MSX3メモ ~マラソン・トレラン・登山のあれこれ~

アルコールを中和するために走るおっさんが登山やマラソンのことをメモするブログ。マンガゲームウイスキーについても語る!

最近読んだ小説の感想 ※ミステリ多め

最近、小説をよく読むようになりました。嫁さんが読書全般にハマっていて、読み終えた本をおすすめしてくるんですよね。

読むのはミステリ中心ですが、最近のミステリ小説は色々趣向が凝っていて、一昔前の新本格とか言っていた時代に比べても、斬新で面白い作品が多いです。せっかくなので、読んだ作品を簡単に紹介します。(読んだ順)

いけない

第1章「弓投げの崖を見てはいけない」
自殺の名所付近のトンネルで起きた交通事故が、殺人の連鎖を招く。
第2章その話を聞かせてはいけない」
友達のいない少年が目撃した殺人現場は本物か? 偽物か?
第3章「絵の謎に気づいてはいけない」
宗教団体の幹部女性が死体で発見された。先輩刑事は後輩を導き捜査を進めるが。

どの章にも、最後の1ページを捲ると物語ががらりと変貌するトリックが……!
ラストページの後に再読すると物語に隠された〝本当の真相〟が浮かび上がる超絶技巧。
さらに終章「街の平和を信じてはいけない」を読み終えると、これまでの物語すべてがが絡み合い、さらなる〝真実〟に辿り着く大仕掛けが待ち受ける。

「騙されては、いけない。けれど絶対、あなたも騙される。」

なんて煽り文句が帯に書いてあります。どんでん返し系ミステリ。4章仕立て。各章の最後に写真があって、それを見ると色々真相がわかる、というような造り。

話は面白くてグイグイと読み進められて楽しいし、世界観もリアルでどっぷりと浸れますが、最後まで読んでも理解できない所があり、解説サイトを見てやっとわかる、みたいな内容でした。全体的に難解なミステリ。

それでも、これまで読んだこと無いタイプのミステリで、「最近のミステリはすげえなあ」なんて思いながら読みました。

汝、星のごとく

風光明媚な瀬戸内の島に育った高校生の暁海(あきみ)と、自由奔放な母の恋愛に振り回され島に転校してきた櫂(かい)。
ともに心に孤独と欠落を抱えた二人は、惹かれ合い、すれ違い、そして成長していく。
生きることの自由さと不自由さを描き続けてきた著者が紡ぐ、ひとつではない愛の物語。

2023年本屋大賞受賞作。

こういうのなんていうんでしょうか、純文学?あまりこういった小説は読んだこと無かったんですが、引き込まれて一気読みしてしまった。とても切なくて美しいストーリーでした。小説読んで泣いたの初めてかも。たまにはこういう切ないラブストーリーみたいなのもいいですね。心が洗われました。

作者の凪良ゆうさんは映画化もした「流浪の月」でも本屋大賞受賞している人気作家さんなんですね。この汝、星のごとくもきっと映画化するんだろうな。

方舟

「週刊文春ミステリーベスト10」&「MRC大賞2022」堂々ダブル受賞!
9人のうち、死んでもいいのは、ーー死ぬべきなのは誰か?
大学時代の友達と従兄と一緒に山奥の地下建築を訪れた柊一は、偶然出会った三人家族とともに地下建築の中で夜を越すことになった。
翌日の明け方、地震が発生し、扉が岩でふさがれた。さらに地盤に異変が起き、水が流入しはじめた。いずれ地下建築は水没する。
そんな矢先に殺人が起こった。
だれか一人を犠牲にすれば脱出できる。生贄には、その犯人がなるべきだ。ーー犯人以外の全員が、そう思った。
タイムリミットまでおよそ1週間。それまでに、僕らは殺人犯を見つけなければならない。

極限脱出系ミステリ。

よくできたミステリでした。現実離れしたシチュエーションですが、現場にいるような没入感と緊迫感を味わえる良質なミステリで、かつ最後にどんでん返しあり。このラスト数ページのどんでん返しが良くできていて、とても驚きました。「十角館の殺人」とかのどんでん返しミステリが好きな人は間違い無く楽しめます。

方舟

方舟

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変な家

知人が購入を検討している都内の中古一軒家。
開放的で明るい内装の、ごくありふれた物件に思えたが、間取り図に「謎の空間」が存在していた。知り合いの設計士にその間取り図を見せると、この家は、そこかしこに「奇妙な違和感」が
存在すると言う。
間取りの謎をたどった先に見たものとは……。

YouTubeで話題になって書籍化、大ヒットという作品らしいです。会話中心でサクサク読める。まあまあ面白かったです。

変な家

変な家

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いけない2

――すべての謎がつながっていく。前作を凌ぐ、驚愕のラストが待つ!
各話の最終ページにしかけられたトリックも、いよいよ鮮やかです。

前作「いけない」よりはかなりわかりやすくなった印象。すごく面白いしよくできてるんだけど、とにかく救いが無さ過ぎて悲しくなった。ハッピーエンドではない小説。

六人の嘘つきな大学生

成長著しいIT企業「スピラリンクス」の最終選考。最終に残った六人が内定に相応しい者を議論する中、六通の封筒が発見される。そこには六人それぞれの「罪」が告発されていた。犯人は誰か、究極の心理戦スタート。

就活×告発ミステリ。伏線回収のカタルシスがすごい作品。これは良作!大変楽しめました。読み終えてしまって悲しい。

叙述トリックというか、作者によるミスリードが大量に仕掛けられていて、結末を知った後に再読必須。

帯に「この6人、全員クズ」とか書かれていて、クズエピソードが次々暴露されるんですが・・・そこから先が面白いんだな。二転三転するストーリー、犯人というか起きていた事実についても「え?そうだったの??」って感じで、いやー色々騙されましたわ。でも読んでて楽しかったなあ。こういうのが小説ならではの楽しみですね。

作中で就職活動自体を強烈にディスっているんですが、読むと確かに就活って何なの?って思います。近未来にはうちの子供たちも就活すると思いますが、やっぱり文系のフリーエントリーはしんどそうなので、理系がいいなあと再確認しました。

コミカライズもされてるみたいだけど、この作品を絵にすると色々とわかっちゃうと思うんだけど、どうやって見せてるんだろうか?

最近半年くらいで読んだ作品の紹介でした。

当初嫁さんから「これ面白いから読んでみて」とか言われても、面倒臭がって放置していましたが、ちょっと読み始めると一気に引き込まれてしまう作品ばかりでした。

当たり前のことですが、マンガやビデオと違って情景を頭の中で空想する余地があるのが小説の面白い所で、作品の世界観を自分の頭の中で構築して、そこに浸るっていう体験がかなり楽しいですね。読書ってやっぱり良質なエンタメだなあと思う日々です。

ちなみに、嫁さんがチョイスする小説は「本屋大賞」とか「このミステリーがすごい」とかの受賞作が多いです。

本屋大賞

https://konomys.jp/

見ると読んでみたい作品たくさんありますね。でもマンガゲームビデオにも時間取られるんで、なかなか時間が無いのが悩み・・・。