとめていますが、1巻1巻にテーマがあり、それぞれとても濃密な内容。無駄なエピソードは一切無く、緻密な構成のもとに進行していきます。ストーリーは割と狭い世界の交友関係の中の話なんだけど、ここまで胸に刺さるか、ってくらい響きます。
正直、「なんでそうなるの?」っていう展開もたくさんあるけど、よくあるマンガの王道展開みたいなものではなくて、よりリアルに人間を描いているんだと思います。
きっと、誰でもいつでも正しい選択なんてできないし、色々考えて行動した結果うまくいかない事だってたくさんあるけど、物語だとけっこうそういう部分を無視してしまうというか。ちょっとうまく言えないけど、人の不確実さというか不安定さみたいなものが本当にリアルなんだと思う。
色々考えて、悩んで、失敗して成長していく主人公たちの生きざまに、感動させられるんだと思う。
3月のライオンも、宇宙兄弟も、ヴィンランドサガも、どれも素晴らしいマンガなんだけど、ここまで胸に突き刺さる作品は稀です。大きくは障がいをテーマにしているからだと思いますが、昔を思い出して郷愁を感じる部分もあるだろうなと思います。いい作品です。
正直あまりに感動したんで、とにかくブログに感想乗っけようと思って書き始めましたが、僕にはこの作品の素晴らしさを紹介できる文章力が無いことに愕然としていますが、本当におすすめです。
こちらのサイトは、読み切り版のレビューですが、とても上手にレビューされています。
聲の形 コミック 全7巻完結セット (週刊少年マガジンKC)
- 作者: 大今良時
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2014/12/17
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