MSX3メモ ~マラソン・トレラン・登山のあれこれ~

アルコールを中和するために走るおっさんが登山やマラソンのことをメモするブログ。マンガゲームウイスキーについても語る!

2022年10月24日・25日 2年連続2回目の下ノ廊下 紅葉トレッキングと阿曽原温泉テント泊(黒部ダムから往復)

黒部峡谷下の廊下を歩いて来ました。昨年に引き続き2回目の下ノ廊下です。

昨年の下ノ廊下初体験があまりにも面白く、昨年「絶対に来年も行こう」と思った訳ですが、いざ今年になってみると何となくモチベが上がらず、「正直面倒だな~」くらいに思っていたのですが、休みも取ったし家族の用事も特に無いし、行かない理由が無いので行くことにしました。こんな後ろ向きで本当に登山が趣味なのか?

今年は開通が遅かった

9月後半頃から、阿曽原温泉小屋のHPは毎日見ていました。いつも怒っている印象のご主人ですが、詳細な情報をすぐにアップしてくれるので大変助かります。

ルート情報 - 阿曽原温泉小屋

今年は大きな雪のブロックが残ったりした影響でルート整備がなかなか進まず、10月に入っても下ノ廊下の前半部分、旧日電歩道は歩けない状態が続いていました。10月中頃の三連休もダメで、結局開通して一般人が歩けるようになったのは10月20日頃でした。小屋の営業が10月30日宿泊まで、テント場も11月5日頃までということなので、実質2週間の下ノ廊下開通ということでした。まあ山深い所だしこういう年もあるでしょう。

予定ルートなど

2日目に欅平に抜けるのが一般的ですが、欅平から安曇野に戻ってくるまでの電車移動がダルいのと、費用節約のために黒部ダムから阿曽原往復ルートとしました。

これだと自家用車で扇沢まで入れるし下山後すぐに帰れるので楽なんですが、2日目の歩行時間が欅平までと比べて長い(約7時間)のと、危険箇所でのすれ違いが発生して通行に時間がかかるというデメリットがあります。すれ違う前に難所を突破しようと急いで歩きましたが、ロッジくろよん出発組とちょうど黒部別山谷あたりでスライドしてしまい、やや待たされました。電気バス黒部ダム組は内蔵助付近でのスライドだったのでほぼ問題なしでした。

ちなみに1日目ですが、4時過ぎとかの混む時間は温泉がイモ洗い状態になってゆっくりできないので、2時~3時頃に入れるように到着時間を設定すると快適な温泉ライフを満喫できます。

当日の様子

という訳で黒部ダムまでやってきました。ここ数日ずっと天気が良くて、この日も晴れ予報だったのに朝起きたらなぜか雨・・・。どういうことなんだってばよ?北の方に向かえば晴れるかと思ったら、結局黒部ダムも雨だった。山の上の方は雪。室堂も雪だった。結構な雨降りだったのでカッパ装備して出発。テンション下がるわー。

黒部川の水も心なしか多い気がする。渡るときちょっと怖かった。ちなみにこの日の黒部ダム始発出発組はバス2台、約50名ほどだったでしょうか?平日だし天気悪いし、開通期間短めでもそれほど混雑はしていなかった。

黒部ダムからは放水していました。去年はしてなかったので水量調整かな?

黒部川左岸をちょっと進むとこの絶景。ここから先は基本的にずっと絶景です。

雪、紅葉、渓谷と美しいものが集合してる。この辺はまだ川に近く、足元も危険ではありません。

どこ見ても綺麗。やっぱり山の紅葉はいいわ。

降っていた雨はすぐに止んで、青空が見えました。「よっしゃ、やっぱり晴れだ!」と喜びましたが、この後すぐに曇ってしまった。この辺で暑くてカッパと上着を脱ぎました。

1時間ほど歩いて内蔵助分岐を過ぎたあたりから、道は危険度を増してきます。

新越の滝。すごいスケールの崖にかかる滝が見事です。

河原に残雪が出てくると黒部別山谷は近い。

巨大な雪のブロックが残っていました。今年が特別雪が多かったという事では無く、溶けなかった、と温泉で一緒になった警備隊員が言ってました。

これが噂の雪のトンネルですね。このブロックのせいで開通が遅れていましたが、今はトンネル状に溶けて下を通過できます。とはいえ危険なので上に巻道も作られています。

当然、通過します。そして中から見上げてみた。

デカさに圧倒されました。雪ってどうしてこうスプーンカットに溶けるんだろう?

トンネルを抜けると、そこからしばらくは「落ちたら危険」な道が続きます。番線が整備されているので慎重に行動すれば大丈夫ですが、1年ぶりだと怖いわ。

荒れた道を回避するための高巻き梯子。今年は昨年と違う場所にあった。しかし、ここまで高巻きしなくてもいいんじゃない?

しっかりとした丸太の梯子なので安全ですが、上から川を見るとこえー。

黒部別山谷から30分位危険な道が続いて、この辺りが川幅も狭く、急流のすぐ近くのヘツり岩を回りこむような道が続いて一番怖いと思った。岩も丸太も濡れて滑る。

急流と紅葉。どこを見ても絶景。

どうしたって濡れるゾーンが2か所ほどあった。

道が穏やかになって、樹林帯に入ると十字峡。登山口から3時間半ほど。ここまでで距離的には三分の2越えてるけど、体感的には半分くらいのイメージ。

今年はやる気低めなので十字峡近くまでは降りず、通過します。この吊橋は滝つぼの上だし揺れるので怖い!

写真で見ると超怖いけど、歩くとそうでもない道。でもどうやって作ったんだろう。

S字峡。

これが見えると危険な道は終わり。

かなり下って黒部川を対岸に渡る長い吊橋。

しばらく工事用道路を歩いて、仙人ダムに到着。雨が降ってきてテンションはダダ下がりです。

去年は知らなかったけど、仙人谷から続く道が見える。あの谷の奥が剱岳につながる雲切新道。いつか歩いてみたい道。

線路が見えます。長らく工事専用だったけど、2024年には「黒部宇奈月キャニオンルート」として一般公開されるらしい。すげえ。

unazuki-kurobedam-route.jp

ダムから見えるこの滝がまた素晴らしい景観。

ダム堤防を渡る。

ダム内のクラシックな通路を進む。ここは2回目でもわくわくした。

線路を横切る。電車が来ます、ってアナウンスが鳴っていたけど来なかった。

その後峠を越えて阿曽原温泉小屋には2時頃到着。2時から男性風呂タイムだったので、テントをソッコーで立てて温泉へGO!

3時までのはずが、女性がまだ到着していないとかの理由で4時までに延長となり、雨も降っていたので上がるタイミングがみつからず、結局1時間位温泉にいました。小屋に詰めてる警備隊員の兄ちゃんが入ってきて、フレンドリーな奴で色々話せて楽しかった。

その後はテントでダラダラと宴会。去年より寒くてテント開けられなかった。

この日は20張りほど。天気悪いし空いてた。結局温泉はその後入らず。

翌朝は4時起床、5時出発の予定がちょっと遅れて5時半頃出発。昨日歩いた道をそのまま黒部ダムまで戻るのは面倒で憂鬱な気持ち。

今日は天気がよさそう。

十字峡まではすぐに着いた。この後黒部ダムから来る人と難所ですれ違いにならないように早足で進む。

この辺が嫌な所だけど、ちょうどロッジくろよん出発組とこの辺でスライドした。それほど難儀はしなかったけど。

腫れていると、紅葉も鮮やかですね。やっぱり晴れに限る。今年は雨に降られ過ぎた。

大タテカビンみたいな名前の岩壁と紅葉。

内蔵助分岐まで来た。ここら辺足が痛くて非常に辛かった。

この辺で電波復活して、ゴールが近いことを知る。

戻ってきました黒部ダム。

立山方面は真っ白。この日は気温が低く、下界も寒かった。

登山終了しました。ダムまでの最後の登りが一番きつかった。

シューズについて

今回いつものイノヴェイトが穴空いちゃったため、ゴローで来たんですが、久しぶりのゴローは硬くて重くて辛かったです。中敷きをスーパーフィートだけにしたのもいけなかったけど、足裏がとにかく痛くて難儀した。ソールも新品だったせいか妙に滑るし、とにかく歩きにくくて嫌でした。今更ながら、ゴロー履くときは中敷きちゃんとして、ソックスも厚いやつ履かないとだめだと学習しました。イノヴェイト、歩きやすかったんだなあ。

かかった費用

  • 扇沢~黒部ダム 電気バス往復 2610円
  • 阿曽原温泉テン場・温泉 1800円
  • 帰りの温泉など 1100円
  • 行動食など 1000円くらい

約7000円ほどでした。ケチったつもりでしたが結構かかりましたね。それでも欅平まで行くと電車賃が5000円くらいは余分にかかるのでまで安く済んで良かった。

山小屋の代金が高騰している中、阿曽原温泉は小屋泊11000円(温泉付き)と以前と変わらず良心的な価格設定でいいですね。豚バラニンニクカレーがうまいらしいので一度は小屋に泊まってみたい。

まとめ

温泉で一緒になった警備隊員の兄ちゃんによると、阿曽原温泉への入り込みは圧倒的に黒部ダムからが多いようです。欅平から往復も半分くらいなのかな?と思っていましたが、「やっぱりみんな下ノ廊下歩きたいんですよ。水平歩道って楽しくないじゃないですか!」みたいなこと言ってましたね。欅平から黒部ダムも少ないと思います。今回帰りに同じ方向に向かっていたのは5人位じゃないかな。ちなみに僕は今回黒部ダムからピストンでしたが、これも圧倒的少数派だと思います。

というわけで、昨年に引き続き2回目の下ノ廊下でしたが、紅葉は昨年より綺麗でしたが、やっぱり2回目は初回ほどの感動が無く、昨年ほどの楽しさは感じられなかったです。すっごい楽しいんだけど、思ったほどではない、みたいな。黒部ダムからの下の廊下は、しばらくはいいかな。次は剱岳から仙人池経由で来よう。

11月はマラソンがあるので、これで一応今年の登山は終わりの予定。最後に下の廊下で閉められて贅沢でシアワセでした。